クリスマスでもXmasでもなく、
Christmasと書く

何故ならば学があると思われたいから

今日は一日中部屋にいたら錦織どころか3シコリ圭になりそうなので、いつも勉強するスタバへ行った

擦られた話だと思うけど錦織くんて、
名前でシコって
テニスでシコって
プライベートでシコって

学生時代、「オナニー野郎」って言われてたんだろな

ちょっと同情しちゃう

クリスマスにスタバ行くって暇なやつなんだろうなって思われる恥はとうになくなった

学生時代、接客業をしていたときはお客さんを同じように見ていたしちょっとした共同体感覚を味わえる

いつもの席で勉強をする

店に入って20分程経ったとき、
いつも見る店員さんが今日も働いているのを確認した


俺は知っている


少なからずこの店員さんが、
俺に対してただならぬ感情を抱いていることを

何故ならば俺に接客をするときだけ作り笑顔が強くなるのだ

可愛い店員さんだが作り笑顔をするとブスになる

俺はこのブスな笑顔が一周回って可愛いなと思っている


彼女は俺のそばにあるテーブルを拭きながら近寄ってきた
そして立ち止まり「こんばんは」と挨拶する

それに対して俺も少しギアを入れて作り笑顔を返す

ごめんね…
ウォーミングアップをしていないから「こんばんは」という挨拶も返せないのだ

初めっから「話し掛けるよ」っていう合図を出してくれれば、俺も喉の調子を整えて対応すること出来るんだけど

それでも今日はその子の健気な姿勢に応えようと少しは頑張って笑顔を作ってみたんだ


その後少し観察してみたが、
やはり個人に向けて挨拶をするのは俺だけ

そもそもテーブルを拭いて近付いて来たのも俺と話したかったからじゃないのか?


そんなこんな2時間程勉強をしていたら、
店内が暗くなりクリスマスソングが流れてきた

そして各テーブルにケーキとコーヒーのプレゼントがもてなされた


さすがに俺だけに来たなんて自惚れることはない
客観視は出来ているつもりだ


そして全テーブルにプレゼントが配られた後、
その店員さんが恥ずかしそうな顔をしてこそっと俺の所にメッセージカードを持ってきた


勿論俺だけに



そのメッセージを即見るなんていう野暮なことはしない

俺は大人の男だ

そのメッセージの中に彼女のLINE IDが書かれていることは分かっている

こそっと内容を確認して帰り際笑顔を見せて帰る

そしてこちらからLINEを送る

これで問題ない



{C296BC7E-27F0-4CAD-853F-CABE82218943}






はい、やられましたー


定型文 乙


しかもこの俺にすてきなクリスマスがあるわけないじゃないですか

ないからこんな日に勉強してるわけで


これを日本語で皮肉というんですけど


だけど、この歳でもこういうの貰うと嬉しいものだから、今読んでいる本の栞代わりに使おうと思います


きもいわー





懲りずにまたスタバに行った

ここ最近毎日のように行く店舗がある
勉強したいときに20時〜22時の閉店まで粘る

店員の顔が大体分かるくらい通ってるレベルだ

とはいえ、最近ダイエット中だからジュースのようなドリンクは注文しない

注文に迷うのがめんどくさいし、
難しいメニューを言い間違ってオーダーするのが何より恥ずかしいので決まって頼む物がある

「スターバックスラテのトール 無脂肪の氷少なめでお願いします」

ただここ数日は少し頼み方が違う
「スターバックスラテ トール ノンファットの氷少なめのエクストラミルクでお願いします」


何故こうなったかというと前者の
「スターバックスラテのトール 無脂肪で氷少なめでお願いします」
で注文すると、

店員「氷少なめだと量が少なくなりますが、その分ミルク足しますか?」
俺「お願いします」


このように1ラリー増えてしまう

このラリーが辛いから
「スターバックスラテ トール ノンファットの氷少なめでエクストラミルクをお願いします」


そして更に
「スターバックスラテ トール ノンファット 氷少なめエクストラミルクで」

まで文字を削ることに成功した

カタカナ多いけど知ってる単語だから恥ずかしくない


そして今日も毎度の様に通ったのだが、
そろそろ「スターバックスラテ ノンファット 氷少なめエクストラミルクで」の人だと店員に認識されてしまうと思った

体型は細身で特別目立った特徴はないが、
決まって同じ時間に来て、
同じ席に座り、
閉店時間に帰る

店舗は郊外で回転が悪く、人足も少ない

口癖のように
「スターバックスラテ ノンファット 氷少なめエクストラミルクで」
というものだから裏で
“ノンファットボーイスリム”と呼ばれてるんじゃないかと恐くなった

今日はそろそろオーダーを変えよう
最悪ゆずシトラスティーでいいやと思いレジに行くと

「いらっしゃいませ、あのいつもので大丈夫ですか?」

「…はい、それでお願いします」


やっぱ俺ノンファットボーイスリムになってたみたい

「最近いつもいらっしゃってますよね

「いつも遅くまですみません。
まぁ、来週からは多分来なくなると思うのでご迷惑掛けなくなると思いますよ」

話し掛けらたことに動揺し、
何故か俺のスタバをシフトを店員に伝えていた


「…また、お待ちしてます」

というビジネス言葉がひしひしと伝わってきた
スタバで勉強をしていた

家帰ったらどうせ寝て終わるし…
という日に利用するスタバ

閉店まで2時間あり今日やるべき事をまとめる

店内が男女で賑わう
ノイズを消そうと、
音楽を流さずにイヤホンを着けた

購入したソイラテに水滴が溜まってきた頃、
急に身が震え上がった

「すみません、マイネーム貸して頂けますか?」

マイネーム…?

走馬灯のように、ものの3秒間で思考が巡った

マイネームって何だ?

マイネーム
マイネーム

What's your name?


「あ、俺逆ナンされてんのか?」

いやいや、そんなワケ…


すみません、さっき1つ嘘ついたんですけど、
その時勉強してなくてパワプロのアプリやってました
だからマイネームっていうのは、
「フレンドになってください」
ってことなのかな?

俺、虹村のSR+3だけど大丈夫?

女の子の顔を見ると、結構タイプの可愛い子2人組
同い年から1.2こ上かな
じゃあ、パワプロやらないか

パワプロというよりハロプロ
いや、正確にいうとハロプロじゃなくてアプガっぽい感じ


3秒の沈黙に違和感を覚えた女性が
「あの、名前ペンです」
とフォローを入れた

あぁ、そっか
俺なんかをナンパするワケないか

「あ、マッキーならありますよ」

マイネームという英語に感化されたのか、
Here you areと心の中で気丈に呟く


「やってしまったと」いうのを隠すために


ヤバい、
このままでは帰り道馬鹿にされる

「すみません」
と話し掛けられただけで、
前立腺を責められた様に飛び上がってしまった

しかも女性に話し掛けられただけで、
「ワッ」という奇声を上げてしまう失態


次、マッキーを返して貰うときにはちゃんと対応しよう
一言くらい会話して余裕を見せたら先程の童貞っぽさも払拭されるだろう


ちょうど血流の勉強をしていたが、
心拍が上がったまま元に戻らない

10分後ほど、また女性から話し掛けられた
そして、また体が震え上がった

今回は裏筋を舐められた程度にしか反応しなかったが、女の子は完全に笑っていた

「すみません、ありがとうございました」 
「いえ、全然大丈夫っすよ。全然」


24年生きてきたから自分の癖は分かる

「全然」を使うときはヤバい
「全然」を繰り返すときはもっとヤバい

動揺した心を強がって隠すときに使う言葉だ
「っすよ」もそう
強がるときに使う


結局、挽回の好機を逃し「チャンス×」という特殊能力を身に付けてしまった


このままでは店を出てから
「さっきのマッキーの男ヤバかったよね」
「マッキー男、マキ男ヤバかった」
と言われてしまう

でも、凄く人当たりの良さそうな人ではあったから帰る前にもう一度ありがとうございますと言ってくるのではないか

俺は閉店までいるし
てか挽回したいから閉店まで粘るし


それからは勉強が全く捗らない

なんと言えば今までの不祥事をゼロにできるか?

もう言い訳を並べるしかない

「すみません、こっちに引っ越してきてから初めて女性に話し掛けられたのでビックリしちゃって。しかも2人共お綺麗だから」

容姿を褒めりゃ向こうも喜ぶ
そして男としての余裕も見せられる

これだ


そしてまた2人に話し掛けられるまでこの言葉を頭の中で念仏の如く繰り返す


There comes a time.
ー時がきたー


「先程はありがとうございました」
「いえいえとんでもないです。なんでもないです。あのー、ごめんなさい」


終わった。


なんで謝ってんだ俺

マッキー貸してやってんだぞ


しかも日本語がめちゃくちゃ

こんなに自分が何にも出来ない人間だとは思わなかった


それからというもの自己嫌悪に襲われる

正直ここ数年で自分は変わったと思っていた

男性と喋るより女性の方が楽だし
女性の方が気を遣わない
女性の方が仲良くなるスピードが速いとも思っていた


しかし気付いたら4年前の自分に戻っていた

女性と目を見て話せない
緊張して何言ってるか分からない
すぐ、ごめんなさい言ってしまう
自意識過剰

絶望的な時代の自分がスタバにいた
いや、すみません。
スターバックスにいました


帰り道の電車、反省、後悔、絶望が順に押し寄せる

そして出た結論は今世への諦め



絶望の果てに見た景色は最寄駅を通り過ぎる車窓


快速で乗り過ごしてしまった



1区間15分揺られる

田舎のため待ち時間30分


マッキーを貸すというこの上ない善良な行為をしたはずなのに、
なんでこんな目に遭うのか