今晩は、所沢市田中則行です。またも2日間更新を休止しました。西武鉄道株式会社及び西武グループでは本日12日、同社が所有している子会社の豊島園が運営する遊園地『としまえん』(東京都・練馬区)について8月31日(月)付けで閉園するとの報道が乗り物ニュースで報道発表されました。
(ドコモdメニューニュース内 乗り物ニュース・6月12日15時37分報道発表)
『としまえん』を中心とした一帯は昭和32(1957)年に都市計画公園である練馬城址公園の指定を受け、平成23(2011)年には避難場所や防災拠点となる公園と緑地の整備促進の観点から東京都より令和2(2020)年度迄の10年間で優先的に整備する｢優先整備区域｣に指定されています。西武鉄道株式会社及び西武グループでは12日(金)、都を含めた関係者と｢都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書｣を締結しました。今後跡地には『ハリー・ポッター』のテーマパーク等が整備される計画です。
『としまえん』は大正15(1926)年に開園。園内の遊戯施設では日本最古で、世界的に見ても最古級と言われるメリーゴーランド『カルーセルエルドラド』等が有名となっています。
同遊園地はコロナウイルス感染拡大防止のため臨時休園中ですが、対策を講じた上で13日(土)から『あじさい園』のみの営業を再開、更に15日(月)から遊園地全体(プール施設を除く)の営業を再開する予定となっています。
西武鉄道株式会社では｢開園以来長きに渡り地域の皆様から支えられ、そして大変多くのお客様にご来場頂きましたこと深く御礼申し上げます｣としています。尚、隣接する温泉施設『豊島園庭の湯』については9月1日(火) 以降も営業継続されます。
■『としまえん』 豊島区ではなく練馬区なのに何故｢としまえん｣か？？
東京都23区内の遊園地『としまえん』。その名に反して東京都・豊島区ではなく練馬区の住宅街に立地されています。そもそも、かつて練馬城があった地に造られたものですが、何故｢豊島｣の名が付いたのか？？「豊島園」の名前の由来について解説します
◆実は人名に由来
『としまえん』は株式会社豊島園が運営する大正15(1926)年開園の老舗遊園地として親しまれています。住宅街の中にあり、池袋駅から西武池袋線、新宿駅から都営大江戸線で乗り換えなしに行けると言う交通アクセスの良さもあってか、平成29(2017)年度には年間凡そ93万人が訪れています。
最寄り駅が豊島園駅であり、西武池袋線の内 練馬駅から豊島園駅までの区間は路線名を豊島線と言われています。ただ遊園地も駅も所在しているのは豊島区ではなく練馬区となっていますので、豊島園の名前に由来します。
何故『としまえん(豊島園)』なのか、元々は室町時代にこの地を支配していた豪族である豊島氏の｢練馬城｣があったことに由来します。大正時代に練馬城址の土地を所有していた実業家の藤田好三郎が東京に住む人の運動や園芸を奨励する目的で造成し、一般に開放したことが｢豊島園｣の始まりで、豊島氏に因んで藤田好三郎が命名したものと言われています。
開園当時は現在のような乗り物等はなく、大きな公園と言った感じでした。当時の敷地は現在よりも広く、運動場・テニスコート・ボート池などを備えた運動のための場所であったようです。
◆｢豊島｣は豊島区だけではなかった
園内には豊島氏や練馬城に因むものはありませんが、敷地の南側にあるウォータースライダー『ハイドロポリス』の辺りに練馬城があったとされ、そこから更に南側の敷地外にある｢どんぶり坂｣と呼ばれる急坂はお城の堀の跡とされています。
豊島園は開園以来｢東京府北豊島郡上練馬村｣に属していました。北豊島郡はかつて豊島氏が支配した地域の一部であり、概ね現在の荒川区・北区』豊島区・板橋区・練馬区に当たります。｢豊島｣が関係する地名は、現在の豊島区に留まらない広範囲及んでいました。
昭和7(1932)年には北豊島郡が東京市に編入され、現在の豊島区が成立(当時は東京市豊島区でした)する一方、現在の板橋区と練馬区に当たる地域は板橋区(東京市板橋区)になります。戦後の昭和22(1947)年、板橋区から分離独立する形で練馬区が成立しました。
豊島園によると、こうした過程で｢所在地が『練馬区』になってしまったこともあり、『としまえん』と言う名称に不思議な印象を持たれるのか、よくお問い合わせ頂く点です｣と言います。尚、練馬区内には他に豊島園と同じく豊島氏の居城であった｢石神井城｣の地にある石神井公園など、豊島氏所縁の史跡や祭りが存在します。
因みに現在の西武豊島線は豊島園開園の翌年である昭和2(1927)年、当時の武蔵野鉄道が豊島園へのアクセス路線として開業。武蔵野鉄道はやがて西武鉄道となり、豊島園の経営にも参画され、現在の豊島園は西武グループの傘下となっています。尚、都営大江戸線の豊島園駅は平成3(1991)年に開業されています
(乗り物ニュース・令和元年6月2日より引用)