今晩は、所沢市田中則行です。昨夜13日のNHK総合テレビ大河ドラマ『青天を衝け』第18話「一橋の懐 の巻」のあらすじと今週の渋沢栄一を解説します。
[第18話のあらすじ]
篤太夫(吉沢亮さん)は天狗党討伐のため慶喜(草彅剛さん)と共に京を発つ。一方、成一郎(高良健吾さん)は慶喜からの密書を耕雲斎(津田寛治さん)に届ける。耕雲斎は降伏を決めるが、悲しい運命が待ち受けていた。一橋家を強くしなければと言う思いに駆られた篤太夫は、新たな兵の招集を慶喜に建白。歩兵取立御用掛となった篤太夫は、一橋領のある備中に向かう。江戸城では三度(みたび)京に向かうことになった将軍・家茂(磯村勇斗さん)が和宮(深川麻衣さん)との別れを惜しんでいた。



今週の渋沢栄一 (第18回)

◾水戸の武田耕雲斎、藤田小四郎らが率いる天狗党を討伐するため一橋家が挙兵。篤太夫は集めた兵と共に出兵するが、天狗党が撤退したため戦うことなく初陣が終わる



◾天狗党が何れ一橋家に取り込まれれば、幕府を潰す火種になるかも知れない。そのため、天狗党の多くが首を跳ねられたことを成一郎から聞く
「おめえなんかが言わずとも、水戸は立ち上がった!俺は見たいんだい。あの誇り高きはずの水戸の兵が飢えて痩せ細り、寒さにガタガタと震えておった。あれが俺達の信じた攘夷の成れの果てだ」 (成一郎)




◾一橋の兵の数がまだ足りないため兵を集める御用を任せてほしいと慶喜に提言し“軍制御用掛 歩兵取立御用掛(ぐんせいごようがかり ほへいとりたてがかり)”に任命される

「某のように天下の役に立ちてぇと思う百姓がまだ100人、いや200、300はおりましょう。薩摩や御公儀にも侮られぬ歩兵隊をお作りしたいのです」 (篤太夫)




◾先ずは備中の一橋領へ向かい、日々村民を呼び集めて熱心に演説するも何故か希望者の申し出が一人も出てこない

「お役目や俸禄などについても遠慮なく尋ねられよ。何を聞いたっていいんだょ…」 (篤太夫)


「この地の百姓だって暮らしがあるんだいな」 (篤太夫)



◾備中の塾に何日も通い塾生達と交流を深め、更に代官の企みも見破り、沢山の志願者を集めることに成功する



◾慶喜から褒美を貰う際、一橋家の壊具合を整え、土台を頑丈にする役目を担いたいと提言する

「兵が増えるのは喜ばしいことですが、武士とて金は入り用。小四郎様達は忠義だけを尊び、懐を整えることを怠った。両方なければ駄目なのです」 (篤太夫)


「今改めて、この壊れかけた日の本を再びまとめ、お守り頂けるのは殿しかおらぬと。そのためにこの一橋のお家をもっと強くしたい。懐を豊かにし、その土台を頑丈にする。そのような御用こそ己の長所でございます」 (篤太夫)


「渋沢よ、ならばやってみよ。そこまで申したのだ。お主の腕を見せてみよ」 (慶喜)





青天を衝け紀行
◆第18集 岡山県井原市

岡山県井原市。農兵募集のために栄一が訪れた一橋領の一つです。

陣屋跡に残る白壁や井戸が当時の面影を忍ばせています。

この稲荷神社は今も変わらず、かつての陣屋の敷地内に鎮座しています。
山陽道沿いにあった池田邸で栄一は地元の剣術家と手合わせをし、勝利を収めその名を轟かせたと言います。

栄一が交流を深めた漢学者・阪谷朗盧。人材育成に尽力した阪谷が開いた塾には全国から志士が集まり、大変賑わいました。
阪谷が初代館長を務めた興譲館には2人が対談した建物が残っています。
200人もの農兵を集めることに成功した栄一は慶喜に認められ、躍進していくのでした。





◆興譲館 (岡山県井原市)
交通アクセス:井原鉄道線・井原駅下車 路線バス利用、興譲館高校前停留所下車直ぐ





次回6月20日は第19話「勘定組頭 渋沢篤太夫 の巻」が放映されます