ー第24回ー 『聲の形』 (紹介) | 3110 - 映画研究会

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※ 今回の記事は汚い言葉を含みます。

 

   会長の3110です。

   DVDが増えるほど、どれを観ようか選択肢が増えていくのが楽しいです。何度も観ていくと、最初は気づかなかった伏線とかに気づけるし。

   ちなみに今日は『十二人の怒れる男』を観ました(2回目)。

 

   さて、だいぶ遅くなりましたが、タイムラインでリクエストされた映画を紹介していきます。

   原作も合わせて紹介します。

 

         ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

      『聲の形』

      

   2016年   130分   監督:山田 尚子

 

   原作全巻読みました。精神的ダメージがちょっとヤバいです。

   いや、いい作品です。いい作品なんですけど……リアルすぎる。特に原作。ブックオフで全巻立ち読みしたんですが、脚の震えが止まりませんでした。

 

 

   石田 将也の小学校に、聴覚に障がいを持つ少女、西宮 硝子が転校してくるところから物語が始まります。

   最初は友好的に接するクラスメイトでしたが、授業や学校生活に支障が目立ち始め、西宮に対するクラスメイトの不満が出始めます。

   そして、将也が興味本位でからかい始めたのを皮切りに、西宮へのいじめが始まります。

   しばらくしていじめの事実が表面化し、校長の元、緊急学級会が開かれます。それまでいじめを黙認していた担任は、その場で将也を糾弾。それに便乗したクラスメイトも将也独りに責任を押し付けます。

   そして、将也は新たないじめの標的にされるのでした。

 

   6年後、高校3年生になった将也は、自殺の前にやり残したことを片付けようと、再び西宮に会うことを決意します。

 

 

   ……そんで、将也と西宮の再会から、改めて物語が始まります。

   将也は、小学校時代西宮が失くした筆談用ノートを返すため、自分の思いを伝えるため、また、西宮の思いを知るために手話を学んでいたんですが、再会した途端「友達になってくれないか?」と尋ねてしまった将也。自分でもびっくり。

   それは、小学生のとき、西宮が将也に向かって言ったのと同じことでした。当時は意味がわからず、突き放していた将也でしたが、今となってようやくその意味を理解でき、反射的に言ってしまったのでしょうか。

 

   元々嫌いだったんですが、人間が嫌いになりましたね。

   しかし、これがリアルなんだと思います。

   自分に矛先が向くのを恐れ、多数派につく者。問題の早期解決を謀り、個人に責任を押し付けるクズ担任。

   将也は、担任とクラスメイトの生贄にされたのです。

 

 

   この映画で描かれているのは、様々な立場の人間から見たひとつのいじめです。

 

   新たないじめの標的にされたことにより、西宮の気持ちを知った少年。

   突然将也をいじめ始めた昨日までの友達。

   西宮に手を差し伸べたものの、いじめの標的にされるのを恐れて不登校になった少女。

   好きだった将也と同じことをしたくて西宮をいじめ、更に将也をもいじめた少女。

   常に安全圏に身を置き、自分に責任はないと考える少女(一番の人格破綻者)。

   姉をいじめた者に復讐しようとする妹。

 

   中高で友達が1人もいなかった将也は、かつて自分がいじめていた少女の友達となり、友達とは何かを考えるようになります。

 

   高校でできた新たな友達,小学生時のクラスメイトとの再会。

   彼らと触れ合い、一時は幸せを感じた将也でしたが、結果的にそれは小学校時代のトラウマを呼び覚ましてしまいます。

 

   後悔と前進を繰り返す将也は、どんな道を見つけるのでしょうか。

 

         ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

   補足です。

   将也の高校のクラスメイトとして、真柴という人物が登場しますが、映画だけ観た人は「こいつ出てくる意味あったか?」と感じると思います。

   彼については原作で詳しく掘り下げられていますので、気になった方は是非読んでみてください。

   また、原作の川井は映画以上にどうしようもないです。こいつだけ最後の最後まで何一つ成長していないし。

 

 

続く……将也のおかん若すぎ