家族の誰かが重病を患うと 何も手に付かなくなるほど
精神的に辛くなるものだと思っていた
しかし 実際はそれほどでもなかった
わたしは普通に学校に行って 勉強して友達と遊んで
部活にも打ち込んだ バイトも励んだ
姉が入院する以前より 何に対しても励んだ
きっと家や病院以外では 忘れていたかったのだと思う
姉のことを…病気のことを忘れていたかった
二女若葉もそうだった
二女は高校3年でふたりは同じ学校に通っていた
学校で会う姉は友達と 笑いながら楽しそうだった
心のうちを周りにみせまいと 振舞っているのだろうと私はおもった
母親は朝起きて 私たちの弁当をつくっておくり出したら
すぐに病院へ向かっていた そして夕方頃帰ってきて
家事をする…その繰り返しだった
母親は本当に献身的に姉の看病に励んでいた
本当につらかっただろうが 母はそうすることで
精神的バランスを保っていたのかもしれない…
長女が いつもくるのはしんどいやろうから
たまには家で休んどきー と気遣って
母が長女の言葉に甘えたときも
実際家では心ここにあらずといった感じだった
父親はあまり姉に会いに病院には来なかった
しかし仕事はいつもより真面目に取り組んでいる様子だった
さぼったり 突然仕事を辞めたりするのは父のお得意技で
日常茶飯事だった
同じ職場で半年も続けば いい方だった
しかし姉の闘病生活の間 父は仕事を休む日はあっても
辞めることは一度もしなかった
父はきっと 仕事に打ち込むことで 忘れたかったのかもしれない…
この現実を…その先を…
考えるのが怖かったのだろう
姉に会うのも きっと怖かったのだと思う
本当に心の弱い人だから…
私たち家族はそんな心境だった…