この「いちごみるく」を見ると、昔、部下だった女性のことを思い出します。

彼女は、お母さんが病気になり、頻繁に帰省しなければならない状況になっていました。
そのため、私の部署に異動してきて、私の部下になったのです。

正直なところ、きっと心身ともに病んでいるのだろうな、と思っていました。
ところが意外にも、彼女はとても明るく、そうした事情をまったく感じさせない雰囲気を持っていました。

当時の私は、周囲の人に飴を配る癖がありました。
自分なりの、ささやかなご褒美のつもりです。

隣に座っていた彼女にも、「いちごみるく、食べる?」と声をかけると、
ニコニコしながら「はい!」と言って食べていました。

「自由に食べていいから」と言って袋ごと置いておくと、
よほど気に入ったのか、「バリバリ」と音を立てて食べてくれました。

週末にはすっかり無くなってしまうので、買い足していったほどです。

彼女は、しばらくして退社してしまいました。
お母さんの具合がさらに悪くなったのか、
それとも仕事がつらくなってしまったのか、今となっては分かりません。

私は今でも、「いちごみるく」を食べるたびに、
彼女のあの笑顔を思い出します。