京阪大津線の復興研究所

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大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。
なお、記事と無関係なコメントはご遠慮ください。

近鉄が5月19日から、ロング・クロスの切り替え機能を備えたデュアルシート車の南大阪線版である6A系の運転を開始する、と発表しました。さらに、同車を用いて有料座席指定サービス「すわれ~る」が6月1日から提供されます。

 

近鉄5820系のデュアルシート
近鉄のデュアルシート(写真は5820系)

 

対象列車第一号は平日の大阪阿部野橋駅18時50分発吉野行き急行で、先頭車1両をクロスシートにして対応します。座席指定権は古市で解除され、以遠は料金なしで乗車可能です。料金は以前の記事の想定通り300円で、オープニングキャンペーンが行われる6月30日までは200円で利用できます。

 

近鉄は「すわれ〜る」と「ざせキープ!」の商標登録を一年以上前に済ませているので、この種のサービスが開始されることに驚きはありません。ただ、2026~27年度に導入予定のトイレ追加型8A系を用い、まず昼間時の奈良線急行に導入されるというのが大方の予想だったので、虚を突かれた感はあります。

 

奈良線と違い、南大阪線には終日特急が設定されているので、自社内での競合が生じることは避けられません。もっとも、古市に停まる特急は大阪阿部野橋駅20時10分発以降なので、それなりに棲み分けはできると踏んだのでしょう。

 

それよりも問題なのは、「すわれ〜る」の対象が吉野側の先頭車両であることです。指定席を乗務員室に隣接させるのは不正乗車を防ぐ意味で間違っていませんが、6A系はトイレを吉野側から3両目に備えているのです。サニタリー設備は有料列車の重要なサービスなのに、設計と営業の方針が矛盾しています。

 

下り急行は大阪阿部野橋から古市までノンストップなので、乗車時に検札を行えば、指定席車を3両目に移しても問題ありません。というより、なぜそうしないのでしょうか。それはともかく、この手が通用するのは乗車が一駅に集約される下りのみであり、将来的に朝ラッシュ時の上り列車にもサービスを拡大する場合は、車両の構造が足かせとなります。

 

対策としては、吉野側から4両目で上りの「すわれ〜る」を提供することが考えられます。これならば車内での検札が可能です。朝ラッシュ時は大阪阿部野橋側に2~4両が増結されるので、通勤列車には珍しく中間車に車掌が乗務する形態になりますが、特段の支障はないはずです。

 

近鉄に問い合わせたところ、6A系はトイレを吉野側から3両目の大阪阿部野橋寄りに設置しているので、健常者ならば隣の4両目からの使用に問題はありません。ただし「車両の連結部は車椅子で通り抜けて頂く仕様ではございませんので、通行はお控えいただければと存じます」とのことです。これでは多目的トイレの存在意義が問われることになり、何らかの対策が必要です。

 

話は変わりますが、近鉄の技術管理部は6A系について、「一般車両の代替として導入し、特急車両を代替するものではない」との見解を示しています。竹澤瑞樹氏の予想は、またも外れたようです。

 

6A系と引き換えに16000系と16010系が廃車される、という予想が外れたこと自体を責めるつもりはありません。推測に過ぎないことを既成事実のように扱い、根拠のない断言を繰り返すのが信じられないだけです。やはり「鉄道時刻表ニュース」の鵜呑みは危険だと言わざるを得ません。

 

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