ー第59回ー 『シザーハンズ』 (感想) | 3110 - 映画研究会

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 会長の3110です。

 映画1本観賞って意外と体力いりますよねぇ。

 1日に2本。多くて3本が限界かな。

 今日も『ジョーズ』観てたら途中寝ました。そして巻き戻しました。

 

     ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

   『シザーハンズ』 

  

  1990年 105分 監督:ティム・バートン

 
  ※画像をお借りしています。
 
  〔あらすじ〕

 昔々、町から外れた山の上のお城に住む、ひとりの発明家がいた。

 彼はいろいろな機械を作って暮らしていたが、そのうちのひとつに命を吹き込もうと思い立つ。

 しかし、完成する前に発明家がこの世を去ってしまったため、エドワードと名付けられたその人造人間は、両手がハサミのまま城に独り残されてしまった。

 ある日エドワードは、化粧品のセールスのために山の上の城を訪れた女性、ペグと出会う。

 エドワードのことをかわいそうに思ったペグは、エドワードを家に連れて帰り、一緒に暮らすことを決める。

 初めて町に下りたエドワードは、そこで人々の優しさに触れる。しかし、そこにあるのは優しさだけではなかった……。

 

     ─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ コ コ マ デ!

 

 2回目を昨日観ました。

 好きなんですけど……観るのが辛いよ。

 ハートフルなコメディかと思いきや、その正体は人間という生き物を題材にした強烈な風刺映画です。バートン節が炸裂しています。

 私の中では『西部戦線異常なし』,『禁じられた遊び』と並ぶ「最も悲しい映画」です。

 

 

 この映画が風刺しているのは、人間の集団心理。

 噂が広がる様子が、滑稽に見えて実に恐ろしいです。

 

 最初は興味本位でエドワードに近づくご近所さんたち。

 奥様たちはいつでも話題に飢えてるんですね。

 

 エドワードがハサミを使ったガーデニングやトリミング、ヘアカットの才能を開花させると、たちまち人気者に。

 テレビにまで出演するようになります。

 ……ここまではよかった・・・って、思うじゃん?

 一見いい感じに事が運ばれているように見えますが、この辺りの場面にも、強い風刺の色が見られると私は思います。

 人の噂は、いとも簡単に誰かを人気者にすることができるということです。同じように、人気者を嫌われ者にすることも簡単で……。

 

 

 風刺表現としては噂によって動かされる人間の単純さが目立ちますが、それ以外の人間の醜さもピックアップされています。

 

 ペグの娘のキムは、彼氏のジム(映画史に残るクズ男)の誘いを断り切れず、自分たちだけの車を買う金を得るため、盗みに協力してしまいます。あろうことか、解錠係としてエドワードにも協力させて。

 盗みは失敗し、エドワードが一人逃げ遅れ、逮捕されてしまいます。

 キムはエドワードを助けようとするものの、ジムに押し切られ、結果彼を見捨てる形に。

 そんなキムが釈放されたエドワードに最初にかけた言葉は、言い訳でした。

 そして、キムが真実をみんなに話すことはありませんでした。

 己の身を優先してしまったのです。

 

 

 エドワードは、町に下りて初めて人の優しさに触れます。

 城にいた頃はまるで笑えなかったエドワードは、ぎこちないながらも、笑顔をのぞかせるようになります。

    ↓

 しかし、同時に人の負の面も目の当たりにしてしまいます。

 城の外を知らずに過ごしてきたエドワードにとって、それらのギャップはあまりにも大きかったようです。

 人々の身勝手な感情に振り回され、エドワードは次第に笑顔を失っていきます。

 エドワードが最後に笑顔を向けた相手は、人ではありませんでした。

 

     ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

 はい。エドワード以外には、誰一人として感情移入できる人物がいませんでした。

 逆に、エドワードにはすごく感情移入できました。

 嫉妬,誤解ほど人を苦しめるものはない。

 

 

続く……私が書いたエドワード Before After