僕が今までに出会った友人や恋人には、「じつは料理は意外と得意なんだよね~」と言う人がたくさんいた。

しかし、僕はその言葉にことごとく騙されてきた。なので、戒めとしてこの記事を書こうと思う。

 

僕は、料理のするのが好きではない。作る必要がないならできれば作りたくないし、毎日外食できる収入があるなら、ぜひともそうしたい。

しかし、現実はそうはいかない。僕は低収入代表、日本の平均年収を大幅に下げている代表と言っても良いくらいに低収入だ。

長く独り暮らし(貧乏)を経験していると、日本が誇る調味料、砂糖・醤油・みりん・酒を使った、いわゆる”茶色い料理”を作る頻度が上がるわけである。茶色い料理は、豚肉や鶏肉、にんじんじゃがいも玉ねぎ葉物など、安い食材で美味く仕上がる。

中華スープの素やごま油も便利だ。こちらも、安い食材で美味しく頂くことができる。

 

しかし、前で挙げた「自称料理得意芸人」たちは、高い食材を使ってドヤ顔をする。

刺身のカルパッチョ、アサリとハマグリの酒蒸し、揚げナスのお浸し、エビとマッシュルームのアヒージョなど・・・そんなの誰が作ったって美味いに決まってるし、そもそも難しい料理じゃない。僕が作っても美味くなる料理だ。

こういう、値段が高い食材を使ってドヤ顔をする「自称料理得意芸人」の特徴は以下の通りである。

 

・中途半端に残った食材を使い回せない

・そのため食材は一度で使い切るので、1つの料理の量がやたら多い

・毎日作るわけではない(そもそも食材が高いから人並みの年収では無理)

・インスタ映えする料理しか作れない

・メニュー名がはっきりわかる料理しか作れない(オムライス、ハンバーグなど)

 

別に美味しいならいいんじゃない?と思うかもしれないが、自称料理得意芸人と同居すると、デメリットというか期待外れなことが多いのでそれも注意喚起として挙げておく。

 

・毎日料理をするわけではない

・ひどいときは一週間料理しない

・買い出しもしない

・手伝いもしない

・料理は全て僕が担当になる

 

ちょっと感情的になってしまったが、つまりはこうなるのである。

それでは、どうすれば「本当に料理が得意な人」を見つけられるのか?それを挙げてみる。

 

①できる限り食材は使い切る

②~しかない料理のレパートリーが豊富

③作る料理の名前がわからない

④得意料理は?と聞かれると、「特にないけど、大体のものは作れる」といった趣旨の内容を答える

⑤計量スプーンは滅多に使わない

 

まずは①から。これは、収入の大小に関わらず日本人として、食材を残すのはよろしくない。食材をできるだけ使い切ろうという心そのものが、料理のレベルを上げるのである。そして、それを実現できた時こそ、真の「料理が得意な人」となるのである。

 

そして②。”~しかない料理”とは、玉ねぎしかない…にんじんしかない…など、1つの食材だけで作るシンプルなおかずのことである。

自炊をしている人はわかると思うが、冷蔵庫に中途半端に残ってしまった食材がレタスだけ…などよくあると思う。

食材を使い切るには、”~しかない料理”のスペシャリストになるべきである。

 

次に③。ずっと前の話だが、片岡愛之助とDAIGOの対談企画があった。二人とも当時は新婚生活を満喫しているタイミングという点で共通だったからだ。

その対談で、片岡愛之助が「妻がいつも料理を作ってくれて、その中で特に美味しい料理があるんだけど、名前がわからない」と言い、DAIGOも「そうそう、うちも名前がわからない料理を作るんですよ。でもすごく美味しいんです」と話していた。

料理が得意な人、もしくは料理が得意な人と同居している人は、恐らくこの会話に共感できると思う。

自称料理得意芸人は、やたらとオシャレな名前の付いた料理を作るが、本当に料理が得意な人は”茶色い料理”、”名前のない料理”を毎日作る。

もちろん、料理が得意な人だってオムライスやハンバーグも作ることはあるが、この世に名前のある料理だけで毎日自炊をしていたら、確実にレパートリー不足になるか金が尽きる。

本当に毎日料理をする人は、そこをきちんと理解できているのである。

 

次に④だが、料理が得意な人は基本的にどんな料理でも作ることができるし、そもそも料理に得意・不得意など無いことを理解している。

逆に問いたい。不得意な料理とは?どういう意味で不得意なのか全くもって理解できない。

料理など大体どれも一緒だ。しいて言えば、餃子の皮を折るのが苦手とか、それくらいだろう。

そもそも、得意料理は?などと質問してくる時点で料理をしていないことがバレバレなので、「最近作って美味しかった料理は?」という質問の方が自然だ。

 

最後に⑤だが、料理を毎日続けていると、大さじがどれくらいか見た目でわかるようになるし、そもそも大さじいくつかなんて分量すら覚えない。感覚でこれくらい、というのがわかる。

この判断ポイントはかなり大きい。調味料の量が目分量でできるようになるには、少なくとも半年以上は毎日自炊をしないと身に付かないからだ。

僕が今まで関わってきた自称料理得意芸人は、僕が調味料を目分量で入れているのを見た瞬間に、料理をしなくなった。

これは料理をしない人からすると本当に衝撃的らしい。

 

最初に言ったが、別に僕は料理が趣味ではない。貧乏が故に、貧乏自炊に強くならざるを得なかっただけだ。

料理ができない人を見下しているわけでもない。むしろ、仕事をバリバリして料理なんかほとんどしたことがない人に憧れすら抱いている。

しかし、「自称料理得意芸人」は許し難い。あいつらに何度騙されたことか。今思い出してもイライラする。

このような経験のおかげで、僕はインスタでオシャレな手料理写真を見ても、「わ~すごい~♡」なんて思わなくなりました。

 

今回はかなり感情的な記事になりましたが、結局何が言いたいかというと、自分の料理の実力を過信しすぎてその自信がポッキリ折れた時に拗ねないこと。

それと、どちらか一方に家事負担を重くするのはやめようね、ってことです。