記事を更新せずに1月が終わってしまいそうです。
内田けんじ監督作品『鍵泥棒のメソッド』作業中故に思うように更新出来ません。
2月になったら書けるかな…少々お待ち下さい。
皆様、明けましておめでとうございます。
本年は日本の映画界が良い方向に進むように陰ながら頑張ろうと思います。
今年も宜しくお願い致します。
すっかりご無沙汰になってしまったけど、ちょこちょこ更新していきますんで…
本年は日本の映画界が良い方向に進むように陰ながら頑張ろうと思います。
今年も宜しくお願い致します。
すっかりご無沙汰になってしまったけど、ちょこちょこ更新していきますんで…
前回サウンド・エディターとは?(1)では、
台詞以外の音を0から構築する役割であるという説明をしました。
撮影で録音された台詞以外の音を付け直し、音響的な演出をやり直しをするということでした。
私もなぜこのような方法論に行き着いたのかという歴史的な根拠はまったく分からないのですが、
おそらく撮影時の条件等で臨場感が薄まってしまうことを補強する為に、
または編集された映像を客観的にエディターが分析することによって
さらに臨場感を付加しなければならなかった、のではないかと思います。
例えば、
主人公がとても静かに心情を吐露する場面があったとします。
しかし撮影している所の隣が交通や工事などでとてもうるさかったりします。
編集された映像には交通や工事の場面はまったく映っていません。
お客さんは当然ながらうるささで芝居に集中出来ません。
映像に映っていないのに音だけ聞こえるのも違和感を感じます。
(あぁ、この撮影している所はうるさかったんだなぁ、と思わせていたり…)
ストーリーとは関係のない事を考えてしまう。
そんな時![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
ダイアログ・エディターは台詞以外の交通音や工事の音を音圧が崩れないようになるべく削ります。
さらにサウンド・エディターが静かな情景の音を付加します。
これによって撮影時にはうるさかった場所が静かな趣のある場面になるのです。
あたかもあなたがその場にいるような空間を劇場内に新たに作り出すのです。
一般的に伝統的な音響効果でも当たり前にこのような作業はしますよね~![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/141.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/141.gif)
このような作業は例外ですが、
うるさくない撮影場所でも決して同録のみで音を構成しません。
始めから終わりまで我々で言う所のBG(背景音)は付けています。
無音(ノンモン)は基本的にありません。
なぜなら、劇場の環境によりますが
場所によってはノンモンにする事によって
劇場の空調が気になり物語から逸れてしまう危険性があるので
なるべく避けるようにしています。
音圧は保ちつつ、感じない音・色が無い音を付けています。
【BG】(背景音)というカテゴリーは一般的に「音楽」のように聞こえますが
バックグラウンドの略として使っています。
私達の間では
【BG】を制する者はサウンド・エディターを制する
とまことしやかに囁かれ、とても難易度が高いカテゴリーです。
BG一つのカテゴリーが失敗すると取り返しのつかない作品になってしまいます。
時間が長く感じられたり眠くなったりする作品は
大抵このカテゴリーに問題を持っています。
(劇場の設備の問題もあり得ますが)
まず、修正のやり玉に上げられるのはBGなのです![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/143.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/143.gif)
BGだけではありませんがそこには様々な要素が含まれるからです。
・常に鳴っている音である事
・ダイナミックスレンジ
・リズム
・位相
・空間の広さ
・帯域
・時間の流れ
・感情表現
など…
上げればキリが無いくらい神経を使わなければなりません。
【Vehicle】や【Explosion】など派手なカテゴリーとは違って
一番地味なカテゴリーですが人間の耳が無意識に感じるカテゴリーなので
細心の注意を払って進める作業であります。
さて今回の
「なぜ空間を再構築しなければならないのか?」という疑問も分かってきたと思いますが
いかがでしょうか。
そもそも空間とは、
映画館や自宅にいながらにして、その作品の中に入り込み、その場で疑似体験しているような環境の再現です。
その音場環境を再現する為に音響設計をして再構築するのがサウンド・エディターなのです。
音響設計で素晴らしい作品はいっぱいあるのですが、
その中で一つ上げれば『プライベート・ライアン』でしょう。
尊敬するサウンド・デザイナーの一人、
ゲイリー・ライドストーム(Gary Rydstrom)
による設計は大胆かつ繊細でお客さんに疑似体験をさせてくれます。
彼ら(その他にAndy NelsonとGary Summers)による
Re-recording Mixerとしての技術も素晴らしいと思います。
ついでに言うと、一般的に
ハリウッド映画界の音響面での最終権限責任者はRe-recording Mixerで、
台詞>音楽>効果の順、
感情を司る度合いで優先順位が変わります。
一番偉いミキサーが台詞を扱うのです。
日本に関しては一般的に
録音技師が台詞と音楽のバランスを決めて
音響効果マンが効果のバランスを決めます。
私がサウンド・エディターとして常に考えていることは、
鑑賞しているお客さんが物語の中に感情移入できるように音による違和感を無くす事
です。「え?!もう終わったの
」と思わせる事が醍醐味なんです![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/188.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/188.gif)
楽しい時間は早く過ぎ去ると言いますでしょ!
さて、サウンド・エディターの成すべき事は大体掴めましたでしょうか?!
今では大分変化してきているのですが
日本の音響効果の方法論もハリウッド方式に近づいてきました。
だからって音響効果がハリウッドの真似をしているのではなく
必然的に方法論が似てきただけです(笑)
誤解無きようお願い致します。
これが切っ掛けで音響面に着眼点をもって映画の世界をさらに楽しいものに出来たら幸いかなぁ~
なんて思います。
<次回予告>
次回は主に映画に関しての音響制作プロセスに関して書いてみようと思います!!
*Andy NelsonとGary Summersの主な作品はimdbを参考して下さい。
先の日韓首脳会談(概要)が外務省のWebサイトで確認出来ます。
ここでちょっと注目して頂きたいのが
2.の(2)の「第2期日韓新時代共同研究プロジェクト」の開始について合意した。
という記述。
すでに名称が香ばしいwのですが。
これに関しての外務省の報告書(PDF)がありました。
この内容がマジキチです。外務省は「植民地支配」を公式文書で明記している !
ガ━━Σ(゚Д゚ ;)━━ン!
どのメディアが報じたのだろうか?甚だ疑問
野田はこっそりと確実に売国してます。
でも拡散しないで!誰にも教えないで!
本日は政治絡みでなくお仕事の話( ・(ェ)・)
私は日本では珍しい「サウンド・エディター」という職業に従事しています。
『音響効果』を格好良く英語に直して言っただけでしょ?!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
音響効果というお仕事とは考え方がちょっと違うんです。点と線くらい違うんです。
そこで今回は「サウンド・エディター」とは何ぞや?という事に関してのお話をしたいと思います。
ざっくばらんに簡単に説明しますと、
映画やドラマには必ずといっていいほど台詞があります。
その台詞以外の全ての音の空間を再構築する仕事であります。
もちろん音楽は別ですよ(・Θ・;)!
台詞以外の音を削ぎ落として(台詞はダイアログ・エディターという別の職人がいるのです)
環境音(私達はBGと呼んでいます。今後説明をしていきます)
足音(Foot Step)
衣擦れ(Cloth Movement)
乗り物(Vehicle)
爆発(Explosion)
コップを置く音や椅子に座ったりその他の動作(Prop)
のようにありとあらゆる音の空間を再構築、つまり後で付け直しをしているのです。
作品によって上記のカテゴリーは違ってきますが、一例としてです。
そうする事によって現場での同録の制限を取り払って、音の演出をやり直す事が出来るのです。
例えば悪者の役者がいたとします。
現場の同録では足音が軽くて悪そうに感じない。そこで足音を後から重く録り直して悪い感じに演出をする、ということが出来るのです。
一方伝統的な日本の映画の作業では同録を中心として音の追加という方法論をとっています。
現場の音は正にリアルな音なのですが、映像に対して音のサイズが合わなかったり、他の要らない音があったり、音のレンジが狭かったり、地味だったり、逆にうるさかったりいろいろな弊害が生まれてきます。
同録によってかなりの部分が左右されてしまいます。その制限を取っ払う為に台詞以外をなるべくきれいにすることをしています。
ダイアログ・エディターは台詞以外の音を分離させて(要はトラックを別にしてコントロール出来るようにする)台詞の音圧を安定させる事に神経を使います。
追々ダイアログ・エディターに関してもお話をしていきたいと思っています。
で、なんで「音の空間を再構築する必要があるの?」という話は次回!!
私は日本では珍しい「サウンド・エディター」という職業に従事しています。
『音響効果』を格好良く英語に直して言っただけでしょ?!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
音響効果というお仕事とは考え方がちょっと違うんです。点と線くらい違うんです。
そこで今回は「サウンド・エディター」とは何ぞや?という事に関してのお話をしたいと思います。
ざっくばらんに簡単に説明しますと、
映画やドラマには必ずといっていいほど台詞があります。
その台詞以外の全ての音の空間を再構築する仕事であります。
もちろん音楽は別ですよ(・Θ・;)!
台詞以外の音を削ぎ落として(台詞はダイアログ・エディターという別の職人がいるのです)
環境音(私達はBGと呼んでいます。今後説明をしていきます)
足音(Foot Step)
衣擦れ(Cloth Movement)
乗り物(Vehicle)
爆発(Explosion)
コップを置く音や椅子に座ったりその他の動作(Prop)
のようにありとあらゆる音の空間を再構築、つまり後で付け直しをしているのです。
作品によって上記のカテゴリーは違ってきますが、一例としてです。
そうする事によって現場での同録の制限を取り払って、音の演出をやり直す事が出来るのです。
例えば悪者の役者がいたとします。
現場の同録では足音が軽くて悪そうに感じない。そこで足音を後から重く録り直して悪い感じに演出をする、ということが出来るのです。
一方伝統的な日本の映画の作業では同録を中心として音の追加という方法論をとっています。
現場の音は正にリアルな音なのですが、映像に対して音のサイズが合わなかったり、他の要らない音があったり、音のレンジが狭かったり、地味だったり、逆にうるさかったりいろいろな弊害が生まれてきます。
同録によってかなりの部分が左右されてしまいます。その制限を取っ払う為に台詞以外をなるべくきれいにすることをしています。
ダイアログ・エディターは台詞以外の音を分離させて(要はトラックを別にしてコントロール出来るようにする)台詞の音圧を安定させる事に神経を使います。
追々ダイアログ・エディターに関してもお話をしていきたいと思っています。
で、なんで「音の空間を再構築する必要があるの?」という話は次回!!