Chronicle.16 人類の過ち | 千樹憐のウルティメイトストーリーズ

千樹憐のウルティメイトストーリーズ

基本的には好きなウルトラマンのオリジナル小説を連載しています。

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◆◇モノローグ◇◆


「宇宙の意思は確実に人類を手玉に取っていた。

このときの俺たちは怪獣を地球怪獣、宇宙怪獣という枠組みで区別することは殆どなく、迫りくる怪獣たちは全て人類を脅かす脅威としか見ていなかった。

ましてや怪獣たちの生きる権利なんて誰も気づく者などいない。

人類は地球上で…いや、宇宙で最も自分勝手で愚かな生き物だ。」



原案・ウルトラマンガイア

第39話「悲しみの沼」

※この作品はフィクションであり、実際の歴史事実とは一切関係ありません。




~本編~

一真の故郷・東京のとある下町


この日も澄んだ青空が広がっていた。
快晴である。


かれん「おばさん何か手伝いますよ~」

一真の母「かれんちゃん本当にいつもありがとうね~」


一真が出征、弟の優作も疎開して一人で暮らしている母にお隣のかれんは嫌な顔一つせずに色々と手伝ってあげていた。


かれん「(一真、手紙読んでくれたかな~?)」


かれんはうきうきしながら家事をこなしている。






一真「あっ、俺に手紙?」

一真は手紙を読む。
差出人は双葉かれんとあった。


一真「皆元気にやってるみたいだな、母さんも。ん?」

手紙を読んでホッとした一真は最後の文章に目が止まった。


それはいつ帰れるかということだった。


一真「そういえば休暇ってあるのか?ここは戦争のための軍隊じゃないし。聞いてみるか。」


椎原に聞いてみると、あっさりと休暇をもらうことが出来た。

理由は最近の任務への取り組みが評価されたかららしい。


一真は椎原から休暇中でも、いつ何が起こるかわからないということでGAJETナビとガジェットハイパーガンの携行を義務づけられると帰省の準備を始めた。


他の隊員達に挨拶をしてから汽車に乗車すると、うとうとしてきた。

気づいたら故郷の駅へと到着するところだった。


一真は降りると深呼吸をする。


一真「懐かしい薫りがする!!」



一真「かれ~ん!!」


かれんは声の方向を振り返る。


かれん「嘘でしょ!?一真が帰ってきた!!」

嬉しそうに駆け寄る二人。


一真「手紙ありがとな。上司に言ったら休暇をくれたんだ。」

かれん「軍隊大変でしょ~本当に夢みたい。おばさんは家にいるよ。行こっ!!」



まさか自分が軍隊ではなく怪獣たちと戦う部隊にいるとはとても言えない一真だった。


母は快く迎えてくれ、しばし向こうでの話せるだけのことを話して三人は再会を喜び合った。


母はやはり心配をしていてくれていたようだ。

これからも母からもらったこの命を無駄にはしないでここ帰ってくることが、せめてもの親孝行だと思った。


晩御飯はかれんの家族や近所の人たちとも食卓を囲んで一真の無事をささやかながらにお祝いをした。




夜はかれんと思い出の海岸でたわいもない会話をしていた。


かれん「半蔵には会った?半蔵も一真が行ってからすぐに出征したんだよ。」

一真「会ったよ。あいつも世界中を駆け巡って大変そうだけど元気にしてる。」

かれん「そっかぁ。」

一真「お前は何んにもなかったのか?」

かれん「べ、別に!!嘘、本当は寂しかったよ。二人とも、優くんもいなくなっちゃって。残った私はお嫁入りを待つだけ。」


優くんとは優作のことである。


一真「お嫁入り!?そんなこと聞いてないぞ!!」

かれん「隣町の人なんだけどね、真面目な男の人だった。

一真、何そんなに焦ってるの?ふふっ」


一真はやれやれと首を振りつつもそのことについて焦りが生じていたことは本当だった。


かれん「じゃあさ、一真が私のことをお嫁さんにしてくれてもいいよ?」

かれんが冗談ぽく言うとまたまた動揺する一真。


一真「何言ってんだよ~俺はまたあっちに戻らないといけないし、いつ帰れるかもわからない。それに…」

かれん「何真剣になっちゃってんの~冗談に決まってるでしょ?」

本当は冗談ではなくかれんの本音そのものだった。



~翌日~

 
一真とかれんは二人で一真の父と兄の墓参りに来ていた。


一真「(父さん、兄さん、俺、頑張って平和な世界にしてみせるから。)」



墓参りを済ませて談笑しているときだった。

地震が起きたと同時に怪獣が出現したのだ。


一真「(嘘だろ?こんなときに。)」

一真はかれんの手を引いて逃げる。


頭上をGAJETのフライヤーが通り過ぎる。


桑野からGAJETナビに通信が入った。


桑野「おい一真、大丈夫か?せっかくの休みで悪いが偶然とはいえ、お前の故郷に怪獣が現れた。すぐに合流しろと隊長が言っている。」


一真「了解…。」


かれん「どうしたの?軍隊の人?怪獣を迎撃するのね?」

一真「かれん!!俺、行かなくちゃならない。対怪獣実働攻撃部隊GAJET…それが俺の本当の仕事なんだ。」


一真はかれんを安全なところへ連れて行くとかれんに背を向け走り出した。


かれん「一真、死なないでね。」




一真の元に柊大将はいた。  


柊「今のお前は怪獣への怒りで満ち溢れているといった様子か。

ならば、その力で示してみろ。救世主メシアと呼ばれる光の巨人が我々人類の本当の意味での救世主となり得るのか。」



一真「何故だ!!何故お前たちは人間の平和を乱そうとする!!」

肉食恐竜に似た怪獣=尖鋭牙怪地底獣メガロドスに怒りの叫びを投げかける。


一真「メシアー!!」

オリハルコンを掲げたが変身はできなかった。


一真「どうしてだメシア!?」


メシア「一真、あの怪獣を倒してはならない。彼ら地球怪獣にも生きる権利があるのだ。」


柊「どうした仙崎。」


一真「人類の命を脅かす怪獣だぞ!!なのに何で駄目なんだ!!俺たちは今日まで必死に戦ってきたっていうのに。」


柊「どうやらお前たちの意思は相反するもののようだな。ならばあの怪獣、俺に任せてもらおうか。」


柊は連盟地下日本支部の誇る専用の戦車に乗り込みメガロドスに攻撃を開始した。


メガロドスは怯み、倒れ込んでしまった。


桑野「あの戦車は!?」


椎原「…柊源次郎大将。」

新貝「…。」


一方的に攻撃を受け続けているメガロドスだったが、反撃で尻尾によるなぎ払いで戦車に打撃を加えたがびくともしない。



メシア「一真、あの怪獣は…」


もはや今の一真にはメシアの訴えは届かなかった。


オリハルコンを掲げる一真に諦めたように力を貸すメシア。


一真「メシアァァ!!」


アメジスト色の光の中からウルトラマンメシアが現れた。


メシア「(君は後悔することになるだろう。)」


メシア=一真は既に弱っていたメガロドスを持ち上げて投げ飛ばした。


そしてアメジスト色の光の剣メシアブレードを右腕に発生させ、斬撃を加える。


メシアブレードに光子エネルギーを集めた必殺のフォトンエクスカリバーで斬り伏せ、メガロドスは斬痕を光らせたまま倒れ絶命した。


メシアは空へと去って行った。


柊「(メシア、お前はなぜ仙崎に力を貸したのだ?)」


椎原「怪獣殲滅…これより帰還する。」

桑野「了解。(メシアの様子がいつもと違った。)」


狂気に支配されたようなメシアの戦い方に違和感を覚えたGAJETだった。



かれん「おかえり一真。けがはないの?」

一真「俺は大丈夫。(これでよかったんだよな?今までどおり皆を守ったんだ。)」



◆◇モノローグ◇◆


「この選択が後に自分自身を苦しめることになるとは…俺は考えてもみなかった。」



To be continued



◆◇エンディングテーマ◇◆


他の星から/乃木坂46

https://www.youtube.com/watch?v=DZqYwpImtPU&feature=youtube_gdata_player



◆◇メシアの軌跡◇◆


はい!

今回のストーリーは怪獣を生かすか殺すかの選択をテーマにした話でした。


このテーマはウルトラマンガイアでも議論されていましたね!


その考え方を怪獣保護という結論に発展させたのが次作のウルトラマンコスモスだと言われています。


この時代では怪獣は全て倒すべきだと人類は考えています。


しかし、メシアだけが怪獣を倒してはいけないと主張しており、一真は人類とメシアの板挟みでしたが、人類の考えを全うしました。


しかし、この選択が次回以降に響くことになるのです!!



◆◇次回予告◇◆


メシアの忠告を振り切って尖鋭牙怪地底獣メガロドスを倒した一真。


しかし、メガロドスの出現した故郷の周辺地域が宇宙の意思の刺客によって壊滅状態に陥ってしまった。


メシアは一真に彼の犯した過ちを自覚させる。



次回、「生きる権利」



お楽しみに~