まず、ストローク(stroke)を辞書で調べると、「一撃」とか「ほめる、おだてる」とかと出てきます。心理学的にいえば、「他社に対する自分の表現」とのこと(Wikipediaより抜粋)。もう少し分かりやすく書くと、他者の存在や価値について、「わたしは、あなたのことをこう思っていますよ」ということを伝える、言葉や行動の事を指します。
「こう思っている」の内容は、大きく分けて、「いいと思っている」と「悪いと思っている」の2つです。更に、それぞれについて「無条件で、そう思っている」と「こういう理由で、そう思っている」の二つに分けられます。まとめますと、
- プラスの無条件ストローク (あなたは素晴らしい!!)
- プラスの条件付きストローク (○○だから、あなたは素晴らしい)
- マイナスの条件付きストローク (○○だから、君はダメなんだ)
- マイナスの無条件ストローク (君はダメだな!!)
以上の4つに分けられます。当然ですが「プラスの無条件ストローク」を相手に与えるコミュニケーションが最良のコミュニケーションです。例えば、ある仕事で良い結果を残した人がいるとします。その人に対して何と言って褒めますか。「何も言わない」(マイナスの無条件ストローク)は論外です。
例1)「やればできるじゃん」と言う
「やればできる」だと、言われた側は、言葉の裏を取って「あの人は自分のことを『いつもはできていない』と思っているんだ」なんていうように思われかねません。これはマイナスの条件付きストロークで、アウトです。ほかにも、
例2)「君はがんばっていたからね」と言う
褒めているには褒めていますが、「がんばっていたから褒められた→良い結果を残さないとがんばっていると思われない」と思われる可能性があります。これはプラスの条件付きストロークです。最良ではない、というところでしょうか。一番良いのは、なんやかんや言わずに
「良くできたね」
で良いのだと思います(なんやかんやは、なんやかんやです。某ドラマではないですが)。これがプラスの無条件ストロークで、これを交換することで良い人間関係が築ける、とのことです。
■アイムオーケー、ユーアーオーケー
この根底にある概念は、「人はみんなOKである」という精神です。理由など必要ないんです。自分を認め、相手を認め、みんなを認める。「アイムオーケー、ユーアーオーケー」というやつです。そう考えると、ガッツ石松さんのように、何を言われても「OK牧場」と答えるのは、メンタルヘルスケアとしても良いものなのかもしれません、と思ってみたり。といっても、さすがに今回のコラムのタイトルを「ガッツ石松さんでメンタルヘルスケア」とはしませんでしたが。
■ストロークの法則とは
無条件で相手を認め、プラスの無条件ストロークのやり取りをするコミュニケーションについて書きました。ここまでの話を「ストロークの法則」としてしまっても良いかもしれませんが、厳密に言うと、これは「ストロークの法則」ではありません。「ストロークの法則」とは、
「人はプラスのストロークを欲するが、充分に得られない場合はマイナスのストロークを得ようとする」
というものです。母親に充分に相手してもらえないと感じている子供が、わざと駄々をこねて悪戯に走り、「何で言うことが聞けないの!」と母親が激怒するシーンが、その一例です。「自分に注目して!!」という内容のシグナルを発信してしまうのです。悪い事をしてでも。
ストロークの法則には、更にもうひとつの法則があるようで、それは、
「人は条件付きストロークを与えられ続けると、無条件ストロークを受けるに値しない人間だと思う人になってしまう」
というものです。テストで高得点を取らないと褒めない親とかが一例だと思います。自分の親もそうでした。だから自分は、自分自身に完全主義な傾向をもつ人間に育ったのかもしれません……。
■だからこそ、プラスの無条件ストローク
自分や相手がそうなってしまわないように、プラスの無条件ストロークでコミュニケーションを取れると良いと思います。そのために心掛ける点としては、まずは自分からプラスの無条件ストロークを相手に与えることだと思います。あくまで、まずは。
自分が与え続けていても、逆にもらえなかったとしたら嫌になるので、そういうときは欲求をしてみたり、自分自身にプラスの無条件ストロークを与えて、もらうようにすれば良いかと思います。もらえることがあるときは素直に喜んでもらうべきですし、マイナスのストロークを与えられたときは冷静になって、それを受け入れるようにすれば良いかと。
引用元(https://el.jibun.atmarkit.co.jp/azk/2009/06/post-00d9.html)
【イラショナルビリーフ】
白黒思考で凝り固まった考え方のこと
現実的ではなく、極端に一般化した意味に捉えていて、独断的で論理的ではない思考
(irrational belief=非合理思考)は、簡単な言葉にいいかえると、「思いこみ」や「考え方のくせ」のことで、「自動思考」とも呼ばれます。
代表的なイラショナル ビリーフは、「みんなに好かれなくっちゃ!」です。合理的に考えると、どんな人でも「全員」に好かれることは困難です。そこで合理的な考え方、例えば「なるべく多くの人に好かれるといいな。」に置き換えるようにします。この他にも「仕事には常にベストを尽くすのが当たり前」「頼みごとを断ってしまったら、相手との関係は壊れてしまう」などもイラショナル ビリーフの例です。
…しなければならない。
絶対に間違っている。
許されないことだ。
…すべきである。
人にはそれぞれ考え方のくせがあるので、まずは自分が普段陥りやすいイラショナル ビリーフに気づくのも大切。
代表的なイラショナルビリーフ7つ
1,マイナス思考
良いことを無視して、なんでも悪い出来事にすり替えてしまう
2,拡大解釈・過小評価
自分の短所や失敗を大げさに考え、長所や成功を過小評価する
3,感情的決めつけ
客観的な事実より否定的な感情を現実だと決めつける
4,すべき思考
何かをやろうとする時、〜すべき、〜すべきではないと考える固まった思考
5,一般化し過ぎ
一つ良くないことがあると、「いつもこうだ」「上手くいったためしがない」などネガテイブに捉える
6,結論の飛躍
特に確かな理由もないのに、深読みや先読みして、悲観的・否定的な結論を出してしまう。
7,極端なレッテル貼り
失敗した時、自分に対し極端にネガティブなレッテルを貼ってしまう。






