交渉の結果、週に一度の通院が始まりました。

家から病院まで高速で片道30分かかります。

70代前半の父に送迎してもらっていました。

距離が20Kmなので送ったら帰ると言う距離でもないですし、終わるまでの待ち時間も長く非常に申し訳なかったです。

 

 週に一度の通院も100日間程続きました。夏休み前にそれが終わり、また2週間に一度の通院になりました。


 イムブルビカを飲み始めて特に大きな変化はなく今現在に至ります。顔は相変わらずパンパンです。肺機能も横ばいで苦しいです。

苦しいながらも安定した日々が続き、11月に入った頃に次女が

 

「今年のクリスマスプレゼント、サンタさんに何をお願いしようかな?」


 「そろそろだね」


 「ママは何が欲しい?」


 「肺がむちゃくちゃ苦しいから元気な肺が欲しい」


 「肺ってもらえるの?枕の横に置いといてもらえるの?」


 「だといいね。自分で入れ替えられたらいいね  」


 なんて話していました。


 するとある日の外来で、


 「今の肺機能検査の数値ですと、将来的には肺移植をやった方がいいかも知れません」


 と言われました。


 いざ肺移植が本当に必要となった時に、すぐできることではないので準備しておいた方が良いと言われました。


いくつか条件をクリアしないといけないのですがそれ以外にも順番待ちなので最短でも2年はかかるそうです。


 そう言われ、呼吸器内科の先生の管轄になるのでこの後、呼吸器内科にもかかり説明を受けました。


 次女が言っていた、サンタさんのプレゼントの話しが本当になりそうでびっくりしました。


 今の肺は本当に苦しくて、誰か交換して!って思ってしまう程です。


 不謹慎ですが、若くしてどこも悪く無い、健康な方々が自殺するニュースを見て、自殺してしまうならその肺ちょうだい!とさえ思います。本当にもったいないです。


 陸に上げられた魚の気持ちがよくわかります。

 

 

 緊張しながら外来の日をむかえました。

 

 主人に「あーどうなるか・・・絶対入院だわー。」

 

 と入院を覚悟していました。

 

 いよいよ診察室に呼ばれました。

 

 「外来で治療する事になりました。」

  

 先生は少し残念そうな表情でした。

 

 このGVHD専門の先生が大御所の先生

 らしく鶴の一声だったようです。

 

 私は「ありがとうございます!」

   つい大きな声を出してしまいました。

 

 暫く沈黙が続き、先生は

 「カンファレンスでは外来に

 決まりましたが、私としては入院して

 いただきたいです。やはり無理ですか?」


 と目をウルウルさせてそうおっしゃるのです。

 

 先生は本当にかわいらしい方なので、

 そんな目で訴えられると流されやすい私は

 入院しましょうかと言いかけましたが

 やっぱり嫌だったので心を鬼にして

   「すみません。外来でお願いします」

    と丁重にお断りさせていただきました。

 

 先生は

「わかりました。

 その代わりに今2週間に一度の外来ですが、

 次からは毎週来ていただきたいです。

 大丈夫ですか?」

 

「はい、外来にして頂いたのでもちろん来ます」

 

「ではこの手帳をお渡ししますので、

 毎日イムブルビカを飲んだら記録して

 持ってきてください。」

 

「わかりました。ありがとうございます。」

 とその日は帰宅しました。

 

 帰ってからは、またいつ入院することになるかわからないのと、このまま悪くなってあの世行きとなった場合の事を考え、自由に動けるうちに銀行を回り、ヘソクリなどをまとめ使っていない口座を解約したりしました。私が死んでからではいろいろ主人に手間がかかると申し訳ないので、主人に包み隠さず全部報告しました。

 報告しながら内心なんだかんだで

 長生きしていたらどうしよう・・・

 と思いましたが(*^^*)

 

 まあいいんですヘソクリなんてどうでも!あともう少し、子供たちが成人するまで生きていられれば!

 

 

 

 

 退院してまた2週間に一度の通院が始まりました。

 

 月に一度肺機能検査を行ってましたが、段々と右肩下がりになって行ってしまいました。2m程歩いただけで呼吸が苦しくなり止まって休んで、整うまで待ってまた少し歩いては止まっての繰り返しです。うちの祖父もそうだったなと今では高齢者の方々のお気持ちがよく解かります。

 

 退院してまだ一か月半しか経っていない時点での外来で先生に


「このまま肺機能がどんどん下がって行ってしまわないようセルセプトに追加でイムブルビカというお薬を上乗せします。できればまた入院していただきたいです。」

 

 私は「えー!いつからですか?どのくらいですか⁉」

 

 と悲鳴に近いリアクションをしてしまいました。

 

 先生「来週からでも、期間は1~2か月くらい。」

 

 ちょうどGWの連休前だったので連休明けからでも良いか聞いたらそれでは遅いと言われました。

 

 でも私は、先生の「できれば」と言う言葉がひっかかったので「できればと言うことはできなければ外来でも良いということですか?」と聞きました。

 

 先生「そうですね、GVHD専門の先生とも相談して決めますが、できれば入院していただきたいです。」

 

 そしてGVHD外来の先生の診察を迎えました。

 

 主人と私は診察前にどうにか入院しなくていい方向に持って行けるよう願いました。

 

 診察が始まりGVHD外来の先生に

 

 「入院か外来か選択できるのであれば外来でお願いしたいです。子供もまだ小学生で手がかかりますので…。」

 

 すると先生は「基本的には外来でできます。内服治療だけですからね。この後の血液内科全体のカンファレンスでそう話してみますね。ご報告は来週の外来でします」

 

 この日はこれで帰宅しました。