=第151回= 『知りすぎていた男』 感想 | 3110 - 映画研究会

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会長の3110です。

前振りが思い浮かびません。

 

     ―=ΞΣ((( / ・ω・)/

 

 

   『知りすぎていた男』

  

1956年 120分 監督:アルフレッド・ヒッチコック

 

  〔あらすじ〕

  モロッコに観光に来たベン、ジョー、ハンクのマッケナ一家は、現地のバスでベルナールというフランス人に出会う。

 ディナーの約束をして別れる双方だったが、いろいろと質問をしてくるベルナールを妻のジョーは怪しんでいた。

 翌日、ホテルで出会ったドレイトン夫妻と市場に来ていたマッケナ一家は、ベルナールが何者かにナイフで刺される場面に遭遇する。

 ベンに気がついたベルナールは、彼の元に歩み寄り、ある陰謀の阻止を託して絶命する。

 

     ―=ΞΣ((( ∩ ´ ∀`)∩ コ コ マ デ!

 

 

ヒッチコック黄金期の作品も、これで大方観終わりましたかね。

 

本作は、1934年にヒッチコックが監督を務めた『暗殺者の家』(原題は同じ)を、ヒッチコック自らリメイクした作品です。

まあ、結構違う感じですが。

 

こちらもおなじみ巻き込まれ型サスペンスなのですが、本作は「気がついたら既に巻き込まれていました」パターンですね。

 

サスペンスあるある。外出先で出会った馴れ馴れしい人物は怪しい。

 

 

ヒッチコック映画の中でも有名な作品だと思いますが、予想以上に地味でしたね。

もちろん面白かったですけど。

黄金期の他の作品がイロモノ揃いなので、正統派の本作が地味に見えるのかもしれませんね。

 

地味と言っても、序盤の雰囲気作りはとても良かったと思います。

その雰囲気作りに一役買っているのが、妻のジョー。

 

サスペンス映画でたまに登場する、事件の気配を察知する人物です。

やたらと疑り深い彼女は、バスで出会ったベルナールや、ホテルで出会ったドレイトン夫妻にも疑いの眼差しを向けます。

 

 「誘導尋問していたわ

 「私たちのことを見ていたわ

 

普通に考えれば考えすぎなんですが、私たちはサスペンス映画とわかっていますし、何より監督がヒッチコックということで、事件が起こるのはもはや確定事項なんですよね。

だから、この疑いの目は不自然じゃないように感じるし、むしろ観ている側からすると、シナリオ上で注目すべきポイントが自然と見えてくるのです。

 

 

大筋はだいぶ王道な感じですね。

子供を誘拐された一般人が、警察の手を借りずに事件を追う感じ。

そこにヒッチコックの色が加わり、重役の暗殺計画の阻止が絡んでくるのです。

 

 

派手な逃走劇があるわけではなく、事件の内容自体も若干地味なので、盛り上がりに欠けると感じる人も多いかもしれませんが、終盤のオーケストラのシーンは必見です。

 

 

     ―=ΞΣ((( / ・ω・)/

 

考えてみれば、ヒッチコック映画で誘拐事件ってあまり多くないんじゃないかなぁ。

活躍するのも他人同士の男女ではなく夫婦ですし、サスペンスとしては定番だけど、ヒッチコックとしては珍しいタイプの作品なのかな、と思いました。

 

 

続く……ケセラ・セラ