19歳の別れ
ケンジさんにとって、僕は何番目にランク付けされたセフレかは分かりませんでしたが、馴染みのゲイバーに何度か僕を連れて行ってくれました。
ゲイバーには、ケンジさんは何故かアクセサリーを身に付けて行っていました。金色のチェーンのネックレスやブレスレットの留め金を留めるのを手伝わされたりもしましたが、夏祭りの露天で売っているような、明らかに偽物と分かる喜平ネックレスを、何故に嬉しげに付けるのか、僕にはさっぱり理解できませんでした。
初めて行くゲイバーは、もの珍しく、緊張もしましたが、値踏みされるような視線をあびたり、毒舌オネエキャラのスタッフに辟易させられたりと、あまり居心地の良さは感じられませんでした。
ただ、ケンジさんのゲイ仲間には、いつも穏やかにニコニコ優しくしてくれる人や、お洒落な美容師の人もいて、その人達の輪の中では‘若くて可愛らしい男の子’として扱ってもらえ、まんざらでもありませんでした。
ある時、SEXの後、タバコの煙をくゆらせながら、
『俺、29って言ってたけど、本当は36なんだよね。』と、ケンジさんは告白してきました。
僕は、そう驚きもしませんでしたし、
『嫌いになった?』
との問い掛けにも、首を横に振りました。
でも、この時に僕は気付いてしまいました。
29歳でも36歳でも関係ないと思うのは、ケンジさんを好きだからという訳ではなく、単に関心がなくなっているということに。
僕は、まだ若く、ゲイの世界に染まりきってない初々しさを武器に、これからじっくりと吟味して、ステディな彼を見つけて行けばいい。
同世代の友達だって欲しい。
僕は、ケンジさんが年齢詐称を負い目にしているうちに、フェードアウトし、付き合いを清算することにしました。
ケンジさんからの連絡を2~3回無視したところで、ケンジさんは、僕を追い回すことなく、関係は自然消滅となりました。
当時は、すぐに別の人と出会えるだろうとタカをくくってましたが、ケンジさんのように優しく、周りの仲間からも慕われている仮性包茎の人は、僕の前にはなかなか現れませんでした。
ゲイバーには、ケンジさんは何故かアクセサリーを身に付けて行っていました。金色のチェーンのネックレスやブレスレットの留め金を留めるのを手伝わされたりもしましたが、夏祭りの露天で売っているような、明らかに偽物と分かる喜平ネックレスを、何故に嬉しげに付けるのか、僕にはさっぱり理解できませんでした。
初めて行くゲイバーは、もの珍しく、緊張もしましたが、値踏みされるような視線をあびたり、毒舌オネエキャラのスタッフに辟易させられたりと、あまり居心地の良さは感じられませんでした。
ただ、ケンジさんのゲイ仲間には、いつも穏やかにニコニコ優しくしてくれる人や、お洒落な美容師の人もいて、その人達の輪の中では‘若くて可愛らしい男の子’として扱ってもらえ、まんざらでもありませんでした。
ある時、SEXの後、タバコの煙をくゆらせながら、
『俺、29って言ってたけど、本当は36なんだよね。』と、ケンジさんは告白してきました。
僕は、そう驚きもしませんでしたし、
『嫌いになった?』
との問い掛けにも、首を横に振りました。
でも、この時に僕は気付いてしまいました。
29歳でも36歳でも関係ないと思うのは、ケンジさんを好きだからという訳ではなく、単に関心がなくなっているということに。
僕は、まだ若く、ゲイの世界に染まりきってない初々しさを武器に、これからじっくりと吟味して、ステディな彼を見つけて行けばいい。
同世代の友達だって欲しい。
僕は、ケンジさんが年齢詐称を負い目にしているうちに、フェードアウトし、付き合いを清算することにしました。
ケンジさんからの連絡を2~3回無視したところで、ケンジさんは、僕を追い回すことなく、関係は自然消滅となりました。
当時は、すぐに別の人と出会えるだろうとタカをくくってましたが、ケンジさんのように優しく、周りの仲間からも慕われている仮性包茎の人は、僕の前にはなかなか現れませんでした。