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松本整トレーナー メダル信じ織田サポート 2012年6月3日


 京都府長岡京市にある「クラブ・コング」のスポーツトレーナー松本整氏と織田信成の出会いは2006年にさかのぼる。「ジュニアからシニアに上がった時期。その時はテレビで見るより小柄な人やなって印象」だったと言う。


 それ以来の付き合いで、6年になる。パワーチェンジトレーニング(力をどのタイミングでどの方向に発揮するべきかという理論にのっとったトレーニング)が中心で、「それによって垂直跳びの数値が上がったのと、着地してから次の動作に入る動作がずいぶん良くなってきた」と松本トレーナー。


 跳び上がった時の力が氷に伝達され、効率よく高さに変えるにはどのように体を動かしたらいいか、織田のジャンプはそのトレーニングのたまものだ。「ジャンプに使う筋肉(股関節と膝関節についている筋肉)の立ち上がりが急激に最大になるようトレーニングを行っている」と言う。


 松本トレーナーは競輪選手を40歳を過ぎるまで長年続けてきた。織田は25歳で、フィギュアスケート界ではベテランの域。「競技生活を長く続けていくには生活の管理、トレーニング、休養、栄養、この三つがセットで大切。年齢が上がっていくほど大事になる」。トレーニングだけでなく、うまく休めるか、栄養をバランスよく取れるかという点が重要だと指摘する。


 「フィギュアスケートには体幹の安定も大切なので体性感覚を鍛えるトレーニング、脳がつかさどっている機能を鍛えるビジョン・トレーニングも欠かせない」。織田はこういった一連のトレーニングを週に2回程行う。「けがする前の状態には、今は8割くらいまで戻っている。体力的なことも問題はない。シーズンまではあと少しあるので十分間に合うと思う」と松本トレーナーは太鼓判を押す。


 「わたしも全日本の大会には必ず見に行ってますが、フィギュアスケートは独特のスポーツなので難しいと感じている。織田選手のように芸術性が高い人は、感情のコントロールが難しいところがある。オリンピックに向けてその辺のコントロールもできるようになれば万全だと思う」。松本トレーナーもまた、ソチ五輪を狙っている。「必ずメダルを取れると信じている。世界だけではなく日本の選手も強豪ぞろいなので厳しい戦いになると思うけれど、彼の持つ実力を出してもらえれば、チャンスは非常に高いと思う」と期待を寄せた。


(おわり)


 【プロフィル】松本整(まつもと・ひとし)1959年5月20日生まれ。京都市出身。日本競輪学校第45期卒、スポーツジム「クラブ・コング」代表、日本自転車競技連盟自転車日本代表監督