岩堀修明「図解感覚器の進化」 | うおざき鍼灸整骨院のブログ

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図解・感覚器の進化―原始動物からヒトへ水中から陸上へ (ブルーバックス)/岩堀 修明
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●岩堀修明「図解感覚器の進化」講談社ブルーバックス


システマでは眼を閉じたままストライクやナイフを受けるトレーニングがあります。

柔道の寝技やレスリングでは時々、目隠ししたまま練習することはあります(佐山サトル氏はシューティング時代、グランドは目隠しで練習していました)。

立ち技の場合、一人練習ならともかく、相対練習での攻防は目隠しすればかなり悲惨な状況になるのではないでしょうか。
(以前、大槻ケンヂ氏の番組で龍 飛雲氏の精龍會中國拳法の目隠し試合が放映されていましたが、なかなか試合が成立しにくかったようです)。


思い出しましたが、目隠しして正座した状態の人間を、後ろから真剣を振り下ろし、その殺気を感じて避けるという武神館の昇段試験がありました。


システマではマストレーニング(集団)でも眼を閉じたまま行うことがあり、その時ばかりは「座頭市」になった気分です。(気分だけですが・・・)



私達は普段、五感のうち視覚に頼っていることが多いのですが、この視覚というのが意外と曲者であてになりません。
トリックアート展へ行かれたことのある方はお分かりでしょうが、簡単に視覚というのは騙されます。だから奇術が成立するのでしょう。


武術は一瞬で生死が決まります。フェイントで騙されて命を失っても、誰にも文句は言えません(死んでいるので・・・)。


現代は文明の恩恵とビジュアル中心社会でほとんど視覚中心の世界になっています。電気がなかった古(いにしえ)の人々にとって、夜は暗闇の中で聴覚や嗅覚などを研ぎ澄まして、狼などの野獣から身の危険を守っていたのでしょう。


犬は嗅覚、猫は聴覚、魚は側線(水の動きを感じる≒平衡感覚)、昆虫は味覚、無脊椎動物では体性感覚(皮膚感覚)が発達しているようです。


私見ですが、システマや日本古来の武術は視覚よりも体性感覚(皮膚感覚と固有感覚)を研ぎ澄ますことを重視しているのではないかと思っています。(スポーツでは動体視力が重視されているようですが・・・)