昨日のTBS報道特集では、フランスで開発された包括的介護メソッドである“ユマニチュード”が紹介されていました。
病院や介護施設など、ケアの現場で、手を焼いている認知症の老人に対し、来日したフランス人の“ユマニチュード”創始者イヴ・ジネスト氏の対応は見事なものでした。
言う事を聞かずに暴れたりするため、手足を拘束されている状態である患者と、同じ視線に立って、優しく話しかけて、手を包むように握って“一人の人間”として尊重していました。
そうすることによって、感情的になっていた患者は、やさしい目つきになり、自分の意志で立ち上がり、人間らしさを取り戻していきました。
テレビなので割り引いて観なければいけないかもしれません。また、現場で働いている方からみれば、現実はそんなに見事にいかないという批判もあるかもしれません。
しかし、観ていて、「これはまさにリャブコのシステマではないか・・」と思いました。
ミカエル・リャブコのシステマは武術でありながら、非破壊を目指しています。また彼の笑顔を見ると、攻撃心が薄れてしまいます。
“ユマニチュード”では、患者の手を掴むことをせず、優しく触れます。掴むと痛いので、患者は感情的になり、最悪、暴れます。
武術でも攻撃する相手を強く掴んだり、払ったりすると、相手は逆上し、さらに攻撃を強めてきます。
ユマニチュードの手法( 「見つめながら会話位置へ移動する」「アイコンタクトが成立したら2秒以内に話しかける」「言葉をかけながら、相手に静かに触れる」・・・以上ウィキペディアより転用)は、武術を学ぶ者にとっても、考えさせられることが多いですね。
また、最近政治の世界でも議論の的になっている「集団的自衛権」の問題にも当てはめて考えることができるのではないでしょうか?
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3464_all.html
←NHKクローズアップ現代の動画がありました。こちらもイヴ・ジネスト氏が実践しておられます。