移籍市場で稼げるクラブを目指して。 | モンテなつぶやき

移籍市場で稼げるクラブを目指して。

来週から忙しくなるので、今日は省エネモード。


とても面白いサッカー本があったのでご紹介します。

サッカーライター・小澤一郎氏の『サッカー選手の正しい売り方 移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、儲けられない日本のクラブ』(カンゼン)
モンテなつぶやき-正しい売り方

権力大好きな剛腕な人ではありません、念のため。


テーマは選手の移籍について。

契約制度の移行に伴って起こった日本人選手のゼロ円移籍問題や、代理人やクラブとのあり方、欧州クラブの移籍に対する考え方が日本とどう違うのかなどなどなどなど、充実の内容。

面白くて次々にページをめくりたくなります。


昨年、清水からシュツットガルト移籍でのゴタゴタについて書かれた第二章は、清水会長・早川氏へのインタビュー、代理人側の見地を交え、多角的に述べられています。

早めに契約を更新してプロテクトしなかったのは、「今冬の移籍はありませんよ」という代理人(ロベルト佃)側の言葉を信頼したからだ、という早川会長の言葉を聞く限り、岡崎・ロベルト側が道に外れた手段で移籍していったかのように受け取れますが、まぁ、ハタから見りゃ、なぜさっさと契約しとかなかったんだ、と。


フリートランスファーでの主力の移籍は岡崎以前にもあったわけなんだから。


ちなみにシュツットガルト側が1月31日の契約満了前に岡崎と契約したのを問題視しているのも、世界の常識(シーズン最後の試合があった日を契約最終日とみなす)に照らすとなんら非常識ではないそうな。

実際、同じくフリーで移籍していった兵藤や藤本も1月31日の契約満了日前に移籍先のチームに合流してますし、岡崎だけ問題視しても説得力はないよ、ということらしい。


…てな感じで実に勉強になる内容です。

サッカークラブの経営に携わりたい!という人にもオススメの一冊。



清水のようなケースがある一方で長友がFC東京からチェゼーナをトランポリンクラブにしてインテルという世界的ビッグクラブへ移籍したケースを成功の一種として三章で紹介しています。

事実、長友のインテル移籍で得た移籍金(違約金)は約2億。

ご存じかと思いますが、チェゼーナは買い取りオプション付きのレンタル移籍で長友をFC東京から獲得したわけですが、そのようなけしてビッグではないクラブと手を取り合って、日本のクラブもトランポリンクラブもwin‐winの関係を目指すのも手だ、ということを丁寧に書いています。


ほかにも日本人として初めて欧州のクラブでGMを務めた祖母井氏の視点や、代理人の視点、選手側の視点、著者がつながりがあるスペインのメディア関係者、指導者らさまざまな立場の人物の目線で語られる移籍への提言。

読んでおいて損はないかと。


欧州でプレーしたいという多くの日本人選手の夢は、もう夢じゃない時代になりつつあります。

日本にずっととどめておくのは、その選手のためにならないし、ひいてはクラブのためにもならない。

どうせ選手は出ていく。ならば、落とすもんは落として行ってもらう。

今後はそういう流れに持っていかなければならないんだろうね。


それでも本書を読む限りでは日本のクラブには、再び契約満了後の選手にも移籍金を課せるローカルルール復活を願う声があるようです(国内移籍に関するローカルルール設定に関してはFIFAでも認められているらしいけれど)。


本当にそれがクラブを守ることになるのか。

怪しいもんです。


それだったら、現在の移籍制度の中で、いかにうまくクラブを強化していくのかを知恵を絞る方が建設的で生産的。

うまくやればJ1で優勝する賞金よりも稼げるわけです、言い方悪いけれど。


いい素材を獲ってきて、付加価値を付けて、高く売る。

あれ?これって本来日本が得意なはずじゃなかったっけ。


そのいい素材を獲るっていう点でも、現状の日本の制度に大いに問題があるんだけれど、それは次回につづくということで…。


この本で一番気になったのは、実は移籍についてではなく、新人の獲得の際に発生するトレーニング費用と23歳以下の選手が移籍する際に発生するトレーニングコンペンセーションの二重問題。


ちょっと次はそこを掘り下げようと思います。



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↓この本マジおもしれっすよ。ただ誤植が異常に多いけど。わたしに校正させてくれれば大半は防げたと思われますよ。※この本を編集している会社に履歴書送るも選考に残らなかった男のヒガミと思っていただいて結構です(笑)


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