「郷太君・・・私・・・」



その後、暫く沈黙が続いた。

俺は明らかに動揺していた。


そして、真由美ちゃんがゆっくりと口を開いた。



「言わないと後悔しそうだから言うね・・・

 私じゃ駄目かな・・・」



えっ・・・



俺は、言葉が出なかった。

何となくな感じはあったが、

まさかこんな直球でくるとは思わなかった。



「いや、もちろんね、郷太君には奥さんがいる。

 こんな事言っちゃいけないって分かってるの。

 でも・・・でもね、私の気持ちも分かってて欲しいの。

 私、もう誰とも結婚をする気はないの。

 一人で頑張っていこうと思ってるの。

 でもね、やっぱり不安だし寂しいの・・・

 先の事考えれば考える程不安なの。

 だから・・・私にとって郷太君の存在は特別なの。

 今の奥さんと別れて欲しいなんて言わない。

 でも、郷太君に会えば会う程頼りにしちゃうし、

 ずっといてほしくなっちゃうの。

 どんどん存在が大きくなっちゃうの。

 私だっていけないって分かってる。

 でも・・・でも、私を見放さないでほしいの。

 ずっと傍にいてほしいの・・・

 そして、いつか・・・いつか一緒になれたら・・・」



そう言って、

真由美ちゃんはその場で泣き崩れた。



俺は正直どうすればいいのか分からなかった。

当然結婚してるんだから、

いくら真由美ちゃんだろうとはっきり断るべきだ。

理屈ではそんな事分かっている。

ただ、真由美ちゃんの気持ちがはっきり

分かってしまった。

そして、俺の気持ちのどこかに

封印していた真由美ちゃんへの思いもあった。

目の前にいる真由美ちゃんをなんとか

してあげたい気持ちがどんどん強くなってきていた。

そして、その真由美ちゃんが俺の前で弱音を吐き、

俺を頼りにしてくれている。

そんな真由美ちゃんが泣き崩れている。




その姿に俺の心は決まった・・・



俺は立上り、


真由美ちゃんの横に行き、


そっと肩を抱いた。




そして・・・・







PS・・・皆さん更新のペースが遅くてすいません。

    人生、色んな事が起こるのでゆっくり、焦らず書いていきます・・・・