カイロプラクティックと聞いて、どんな治療法を想像されますか?

 

首や腰や骨盤を強く捻って関節をボキボキ鳴らし、歪んで長さの違う足の長さを揃える事で体の歪みを整え、歪んだ関節が整えられる事で首痛や肩こり、腰痛を改善させる治療法と多くの方が思っていると思います。

 

確かに、歪んでいる体を整える事も一つの重要な理由ですが、カイロプラクティックの本来の目的は、歪んでいる関節を整えるというよりも、可動性が失われているまたは亢進している関節を整える事で、関節から出ている神経の異常を改善させ、その結果自律神経が回復する事で機能的な異常を回復させる治療です。

 

またカイロプラクティックと整体の違いは、日本では施術者側も含め多くが混合されているので簡単に違いを説明すると、アメリカ発祥か日本古来の柔術の中の活法から派生したかの違いのようです。(色々な説があります)

 

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19世紀末のアメリカで人体の恒常性の保持には、神経系と脈管系を介した内分泌系が関与していると考えたアメリカ人のダニエル・ディビット・パーマーが、この神経系に注目し、その神経系の伝達を妨げている脊柱の問題を矯正する事で、人体の自然治癒力が十分に働けるようになり、病気を癒し健康を維持できると考え、カイロプラクティックを考案しました。

カイロプラクティックでは、脊柱の特定の関節の機能に障害が生じると、その関節の間から出ている神経が物理的、化学的な刺激を受ける事により異常な興奮を起こし、その神経に含まれる知覚神経や運動神経、自律神経の正常な神経伝達が妨げられる。

その結果、それらの要因により痛みや痺れなど様々な症状が生じ、また障害されている神経が関係している筋肉や内臓や器官の機能も低下する。

この様な状態が長く続けば続くほど、影響を受けている筋肉や内臓や器官の機能低下が進み、病理的状態にまで症状が進むと考えられている。

例えば、重い荷物を持ち上げたり、激しい運動をしていて急に腰が痛くなったり、時々くしゃみをした瞬間とか寝ていたら段々腰が痛くなって来て立てなくなった人など、腰痛の発生機序にも様々なものがあります。

そして整形外科などを受診してレントゲンなどの検査をしても、明確なヘルニアや椎骨や脊柱管の狭窄、腫瘍などが無ければ、ほとんど筋肉の挫傷や腰椎捻挫と診断され、その炎症反応に対して湿布や鎮痛剤、筋弛緩剤やコルセットが処方されます。

 

また軽度のヘルニアや狭窄でも、現状ほとんど同じような対応になっています。

しかしカイロプラクティックでは、関節や筋肉の器質的な問題ではなく機能的な問題と考えている為、整形外科で脊柱に器質的な異常なしと診断されていても、カイロプラクティックでは脊柱に機能的な異常があると判断し治療を行うなど、整形外科とは治療の対象領域が違うと考えられています。