◆◇前回のあらすじ◇◆
人の欲望を糧として成長する夢幻妖花ルジェ=アリアに魅せられた男・霧島寛二。
世界一のヴァイオリニストになるという夢を叶えるという欲望につけ込まれた彼は一真の叱咤激励により我を取り戻し、ルジェ=アリアと決別。
ウルトラマンメシアと敗れたルジェ=アリアを見届けると寛二は自身の夢を叶えるために旅立っていった。
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■原案
ウルトラマンガイアより
第39話「悲しみの沼」
■参考&協力
【みなぎる】の小説&ブログより
『インテンションオブザアース』
『SAVE THE EARTH』
『ウルトラマンシェラ』
※この作品はフィクションであり実際の歴史事実とは関係ありません。
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Chronicle.36
少年と怪獣
友好快獣
フレディ
登場
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【本編】
現在の東京都大田区と神奈川県川崎市との間を流れる多摩川の流域にある六郷という町がある。
「フレディ!こっちだー!!」
六郷の河川敷で野球少年の泰介が今日も元気に友達のフレディとキャッチボールをしている。
多摩川の上に架かっている橋を汽車が通り過ぎる頃だった。
憲兵「お前!そこで何をしている!!」
敵国の文化=野球というスポーツをしていた泰介に子供だろうと容赦せずに憲兵隊員が迫る。
泰介「あっ!憲兵だ!」
泰介は憲兵に腕を掴まれ、野球ボールとグローブを没収されてしまった。
泰介「返せ!返せよ!!おい!!」
憲兵はしつこくしがみついてくる泰介のことを突き飛ばすと「非国民のガキ」というまさに人に非ずな酷い言葉をぶつけた。
それを見ていたフレディは小柄ながらも憲兵の背後から襟を掴んで持ち上げ、グローブと野球ボールを取り返した。
憲兵はフレディの存在に気づいたと同時に彼の姿を見て驚嘆し、腰を抜かしながら足早に退散していった。
泰介「ありがとなフレディ。」
憲兵は何故フレディを見て驚嘆したのか?
それはフレディが怪獣だったからである。
それ以来、この町で怪獣騒ぎが相次いで起こっている。
普段は泰介の計らいによって町の空き地に身を隠していたフレディだったが、とうとう町人に見つかってしまい、隠れ家を探すために転々としていた矢先の騒ぎであった。
泰介「ごめんよフレディ…ぼくが憲兵なんかに捕まっちゃったせいで。」
落胆の泰介をフレディは愛くるしい笑顔で泰介を慰めた。
泰介「お前は本当に良い奴だな。」
怪獣退治の任務を任されたGAJET。
一真と新貝、桑野の二人は六郷の町に駆り出されていた。
近くの建物の陰から泰介とフレディは三人の様子を窺っていた。
泰介「(GAJETだ!まずいぞ、フレディが連れていかれちゃう!)」
泰介がフレディを連れて場所を移動するがフレディの尻尾が一真の目に留まっていた。
一真「副隊長、あそこに怪獣の尻尾のようなものが。」
しかし、既に尻尾はなかった。
新貝「見間違いじゃないの?」
一真「おかしいな~…なら、あっちを探しましょう!」
桑野は一真の独断に呆れながら渋々と彼と新貝の後について行く。
泰介「ここなら大丈夫だ。」
一真「見つけた!」
一息つこうとしたところで見つかってしまった。
泰介「フレディのことを連れていかないで!お願いです!」
三人は顔を見合わせると新貝が泰介の目線に合わせて事情を伺った。
彼によると、町内会は憲兵隊やGAJETに怪獣=フレディの討伐を依頼していた。
フレディは善良な怪獣であり泰介にとって唯一の親友だということがわかった。
一真「確かにフレディは人間に害を与えるような怪獣ではないようです。」
桑野「その根拠は?」
一真「彼の…フレディの目を見ればわかります。」
新貝「そっか~そういうことならお姉さんたちが憲兵隊や町の皆さんに掛け合ってあげるわ♪」
泰介「本当ですか?ありがとうございます!よかったなフレディ!」
柔軟な対応に一安心した泰介とフレディを見ていると、突如銃器を持った憲兵隊がフレディを包囲した。
憲兵A「いくら小さくても怪獣は怪獣。化け物はここで死ね!」
桑野「待つんだ。こいつは人間に害を与えるような奴じゃない。今までもそうだったろ?」
憲兵B「あなた方はGAJETですか?いくらGAJETでも我々の街の秩序にまで口を挟むとは気に入らんな。」
憲兵C「害があるか、ないかは我々が判断することだ。従って既にそいつによって負傷した我らの仲間がいる。」
それはこの前、泰介を捕まえ、フレディに追い払われた憲兵隊員のことだった。
新貝「それには何か事情があるはずです。私たちも怪獣討伐の依頼を受けた身、ここは慎重に判断すべきかと。
一真君、その子とフレディを安全なところへ。」
一真「はい!」
逃げた先で安全を確認すると、その場にしゃがみこんだ泰介は野球ボールを取り出し、一真にある話をした。
泰介「このボールはフレディとの絆なんだ。」
彼とフレディの出会いは今から半年前。
出兵した兄から譲り受けたバット、グローブ、野球ボールで友達たちと野球をしていた。
しかし、時代は戦争。日本では敵国のスポーツや文化を嗜むことを厳しく取り締まっていて、泰介の周りの子供たちはそれを避けるために次第に彼の元から離れていった。
ひとりぼっちになった泰介はそれでも野球ボールを投げ続けた。
草むらに消えたボールを探していると人間と同じくらいの怪獣がボールを泰介に届けてくれた。
その怪獣こそが友好快獣フレディであった。
フレディは野球というものに興味を示し、泰介はフレディに野球を教えた。
それ以来、河川敷に通い二人は友情を深めていったのだ。
一真「絆か…」
一真は『絆』という言葉に半蔵とかれんを思い浮かべた。
憲兵D「見つけたぞ!!怪獣め!!」
一真はガジェットハイパーガンを反射的に構えた。
憲兵D「貴様のような青二才が人を撃てるのか?」
一真はそもそも人間どうしが殺し合う戦争が嫌いだ。
一真は悔しそうに銃を下ろした。
続々と他の憲兵隊員たちが泰介をフレディから引き剥がそうと強引に泰介の腕を掴んだ。
そのとき、フレディは怒りを感じて巨大化した。
怖じ気づく憲兵隊はすかさず銃を撃ち始めた。
赤熱化してフレディは我を忘れて暴れている。
新貝「あれは!?」
桑野「フレディは善良な怪獣じゃなかったのかよ!一真!!」
事態はすぐに戦車が駆けつけるほどの大騒ぎに発展した。
泰介「こんなフレディ見たことない。仙崎隊員、お願い、フレディを助けて!」
一真「もちろんだ!」
フレディは戦車を持ち上げ、憲兵隊に投げつけようとしていた。
一真「目を覚ますんだフレディ!」
「メシアァァァ」
一真はウルトラマンメシアに変身し、間一髪のところでフレディから戦車を取り上げた。
フレディは剛腕でメシアの首を締め上げる。
フレディの瞳は怒りで赤く光っている。
桑野「副隊長、メシアを援護します!」
桑野がガジェットハイパーガンを構えるも、メシアはそれを制止した。
次にフレディの体を持ち上げて背負い投げを決める。
フレディは泰介を守ろうと必死にメシアの肩にしがみついて離れない。
その瞳から一筋の涙を垣間見せた。
憲兵隊長「今だやれ!」
銃弾が急所に命中し、崩れていくフレディ。
泰介「フレディー!!!!」
駆け寄る泰介。
メシアはメシアスラッシュで憲兵隊を蹴散らした。
憲兵隊長「我々に攻撃だと?所詮は未だ未知の存在の貴様はとうとう人類の敵となるつもりか。」
メシアは奇跡の力メシアフォースでフレディを元の大きさに戻し、姿を消した。
目を閉じたままのフレディに泰介は泣きながらすがりついていた。
桑野「泰介君!」
駆け寄る桑野、新貝と遅れて一真も合流した。
しばらくの沈黙が流れる。
気づいたら町の人々も心配そうに見守っていた。
一真「皆さん…」
すると、目を覚ましたフレディ。
人々は拍手でフレディの無事を喜び合った。
泰介「フレディよかった!!」
一真「君たちの絆が人々の心を動かしたんだよ。人間と怪獣は分かり合えるんだ。」
それは一真自身にも言い聞かせた言葉だ。
憲兵隊長「ばかな…」
泰介とフレディはGAJETに手を振ると三人は基地へと帰投した。
一真「副隊長、俺はあの少年とフレディのことは決して忘れません。いつの日か必ず人間と怪獣が共存できる世界にするまで。」
新貝「一真君ならできる。私はそう信じてるわ。町の人々の心を動かしたのはあの子達だけではなかった。あなたの思いまでもが伝わったからよ。」
夕陽へ向かってフライヤーは間もなく基地へ到着する頃であった。
To be continued
◆◇エンディングテーマ◇◆
ATMOSPHERE/FLOW
https://www.youtube.com/watch?v=EJYT4AgV0Xk&feature=youtube_gdata_player
◆◇メシアの軌跡◇◆
■お待たせしました!
こんなに長くするつもりではなかったのに…おかげでスマホの動作が重いです(笑)
最近のメシアはコスモスの如く怪獣に優しいです。
しかし、これが災いの素になるのです…
◆◇次回予告◇◆
謎の少年『X』と以前約束した東京案内のために休日を費やす一真。
しかし、緊急召集を受けた。
轟村にて絶大な力を持つ巨大生命体が現れたとのこと。
次回、ウルトラマンメシア~目覚めの物語~
「豪雷の試練」
帝神話再び!
メシア vs エクレール
