第2話 彼はなぜ生まれたのか | 千樹憐のウルティメイトストーリーズ

千樹憐のウルティメイトストーリーズ

基本的には好きなウルトラマンのオリジナル小説を連載しています。

読者申請、いいね、コメントも大募集中です!!
お気軽にどうぞ~



◆◇第2話の流れ◇◆


ロイミュード002ロイミュード003がクリム・スタインベルトの抹殺に動く!


その裏で後に詩島霧子・剛姉弟の運命を狂わせることになる悲しき事件がロイミュード001によって引き起こされようとしていた。


クリムがベルトになった日。
まだ幼かった詩島姉弟を悲運が襲った日。


秘められし二つの事件の全容が明かされる!


そして、遂に“彼”が目覚めの時を迎えるのだ!!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


■原作

仮面ライダードライブ』



第2話
彼はなぜ生まれたのか

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【本編】

蛮野に擬態したロイミュード001は剛とその母・詩島澄子を監視していた。


ここは姉の霧子と弟の剛、母親の澄子がよくピクニックをしていた公園。


No.001「行きましょうか。」


戦慄の足音が段々と二人に向かってくる。



No.001「澄子。」


ロイミュード001は背後から声を掛けた。

突然の元夫との再会に驚いている澄子。

もちろん、彼の本当の正体がロイミュードであることに気づいてはいない。


剛は少し警戒心を抱き、澄子の前に立った。



No.001「剛か?大きくなったな。そうだ、霧子はいないのか?」


剛「姉ちゃんならいないよ。」


蛮野=ロイミュード001のことを睨みながら言った。


No.001「そうか。剛、お前とも話したいことが沢山あるが、まずはお母さんと二人にしてくれないか?」


剛は澄子の目を見た。

澄子は剛に大丈夫だということを伝えると剛は渋々と席を外した。

もし澄子に何かあってもすぐに駆けつけられる距離に。



No.001「もう一度、私とやり直してくれないか?このとおりだ。」


澄子「その話はもう終わったことでしょ。前にも言ったように、あなたとはやっていけないのよ。子供たちのためにも。」


No.001「あれから私は革新的な発明をした。君にもう一度認めてもらうために。」


ロイミュード001は完璧に蛮野の人格と記憶をコピーしていた。


No.001「ロイミュード。人類の念願であるロボットとの共存を可能にしたのだ。」


澄子「私はそんなこと望んでなんかいないわ。」

澄子は冷たくあしらった。


No.001「人間の記憶や人格いや、人間そのもの全てを完璧にコピーすることが出来るんですよ…?これがその証ですよ。」


ロイミュード001は自身の正体を匂わせるかのように言った。


澄子「え?」


次の瞬間、ロイミュード001は蛮野の擬態を解除してコブラ型ロイミュードとしての正体を露わにした。


澄子「キャー!!」


澄子の悲鳴を聞いて剛はすぐさま駆けつけた。


剛「母さん!?」






一方、クリム・スタインベルト邸には赤いロングコートの青年に擬態したロイミュード002と眼鏡を掛けた緑服の青年に擬態したロイミュード003がクリムを追い詰めていた。



クリム「やはり来たか。蛮野博士はなぜお前たちに私を殺すように命じた?」


No.002「ロイミュードの共同開発者である貴様は同時に俺たちの弱点を知り得る人物だ。そんな貴様は蛮野の計画には邪魔な存在でしかないからな。」


じりじりと後退していくクリム。


No.003「人間は実に愚かだ。心を持ち、感情というものに左右され、最後は自滅してしまうのだから。」


クリム「私のことか。確かに私は許されざる過ちを犯してしまった。友との絆を求めてな…

お前たちを全て破壊することが私の唯一の罪滅ぼし…ここで死ぬわけにはいかないのだよ!」


バーン!!

ロイミュード002とロイミュード003は笑いながらスパイダー型、バット型ロイミュードとしての姿に戻り、重加速を発現するとクリムにトドメを刺すべくさらに接近する。



クリム「(クッ…自分自身が作り出した重加速だがここまでとは。)」


クリムは横目でドライブドライバーが置かれているデスクの位置を確認しながら重い体を必死に後退させていく。


覚悟はできていた。
一か八かの賭けである。


絶命する直前にベルトに己の全意識をダウンロードする操作を完遂しなければならない。


No.002「どうしたクリム・スタインベルト。恐怖で声が出せなくなったのか?安心しろ、すぐに終わるさ。」


クリム「私ごときが貴様らに屈するなど…」


No.002「さらばだ。」


ロイミュード002の手から圧縮エネルギー光弾が放たれた。







剛「怪物め!母さんを放せ!!」


大人でも歯が立たないロイミュード相手に幼い剛は挑みかかる。


バーン!!

重加速が剛を襲った。


剛「(体が動かしにくい!?)」


ロイミュード001は蛮野の命令に従って剛を殺すことはしない。


しかし、目の前で澄子を殺害したのだった。


剛「母さん!!」


圧縮エネルギー光弾で絶命した澄子が崩れ落ちた。


ロイミュード001は剛の首を掴んで持ち上げた。


No.001「お前は必ず我らの元に来るだろう。今日という日を決して忘れるな。ロイミュードを恨め、そしてロイミュードを生み出したお前の父、蛮野天十郎をな。」



そう言うと剛は解放され、息を引き取ったばかりの澄子の亡骸に手を伸ばしながら意識を失った。


剛「母…さん。」








クリムはロイミュード002に撃たれ、既に絶命していた。


人間態に戻ったロイミュード002とロイミュード003はクリムの死を確認すると静かに屋敷を跡にした。


血にまみれたクリムの遺体はドライブドライバーに手を触れたところで息絶えたようだ。


誰もいなくなったクリムの屋敷に電子音だけが鳴り響き始めた。


そう、ドライブドライバーとなったクリム=ベルトさんが起動したのだ。


ベルトさん「間一髪のところだった。あと1秒でも遅れていたら…。まさか、本当にベルトになるとは。」


ベルトさんは人間としての自分の遺体を見つめ、複雑な心境であった。


ベルトさん「奴はロイミュード002、恐ろしい敵だ。彼の力を借りる時が来たな。」


ベルトさんは慣れないベルトとしての活動に戸惑いながら一生懸命に飛び回った。


そして、サイバロイドZZZと共に作り出したもう一体のロイミュードのボディ『000』の前にたどり着いた。






霧子が家に帰ると掛け時計の音だけが聞こえていて、誰もいなかった。


不信に思った霧子は近所を走り回って剛と澄子を探した。



二人を探し始めて30分、辺りはすっかりと暗くなっていた。


ようやくたどり着いた思い出の公園で霧子は信じ難い光景を目の当たりにしたのだった。



霧子「剛、目を覚まして!!剛!!」


剛は目を開けた。

霧子は剛から一部始終を聞いた。


剛は幼いながらも姉の心を察するあまり、ロイミュードを開発したのが父親である蛮野であるということだけは決して明かさなかった。




やがて、警察に保護された二人。


警視庁・捜査一課の泊英介が殺人事件の疑いがあるとして部下らと話し合っている横で、霧子と剛はブルーシートに包まれて運ばれていく母のことを涙を流しながら見送った。






ベルトさんは起動プログラムを実行した。


ベルトさん「プロトゼロ、スタート・ユア・エンジン!」


ほどなくしてプロトゼロが起動した。


ベルトさん「君はプロトゼロ。私の手足となり、ロイミュードの暴走を止めてくれ。」


プロトゼロ「俺は…プロトゼロ。」



チェイス=プロトゼロ誕生の瞬間である。






蛮野「そうですか。皆さんご苦労様でした。」


No.002「さて、アンタの頼みは果たした。ここからは俺たちの好きにするぞ。」


No.003「待ってください002。我々が目立つのはあまりよろしくないですよ。まずは素体ロイミュードを有効に使うべきでは?」


蛮野は彼らのやり取りを面白そうに少しだけ眺めると奥の部屋へと消えていった。


No.001「世界を手に入れる。」


No.002「そいつは面白い。やってみるか♪」



次なる段階へと進んでいく。




To be continued




◆◇本編イメージテーマ◇◆


魔進チェイサー・イメージテーマ
Vocal 無し


Final Hour / X-Ray Dog



◆◇チェイスの追憶◇◆

このコーナーでは毎回、作品の解説や作者の感想裏話等を紹介していきます。


■泊英介登場!!

仮面ライダードライブ本編の主人公・泊進ノ介の父親です。

彼は後に強盗事件で殉職したらしい?
ロイミュード絡みかも?


◆◇次回予告◇◆

ロイミュード002らは新たな仲間を迎えると共に素体ロイミュードを放った。

ベルトさんはこのことを重く受け止め、プロトゼロを戦士として鍛える。



次回、「蛮野は死に際に何を思うのか」