無事に旅行を終えその翌日が今年初めての外来の日でした。

 

 その日の採血では特に変わったことはなかったのですが、移植の時にたくさん輸血をした影響でフェリチンが高く定期的に瀉血をしているのでやっていただきました。それとグロブリンも月一度のペースで補充しているのでそれもやっていただきました。

 

 先生は

 「そろそろプレドニンが減らせるといいですね」

 私

 「そうですね、少しでも」

 先生

 「次の外来がGVHD外来なのでそこで専門の先生と相談して決めましょうか」

 私

 「はい、よろしくお願いします。」

 

 と言ってその日は帰りました。

 

 

 今飲んでいる薬はこれです。薬に生かせてもらっているので蔑ろにはできませんが減らせるものなら減らしたいです。

 















 

 

 前夜あんなに食べたのに、翌朝起きたらお腹が空いていました。入院中は食べてもすぐ下痢で出てくる、食欲はあっても食べても一口で終わり、体重はみるみる減少、点滴で栄養を入れるしかありませんでした。今現在も腸が完全に回復していませんが、あの頃では考えられないくらい良くなっています。口から食べられる喜び、トイレがオムツではなくトイレでできる喜びこれだけでも感謝です。

 

 早速朝食のレストランへ向かいました。席に案内され着席したら子供たちもお腹がペコペコだったのでテキパキとお料理を運んできてくれました。家ではのんびりしているのですが、お腹が空いているせいか私から何も言わなくても自分たちで考えて行動していたので、新たな成長の発見が見られたので来てよかったなと思いました。

 

 お腹がいっぱいになったところでお部屋に戻りチェックアウトの準備と、今日の予定の確認をしホテルを出ました。

 

 まずは海遊館です。ホテルが駅直結だったので頑張って歩いて乗り場へ向かいました。ゆっくり休みながら歩きホームに着きました。二駅で海遊館の最寄り駅へ到着し、そこからも徒歩で海遊館へ向かいました。最寄駅からは海遊館は見えてはいるのですが私にとっては長い道のりで、タクシーを使うには近すぎるしと言った微妙な距離でした。みんなのサポートのおかげで時間はかかりましたが何とか到着しました。

 

 海遊館の中ではサービスセンターで車いすが借りられる事を事前に調べていたので早速サービスセンターへ向かいました。受付をしてレンタルしました。主人に押してもらい館内を回りました。するとスタッフの皆さん、お客さん、外国人観光客の方々も多かったのですが、皆さんとても親切にしてくださって人の温かみを実感できました。私も何か恩返ししたいなと思いました。

 

 海遊館はジンベイザメが有名なので、スタッフの方がジンベイザメの泳ぐバックヤードへ案内してくださり主人も子供たちも喜んでいました。

 

 こうして2時間の海遊館滞在を楽しみ、帰りの電車が16時発だったので難波へ向かい、少し時間がずれた昼食をとることにしました。

 タクシーで難波へ向かい、回転ずしやで昼食をとりお土産を買って駅に向かいました。

 

 帰りは近鉄特急の「ひのとり」という車両だったので子供たちは大喜びでした。いつも学校の窓からその車両が走っているのを恨めしそうに眺めていたそうなので、乗れてうれしかったようです。



 今回の旅行では、自分の体がどこまで世の中に通用するか、病気をする前に出来ていた当たり前の事ができなくなっていた事がいくつか改めてわかりました。

 ◦階段の昇降(しっかり手すりを持って一段ず  つゆっくりとしかできない)

 ◦歩行(頭ではあそこくらいは行ける行けると余裕でも、実際目と鼻の先の距離へ移動するだけでも時間がかかる)

 ◦少しでも走れない、小走りも無理

 ◦しゃがむと立ち上がるのに時間がかかる、手すり必要

 ◦トイレが近くにないと不安でしょうがない

 ◦歩いて呼吸が苦しくなると早く戻ってー!と  パニックに近いものに襲われる

 

 自分の身体じゃないみたいで、病気になる前は階段くらいパッパッと上がったり下りたりできていたのに、物を落とした人がいたら走って追いかけてしゃがんで拾って「落ちましたよ」って渡せたのに…など情けない気持ちにもなりました。

 

 とにかく何の役にも立っていない、一人では生きていけないことを改めて実感しました。家族にもっと感謝しないとです。

  

 この二日間は、子供たちの成長、自分の体の状態、人々の温かさが知れて有意義な時間が過ごせました。

 

 


 朝9時に大阪難波に到着しました。まだお店が開店前だったので人はまばらでした。駅の階段を上るのはしんどいし危ないのでもちろんエスカレーターで上がったのですが、妙に緊張してしまいさっと乗れず何度も目で見送ってやっと乗りました。

 時間つぶしと小腹がすいたのでカフェでお茶でもしようとなりました。コメダ、スタバは満席、近くに見当たらず歩き回ってやっと見つけた星野コーヒーへ入りました。案内された席がふかふかのソファーだったのでなだれ込むように座りました。10歩歩いては止まって休憩の繰り返しでのろまな亀状態です。それでも次女はずっと手をつないで「大丈夫?大丈夫?」と声をかけてくれて改めてこの子の優しさを実感しました。

 

 30分程のティータイムが終わり、定番の観光地を順番に回りましたが全部が近くて移動は地下鉄やJRで移動したかったのですが、やはり肺が苦しいのと私の歩く速度が遅く時間がかかって効率が悪いので、近いけれど全てタクシーで移動することになりました。それでも施設内でもちょっとずつ歩いては止まっての繰り返しなので車いすがあったらいいなと思いました。出発前に旅行先で借りられるレンタル車いすがないか調べてはいたのですが、自治体がやっているのはそこに住民票がある人しか借りられませんでした。民間がやっているレンタル会社は年末年始でお休みでした。

 

 主人と子供たちはたこ焼きをおいしそうに食べていましたが、外の屋台のお店でトイレの場所がわからなかったのでものすごく食べたかったのですが我慢しました。

 

 こうして予定していたグリコ、通天閣、なんばグランド花月、あべのハルカスをすべて回りタクシーでホテルへ向かいました。全体的に人は少なかったです。

 

 無事にチェックインし、夕食まで時間があったので施設内の健康ランドのようなところで過ごしました。私は念のため入浴はお部屋の内風呂で入ることにし主人と子供たちだけで入りました。

 夕食の時間になりレストランへ向かいました。ビュッフェなので自分で取りに行かないといけないのですが、ちょっとした段差があり手すりもなかったので転びそうだなと言ったら全部子供たちが持ってきてくれました。

 みんなの協力のおかげでしっかり食べ栄養を摂ることができました。やっぱり造血にはお肉ですね。



 その日は夜景を見て楽しんだりいろいろ1日を振り返りお腹いっぱいでベッドに入りました。