今晩は、所沢市田中則行です。先週13日と本日20日のNHK総合テレビ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』2話分のあらすじと解説を纏めてお浚いします。



[第10話「根拠なき自信 の巻」あらすじ]
平家の追討軍を見事に退けた源頼朝(大泉洋さん)。これを聞いた後白河法皇(西田敏行さん)はほくそ笑み、平家の総帥・平清盛(松平健さん)は都を京へ戻すことを決断。奥州の覇者・藤原秀衡(田中泯さん)は源義経(菅田将暉さん)の文を一読し、静かに源平の様子を伺う。そんな中、鎌倉では八重(新垣結衣さん)が待女として頼朝の側で働き始めるが、北条義時(小栗旬さん)の気遣いに亀(江口のりこさん)が疑念を抱くなど其々の思惑が入り乱れていた



[第11話「許されざる嘘 の巻」あらすじ]
鎌倉では源頼朝(大泉洋さん)の新たな御所が完成。坂東武者に平家の旧領を恩賞として与えるなど着々と体制が整えられ、北条義時(小栗旬さん)も慌ただしい日々を送っていた。だが、りく(宮沢りえさん)は頼朝の舅である夫・時政(坂東彌十郎さん)の処遇の低さに不満を募らせる。一方、都では平清盛(松平健さん)が敵対勢力の掃討に乗り出し、その苛烈さに人々が恐れおののく。そんな中、平家討伐を焦る源義経(菅田将暉さん)は集った兄達の前で─




第10話解説
◆頼朝の悲願と坂東武者の思惑
富士川の西岸に陣を構えてい平維盛率いる追討軍が退却。『吾妻鏡』(治承4[1180]年10月21日条)によると、これを知った源頼朝は坂東武者達に平家軍の追撃を賭けて上洛するように命じました。しかし、千葉常胤、三浦義澄、上総広常ら有力な坂東武者が反対します。その理由として常陸の佐竹氏を始め坂東には頼朝に帰服していない勢力がまだ多数あり、先ずは足元を固めるべきだと言うものです。常胤と広常にとって佐竹氏は、常陸地方の権益を巡って争う競合相手でした。多くの坂東武者が頼朝に協力したのは在地支配の安定や所領拡大のためであり、このまま上洛することにはメリットがありません。後白河法皇の救援、そして平家打倒を目指す頼朝とでは意識の違いがありました。坂東武者の協力なくしては頼朝の悲願は達成できません。常胤・義澄・広常らの諫言を受け入れた頼朝は上洛を断念して鎌倉へ帰還。その途中の相模国府で大規模な論功行賞を行い、従って戦った坂東武者達の本領を安堵しました。



第11話解説
◆平清盛による反転攻勢
富士川の戦いでの敗退は平家にとって大きな痛手でした。政権の権威を失墜させ、内乱の長期化・深刻化をもたらしたからです。
治承4[1180]年11月、平清盛は念願であった福原遷都を諦め、京へ還都しました。そして自ら陣頭指揮を執り、反転攻勢をかけていきます。老境にあった清盛ですが、平家を守るため平家の威信を取り戻すために邁進しました。平家の軍事基盤である伊賀・伊勢の家人達を先頭に近江へ攻め込み、瞬く間に反乱軍を鎮圧すると続けて以仁王の挙兵に協力した圓城寺、平家の大きな反対勢力である興福寺へと攻勢をかけ、着実に退勢を挽回していきました。しかしそれには当時の人々が恐れおののいた大きな代償を伴いました。





鎌倉殿の13人紀行
◆第10集 茨城県・常陸太田市

茨城県・常陸太田市。源氏の流れを汲む豪族・佐竹氏が治めた地です。市内には佐竹氏の祈願所・佐竹寺など、所縁の地が点在しています。
平家に与したことにより頼朝と対立した佐竹氏。
頼朝が兵を挙げると守りの薄い拠点を捨て、現在の西金砂山に立て籠りました。
西金砂山の近辺には戦いに纏わる逸話が地名として残されています。

万畑と言う地名は、山頂に陣を置いた頼朝軍が多くの旗を立てたことが由来だと伝わります。

絶壁に守られた天然の要塞である西金砂山を前に苦戦を強いられる頼朝軍。『吾妻鏡』には「人の力では打ち破り難い堅固な要塞だ」と記されています。
上総広常の活躍により勝利を収めた頼朝は、坂東支配を強化していきました。


◆西金砂神社 (茨城県・常陸太田市)
交通アクセス:JR水郡線(常陸太田支線)・常陸太田駅下車 路線バス利用、大藪停留所下車 徒歩1時間



◆第11集 京都市東山区

京都府・京都市東山区。三十三間堂は後白河法皇の離宮内に平清盛の援助によって造営された仏堂です。

堂内には1000体の千手観音立像が納められており、その内の124体は創建当時に造られたものです。その圧巻の光景は平家の栄華を今に伝えられています。
六波羅に拠点を置いた平家一門。六波羅蜜寺を中心に一旗郞党の館が立ち並んでいたと言います。
一門の更なる繁栄を目指した清盛。しかし、清盛は突然の病に倒れました。

平家と所縁のある六道珍皇寺。清盛は六道珍皇寺の付近で火葬されたと伝わります。
清盛と言う大きな存在を失った平家一門は、次第に頼朝に追い詰められていくことになります。


◆三十三間堂 (京都市東山区)
交通アクセス:JR西日本東海道本線他・京都駅下車 路線バス利用、博物館三十三間堂前停留所下車直ぐ





次回3月27日は第12話「亀の前事件 の巻」が放映されます