-音響に着眼点を置いた映画鑑賞の方法- サウンド・エディターとは?(1) | サウンド・エディターの『絶対に見ちゃダメッ!』

サウンド・エディターの『絶対に見ちゃダメッ!』

情報をなるべく広げないようにする為のブログ。ってサウンド・エディターって何?

本日は政治絡みでなくお仕事の話( ・(ェ)・)

私は日本では珍しい「サウンド・エディター」という職業に従事しています。

『音響効果』を格好良く英語に直して言っただけでしょ?!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
音響効果というお仕事とは考え方がちょっと違うんです。点と線くらい違うんです。

そこで今回は「サウンド・エディター」とは何ぞや?という事に関してのお話をしたいと思います。


ざっくばらんに簡単に説明しますと、

映画やドラマには必ずといっていいほど台詞があります。
その台詞以外の全ての音の空間を再構築する仕事であります。
もちろん音楽は別ですよ(・Θ・;)!

台詞以外の音を削ぎ落として(台詞はダイアログ・エディターという別の職人がいるのです)

環境音(私達はBGと呼んでいます。今後説明をしていきます)
足音(Foot Step)
衣擦れ(Cloth Movement)
乗り物(Vehicle)
爆発(Explosion)
コップを置く音や椅子に座ったりその他の動作(Prop)

のようにありとあらゆる音の空間を再構築、つまり後で付け直しをしているのです。
作品によって上記のカテゴリーは違ってきますが、一例としてです。

そうする事によって現場での同録の制限を取り払って、音の演出をやり直す事が出来るのです。

例えば悪者の役者がいたとします。
現場の同録では足音が軽くて悪そうに感じない。そこで足音を後から重く録り直して悪い感じに演出をする、ということが出来るのです。


一方伝統的な日本の映画の作業では同録を中心として音の追加という方法論をとっています。

現場の音は正にリアルな音なのですが、映像に対して音のサイズが合わなかったり、他の要らない音があったり、音のレンジが狭かったり、地味だったり、逆にうるさかったりいろいろな弊害が生まれてきます。
同録によってかなりの部分が左右されてしまいます。その制限を取っ払う為に台詞以外をなるべくきれいにすることをしています。

ダイアログ・エディターは台詞以外の音を分離させて(要はトラックを別にしてコントロール出来るようにする)台詞の音圧を安定させる事に神経を使います。
追々ダイアログ・エディターに関してもお話をしていきたいと思っています。


で、なんで「音の空間を再構築する必要があるの?」という話は次回!!