嘘は嘘であると見抜けない人たち

（この画像を知っている、彼が誰なのかもわかるのは、1990年代生まれがギリギリではないだろうか？）

今回は、時代とともに変わるネットリテラシーのお話。

1985～1995年生まれの２ちゃんねる世代とは

上記生まれの世代は、携帯電話の進化と共に成長し、インターネットも既に身近にあった世代だ。（ざっくりした範囲ですが）

2004年に「電車男」が発端で２ちゃんねるが大ブームになった頃、ちょうど自分たちはクソほど暇な中高生、大学生だったというのもあり、ネットリテラシーは２ちゃんねるがベースとなっている人が多いと思う。

SNSはまだあまり普及しておらず、mixiも招待制、Twitterを使ってみるものの知らない人との交流はほぼ無く、タイムラインは身内のツイートばかりになることが普通だった。

インターネットがリアルになっている人が増えている

しかし今では、SNSが匿名性の強いものであるにも関わらず、リアルと混同している人が多い。

例えば先日放送された、世界の何だコレ！？ミステリーで取り上げられた「きさらぎ駅」。

何年前のネタ引っ張り出してんのｗ　テレビ業界もいよいよネタ切れかｗ　と呆れていたものの、ツイッターでは一時「きさらぎ駅」というワードがトップに君臨。

てっきり、２ちゃんねる世代の人たちがきさらぎ駅を懐かしんだり、ネタパクするテレビ業界を叩いてるのかと思いきや、

「嘘松」

「歩きながら掲示板に書き込みなどできない」

「写真が一枚もないのが怪しい」

などと、野暮なツイートばかり。おかしい点を的確に突っ込めている自分ドヤ！している姿は、サムいを通り越してブロックしたくなるレベルの変な人だ。

２ちゃんねるのオカ板は釣り大歓迎、むしろ全力で釣られるのを楽しむというスタンス。何なら２ちゃんねる全体が釣り場だ。面白ければフィクションでもいい、むしろ現実に刺激的な出来事がほとんどないからこそ、インターネットを通じて疑似体験しにくるわけだ。

そして主からの釣り報告が書き込まれると、爽やかに「いや～やられた！でも面白かった！」と返すのが普通だ。

※この物語はフィクションです。が必要な時代に？

それがSNSがメインになってからは、フィクションを書くと叩かれることが多くなった。「ひどい」「騙された」なんて２ちゃんねるで書くにはダサすぎるワードが、SNSでは普通に飛び交う。

先日も、ツイッターで婚活女子として人気のあったアカウントが、自分は既に結婚していること、ツイートが事実とは違う、もしくは誇張されたものであることを謝罪するという出来事があった。案の定、「騙された！」というお怒りリプが殺到。金でも騙し取られたんか？というくらいにすごい怒りっぷり。

まぁ実際、彼女はamazonの欲しいものリストを公開し何度かプレゼントされていたようだが、それもツイート内容のレベルが高く支持を集めたからこその結果だ。

少なくとも、彼女に怒っていいのは彼女のツイートを心底信じ、欲しいものリストのアイテムをプレゼントした人だけだ。フォローだけしてツイートを読むだけのユーザーに怒る権利などない。

２ちゃんねる世代にとっては、インターネットはいくらでも嘘をつける場所、むしろ匿名で刺激を楽しむものだという認識でいるので、より多くの人を騙し楽しませることのできた人は高く評価すべきだという考えの人がほとんどだと思う。

もし、嘘や誇張されたツイート全てに「※これはフィクションです。」なんて付けようもんなら、ツイッターはとてもつまらないものになるだろう。

ネットリテラシーの教育を見直す必要がある

インターネットが当たり前の時代になった今、小・中・高校いずれもインターネット利用についての注意喚起はよく行われている。

・自分の顔や裸の写真などは送らない

・悪口を書いてはダメ

・知らない人と会わない

といったことが多いが、こういった部分的な禁止事項を説明するよりも、もっと根本的なことを教えなければならない。

インターネットは、顔も名前もわからない匿名性が強いものであり、「うそはうそであると見抜ける人でないと（掲示板を使うのは）難しい」というひろゆき氏の名言をもっと前面に出すべきだ。

そして、SNSで流れてくる面白いツイートやほっこりするツイート、キラキラした写真などはあくまでも自分への刺激や暇つぶしとして楽しむという割り切った気持ちで利用しなければならない。

誰でも簡単に作れる偶像を嘘と見抜けず信じ込んで、騙された！と怒るダサい人が少しでも減ってほしいと願うばかりだ。

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