ある音楽が頭の中でずっと鳴り続ける。
そんな経験が誰にでもあるのでは?
私は先日からずっと、映画「ラヴェンダーの咲く庭で」のテーマ曲が頭の中で流れ続けています。
2004年に公開されたこの映画、私は見たことはないし、知りませんでした😅。
先日、仕事で関わったコンサートのアンコール曲がこの曲だったのです。
宇野昌磨君がフィギュアスケートで使って注目されたり、バイオリンの名曲としても知る人ぞ知る曲なのだそうですが、私は初めて聴きました!
コンサートで演奏してくれたのは地元の中学2年生の少女、Mちゃん。
昨年、別のコンサートに出演した彼女の演奏が素晴らしく、ぜひにとお願いをしてお受けいただきました。
昨年拝見した時はまだ中学生になったばかりの、一見小学生と言ってもおかしくないくらい幼かった彼女。大人の管弦楽団をバックに臆することなくソロでバイオリンを弾いた姿にとても感銘を受けました。
今回のコンサート打ち合わせでお会いした時は、たった一年しか経っていないのに、すっかり中学生らしくなっていてビックリ。よその子の成長は早い😳。
そのコンサートの本番が先日だったわけですが、通常の音楽ホールではなく市役所の議場をお借りしたので、ピアノは持ち込めない。
地元で活躍する弦楽四重奏グループとの共演にして、特別にバイオリンと弦楽四重奏用に編曲し、演奏してもらったのが、この映画「ラヴェンダーの咲く庭で」のテーマ曲。
いやあ、素晴らしかった😆。
音楽ホールではないので音響があまり良くはない会場だったけど、奏者と客席の距離が近くて全身で音の響きを感じることができました。
そして、なんとも心を揺さぶるあのメロディ。
Mちゃんはそれを全身でバイオリンを通して唄いあげ、40代、50代の弦楽四重奏の皆さんが絶妙に受けとめ、ハーモニーを響かせてくれました。
映画の予告編
ぜひ映画も見てみたいけど配信がなく、DVDも中古しかないよう。アラフィフ世代が共感できそうな映画なのに。
コンサートが終わってもあのメロディが頭から離れなくて、いくつかの動画を見てみました。
同じ曲でも演奏する人で全然違う。
プロの奏者のものもたくさんアップされていて、皆それぞれに素晴らしいけれど、もちろん奏者ごとに違うし、同じ奏者であっても二度と同じ演奏を聴くことは出来ない。
聴く側のその時の心や場所の雰囲気もあり、私にとってはMちゃんの演奏にかなう「ラヴェンダーの咲く庭で」は見つけられませんでした。
来場者のアンケートでも同じように感動された方が大勢いらしたようで、特別な時間を多くの方と共有できた、素晴らしい仕事をさせていただけて本当に感謝しています。
Mちゃんは、先月末も県の音楽コンクールで中学生としては異例の最高賞・大賞を受賞した将来有望な奏者ですが、まだ将来、音楽の道に進むと決めたわけではないそう。
そう、彼女の未来は無限に広がっている。
だからこその、何ものにも囚われない演奏だったのかもしれません。
輝かしい受賞歴があると、つい大人は「将来は音楽の道に!」とか「世界的なバイオリニストに」と期待しがちだけれど、本人が決めること。
必ずしもプロになることだけが素晴らしい音楽を生む道とは限らないのではないかしら。
最近、そんな風に感じるようになりました。
彼女の聴かせてくれた演奏は瑞々しさが溢れていて、技術も素晴らしいのだろうけれど(素人の私にはそこは詳しくわかりません😅)何より、気負いがなく、純粋に音楽を楽しんでいることが伝わってきて聴く人の心を動かしてくれました。
以前に美大生の卒業制作展を見た時も感じたけれど、これはアマチュア、特に学生という若い世代特有の熱量なのかも。
大人になるとどうしたっていろんなものの怖さがわかってくるし、見る人聴く人の評価を計算して操作する部分、いわゆる商業的な要素が入り込むことが多いように思う。
フィギュアスケートの浅田真央ちゃんが初めてオリンピックに出た頃の演技も、他のベテラン選手が抱えるそうしたものに囚われていなくて、ただとても楽しそうだったのを覚えています。
コンサートには何人か小学生も来てくれましたが皆びっくりするほど集中して聴いていて、年齢の近いMちゃんの演奏にとても感激した様子。
大人のプロが演奏するよりも、子供達に伝えられたものは大きかったかもしれません。
音楽は知識ではなく、ただ心で聴けば良い。
きっと演奏する側も聴く側も。
私たちはただ感じれば良い。御託を並べる必要などない。囚われてはいけない。
そして心を動かされる体験は何より素晴らしい。
Mちゃん、素敵な時間を共有させていただき本当にありがとう。
あなたの選ぶこれからの未来が素晴らしいものになることを心から願っています。
