学友同士で結婚した仲間もいます。今回はその2人が羽田空港まで迎えに来てくれました。銀座界隈を案内してくれるそうです。持つべきものは友達です。
明治5年、新橋~横浜間で日本最初の鉄道が開業しました。そういうわけで新橋のSLを見たいという私のリクエストで新橋駅へ連れて行ってくれました。改札を出ると早速由緒ありげな柱が出迎えてくれます。
【明治42年烏森駅開業時の柱】
当時の新橋駅は新橋停車場として東京駅開業まで都民に親しまれてきました。現在の新橋駅は明治42年、烏森駅として誕生、その後東京駅開業に合わせて大正3年、新橋駅と改称され現在に至ります。夏目漱石の小説などでは停車場と書いてステーションと読ませたりしていますよね。
この柱は烏森駅開業当初から93年間ホーム階段を支えてきた柱です。
【新橋駅】
鉄道発祥の地、新橋駅の赤いレンガアーチは明治時代に造られた高架橋で耐震補強を経て現在も活躍しています。この赤レンガも明治時代のものでしょうか?
【C-11蒸気機関車】
SL広場ではC-11蒸気機関車が展示されています。この機関車は昭和20年代に運行していたものだそうです。12時の汽笛を聴くことができました。感激です。
【銀座時計塔】
銀座といえばこの建物ですね。明治27年、服部時計店として営業を開始し、このときに初代時計塔も完成。現在の時計塔は2代目で昭和7年に竣工。90周年を迎えます。
建物はネオ・ルネッサンス様式で、関東大震災後、火災や地震などの災害に備えて総天然石で造られているそうです。
銀貨の鋳造を独占していた組織を銀座と言い、江戸幕府の銀座役所が置かれていたことが由来となって明治4年に銀座と名づけられたとのことです。
【銀座柳並木】
柳の街路樹は銀座の名物と思っていたのですが調べてみると意外にもかつての街路樹は松やカエデ、桜だったそうです。しかし、それらの木が根腐れを起こしてしまうため、明治20年からは湿気に強い柳が植えられるようになりました。しかし、これも意外でしたが街路樹の柳が交通の妨げになるということで撤去されていた時期があったとのこと。昭和50年に地元の人々の努力で柳並木は復活しました。
銀座には石川啄木の歌碑もあります。
【石川啄木歌碑】
石川啄木のイメージは岩手や函館といった北国ですが銀座の朝日新聞社に務めていた時期があるのですね。
「ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中 そを聴きにゆく」
もこのとき詠んだものでしょうか?
歌碑は朝日新聞社跡地に立っていました。
「京橋の 滝山町の新聞社 灯ともる頃の いそがしさかな」
一握の砂からの一首です。生活感のある啄木らしい一首です。
お昼は友人夫妻に銀座のビールをご馳走になりました。ライオン ビアホールです。銀座のど真ん中でビールを頂けるとは・・・ いやぁ~、あらためて持つべきものは友達です。
【ライオン ビアホール】
なんと、このビアホール、現存する日本最古のビアホールらしいですよ。昭和9年、サッポロビールの前身、大日本麦酒本社ビルとして開業。太平洋戦争時の空襲からも奇跡的に免れ、創業から90年近く内装はほとんど当時のまま、人々の喉を潤しているそうです。令和4年には登録有形文化財に指定されています。
生ビールにソーセージとナポリタンにピザ、最高の昼下がりです。
このビアホールのコンセプトは豊穣と収穫。大型ガラスモザイク壁画にはビール大麦を収穫する女性たちが描かれています。歴史だけでなく雰囲気もお洒落です。
日本で最初のビアホールも同じく銀座に、これも同じく大日本麦酒により「恵比壽ビアホール」が開業したそうです。石川啄木も仕事帰りに銀座でビールを飲んだのでしょうか?
ビールの後は銀ブラ、歌舞伎座までやって参りました。歌舞伎座は桃山風と言って、明治22年、演劇改良運動の熱心な提唱者である福地源一郎が理想を現実化するために歌舞伎専門、日本一の大劇場を目指して創設されました。現在の歌舞伎座は平成25年に竣工された第五期歌舞伎座だそうです。
【歌舞伎座】
歌舞伎は安土桃山時代、出雲阿国のかぶき踊りが始まりだと学生の頃習ったような気がします。出雲阿国はその名の通り、出雲大社の巫女だったのですね。京都で男装し、かぶき踊りで人気を博し、江戸城でもかぶき踊りを披露したそうですね。江戸時代になると歌舞伎は民衆演劇として人々を楽しませていたのですが風紀を乱すということでしょうか、幕府により弾圧され、女歌舞伎から若衆歌舞伎、そして野郎歌舞伎へと変化し、現在の歌舞伎が出来上がったのでしょうね。
その過程で歌舞伎は舞踏中心から演劇中心のものへ変わっていきます。しかし、400年も昔に生まれた芸能が現在でもエンターテイメントとして人々を魅了しているというのはすごいことですよね。
駅伝大会当日の朝を迎えました。必勝祈願をして会場に向かいましょう。調布、布田駅近くの常性寺で参拝をします。常性寺は鎌倉時代に創建された真言宗のお寺で安土桃山時代に調布へ移転、成田不動尊を勧請し地元の方々に調布のお不動さんとして親しまれています。
願いを叶えてくれると言われている不動明王様に駅伝大会での健闘を祈願します。
早朝の境内は清々しいものです。布袋様がいらっしゃいました。縁起がいいですね。布袋様にも必勝を祈願します。
布袋様は10世紀、五代の時代の中国で実在した僧です。背負っている袋に詰まった財を人々に分け与え、その施しを受けた者たちが大金持ちになったという故事から福の神として信仰されているそうです。ご利益よろしくお願いします。
調布では調布七福神といって市内の七つのお寺に七福神がそれぞれいらっしゃって、地元の方々に信仰されているそうです。常性寺は布袋様、時間があれば七福神巡りを行ってみたいですね。
母校のキャンパスは郊外にあって、わりとのどかなところです。この日は最高気温が25度という暑さになるとの予報でしたがカラスウリの実を見るとやはり秋の趣を感じますね。
キャンパス内のテミス像です。
【テミス像】
テミス像はギリシャ神話の法と正義を司る女神で手にした天秤は法の理念である公平を剣は正義を実現する力を表しています。だからテミス像は法律や裁判関係の建物などでよく見られますが、このテミス像は大学に通う全学生が社会に出て公平、正義の心を大切にしてほしいという願いが込められています。卒業生として今からでも公平、正義、心がけるようにしましょう。
さぁ、いよいよ駅伝大会スタートです。ワクワクします。懐かしい仲間と楽しい1日になりそうです。頑張りましょう!!