ザックリと 会計で考えよう。 -8ページ目

雇い止め は きついよね・・・・・

昨今、パートタイムや契約社員という勤務形態の従業員がいる企
業が増えてきていますが、このような方々を「正社員ではないから
退職してもらうのは簡単だ。」と考えている企業の担当者は少なく
ないと思います。
パートタイムや契約社員は、いわゆる有期労働契約で雇われている
労働者です。有期労働契約は、契約期間が満了すれば雇用関係を終
了し、問題なく雇止めできると考えられがちですが、労働契約の
更新が複数回におよぶ場合、いわゆる解雇権濫用法理が類推適用さ
れます。
加えて、平成16年4月1日から施行された改正労働基準法では、
「厚生労働大臣は有期労働契約の満了時に労使間紛争が生じるのを
未然に防止するため満了に関する必要事項について基準を定める」
ことができ、使用者に助言できるとしています。
労働契約を複数回更新している場合に限らず、新たに契約を締結
する労働者に対しても、特段の事情がない限り、更新を予定してい
る場合であれば、「更新する場合がある」と明示する必要がありま
す。これに対し、労働契約締結に際して、先行きが明確でないとき
には「更新しない」と明示しておく方がよいでしょう。
「更新する場合がある」と明示した場合は、「状況次第では更新さ
れる」という意味ですが、雇われる側は、「状況次第では」という
点を飛ばして考え、契約の更新に対する期待感が生まれます。一方
で、「更新しない」と明示すれば、労働者は「更新はされない」と
思い込み、期間満了間近に、更新を提案しようとする前に次の勤務
先を決めてしまう場合もあり得ます。
雇う側からすると、労働力の確保を重視するか、雇止めが確実にで
きることを重視するか、悩ましいところです。
仮に、「更新する場合がある」とした場合でも必ず更新しなくて
はいけないわけではありません。契約更新をしない時は、少なくと
も30日前までにその旨を労働者に伝え、請求された場合は雇止め
の理由について証明書を発行すればよいことになっています。
しかしながら、契約更新されなかった労働者が労働基準監督署に申
告し、それにより監督署の指導を受けている企業が多数あることも
事実です。
契約更新をする場合には、特段の説明もなく自動的に更新をし、
更新をしない場合は、当たり前のようにその旨をを告げている、
このような運用をしている会社は多いのではないでしょうか。
これでは雇止めのトラブルが発生するリスクがあります。
一度トラブルが発生すると、事故処理や円満解決のために多くの時
間と労力が必要になり、他の社員への影響も少なからず生じてしま
います。
雇止めのトラブルを予防するには、
・契約締結時に、有期労働契約の更新の有無及び、更新・雇止めを
行う場合の判断基準を明示する。
・契約満了時に、更新の有無にかかわらず、労働者に対し人事考課
の評価を伝える。
・契約更新に関する今後の予定を知らせるなど、労働者と話し合い
の場を持つこと、加えて、文書で明示することで『契約更新は自動
的に行われるものではない』という認識を、相互が持つということ
が重要です。
http://www.mikata.or.jp/2009/10/kurihara/369/

社会保険の手続きは 日付に気をつけて処理しなくてはいけないらしい

社員の採用・退職時の社会保険・雇用保険の手続きは総務の方が行っている会社が多いと思います。届出書の記載は簡単だから、誰がやっても問題などないと思われがちですが、知識不足もしくは些細なミスが会社に損害を与えることがあります。
誰もが知っている年金記録確認第三者委員会の一部地方委員会では、すでに被保険者(現役で働いている人)の申し立ての調査が始まっています。そこで多いのが、資格喪失日の間違いです。例えば、10月いっぱいで退職する人の雇用保険の資格喪失日は10月31日ですが、社会保険の資格喪失日は11月1日です。社会保険の資格喪失日を雇用保険に合わせて10月31日にしてしまう間違いが非常に多いですが、このことにより退職した社員の厚生年金加入期間が1ヶ月短くなってしまいます。厚生年金は月単位で計算をすることから、月の途中で資格を喪失するとその月は加入していなかったことになります。ですから、月末退職の社員の場合は資格喪失日を翌月1日にしなくてはいけません。
たかが1ヶ月と思うわれる方がいるかもしれませんが、将来受け取る年金額が少なくなってしまいます。
さらに、喪失日だけではなく、資格取得日に関しても同じことです。試用期間中は加入させないという会社があるようですが、雇い入れ日を資格取得日にしなくてはいけません。         本来、厚生年金の保険料の時効は2年ですので、2年以内に気がつけば日付を修正して不足分の保険料を納付すれば解決ですが、時効を過ぎたら修正はできません。そこで退職した社員が会社に将来受給できるはずであった年金額相当の損賠賠償を請求するケースもまれにあります。
現在は、厚生年金保険法の特例法がありますので、第三者委員会に申し立てをして、主張が認められたときは社会保険庁から会社にこの分の保険料の納付勧奨がだされます。会社はこれに応じて納付すればよいですが、納付するにしても延滞金が付加されます。しかし、特例法も施行期間はきまっています。
事務担当者の知識不足や些細なミスにより会社に大きな損害を与えることにならないように、簡単な書類作成でも細心の注意を払って行うようにしてください。
http://www.mikata.or.jp/2009/10/kurihara/335/

中小企業もメンタルヘルスへの対応を考えねば

先日の日経新聞のまとめによると、精神面でのストレスを理由とする過労労災が認められるケースが相次いでいるそうです。2007年度には、精神疾患での労災申請が脳や心臓などの身体的疾患での申請を初めて上回りました。
厚生労働省がまとめたこの10年間の「類型別の労災発生現況」によると、98年42件だった「ストレスと過労による精神疾患で労災認定されたケース」は、昨年は、952件とこの10年間で、20倍以上も増加しています。
精神疾患の労災認定ケースを年齢別に見てみると、30代が最も多く、その次は20代と40代の順となっており、精神疾患は年齢と関係なく若年層でも頻繁に発生しています。また、過労が原因でうつ病などにかかって自殺した(未遂を含む)人は昨年81人にのぼり、着実に増える傾向です。
厚労省は「残業など長時間労働に加え、過度な業務負担は精神疾患の原因」とし、職場での支援強化や勤務条件の改善を呼びかけていますが、企業でのメンタルヘルス対策は、まだ立ち遅れているといえるのでしょう。
メンタルヘルス対策はEAP(Employee Assistance Program)とも呼ばれています。EAPの中でも、病気を予防する段階(1次予防)、早く見つけて対処する段階(2次予防)、リハビリの段階(3次予防)、など多様化してきており、各企業は課題に合わせてのメンタルヘルス対策が必要です。
しかしながら、専門家を配してEAPのプロセスを明確にしている企業は未だ少数で、多くの職場では、管理職の裁量や判断に任されているケースがほとんどです。その場合、世代間の価値観の違いや仕事のプレッシャーなどが、複雑に絡み合い、対応を遅らせてしまう事例も多々見受けられます。職場のヒエラルキーが影響しないところでの対策が最も求められるのが、EAPではないでしょうか。
http://www.mikata.or.jp/2009/09/kurihara/245/