【モスクワ芳賀竜也】25日、当地で開幕し、男子予選を行った。昨年12月の全日本選手権(長野)を制した小塚崇彦(トヨタ自動車)が日本勢ではただ一人予選からの出場となり、他を圧する演技でトップの165・00点をマークし、27日のショートプログラム(SP)進出を決めた。


 世界選手権の予選は今大会から導入された。フリーのみで行われ、出場24人のうち上位12人がSPに進む。連覇を狙う高橋大輔(関大大学院)と織田信成(同)は予選免除でSPから出場する。


 安藤美姫(トヨタ自動車)浅田真央(中京大)村上佳菜子(愛知・中京大中京高)の日本女子3人はいずれも予選免除で、29日のSPから出場。25日は安藤が公式練習に参加し、浅田と村上はモスクワ入りした。


 今季の世界選手権は3月に予定された東京開催が東日本大震災の影響で中止になり、モスクワでの代替開催となった。

 ◇「あとは4回転の着地だけ」 格の違い見せつけ

 「格」の違いを見せつける滑りだった。今季の全日本王者でありながら、予選からの出場となった小塚。30点近い大差を付けての予選トップ通過にも、「(SPを前に)1回経験できたことはすごく大きい」と視線は次に向く。


 リストのピアノ協奏曲に乗せたフリーの演技は、冒頭わずかに乱れた。4回転トーループの着地で右手をつき、回転不足を取られた。


 だが、その後はほぼ完璧。他のジャンプはすべて成功し、三つのスピンはいずれも最高のレベル4評価。「あとは思い切って(4回転を)降りるだけ」。SP、フリーに向けて楽しみを取っておいたとすら感じさせる貫禄があった。


 全員予選免除の日本女子に対して、男子の免除枠は2人。前回の世界選手権の成績に基づいており、日本勢3人のうち現在世界ランキングが最も低い小塚に出場義務が生じた。


 だが、「予選とはいえ、試合の一部。ここでダラダラしたくなかった」と気を抜くことはなかった。


 東日本大震災の被害に胸を痛め、「自分には何ができるか考えていた」という22歳。「被害に遭った方に少しでも勇気を、という思いで滑れればいいな」。その機会は、あと2回もある。


http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20110426ddm035050044000c.html



小塚、トップ通過で本戦出場決定…世界フィギュア

 ◆フィギュアスケート 世界選手権第1日(25日、モスクワ・メガスポーツ) 男子予選に日本からただ1人出場した全日本選手権王者の小塚崇彦(22)=トヨタ自動車=が、24選手中のトップで27日のSPに進出した。冒頭の4回転ジャンプが回転不足となった以外はほぼ完璧な演技で165・00点をマーク。フリーのプログラムで争った予選は上位12人がSPに進出した。連覇を狙う高橋大輔(25)、織田信成(24)=ともに関大大学院=はSPから登場する。


 全日本王者の小塚が、今季のGPシリーズ2勝と予選の24選手ではトップの実力を見せつけた。「本戦と同じ気持ちでやった。緊張した部分もあったが、気持ち良く滑れた」。冒頭の4回転は回転が足りずに手もついたが、それ以外のジャンプはすべて成功した。予選からの出場は体力的に不利だが「1回滑った経験は大きい」と収穫を強調。1日の調整日を挟み、27日のSPに臨む。


http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/winter/news/20110426-OHT1T00022.htm




小塚、貫禄の予選トップ通過

 フィギュアスケート・世界選手権、第1日(25日、モスクワ)男子予選(24人)には全日本選手権王者・小塚崇彦(22)=トヨタ自動車=が出場し、余裕のトップ通過。上位12人がショートプログラム(SP、27日)に進んだ。

 男子予選に日本からただ1人出場した小塚は、今季グランプリ(GP)シリーズで2勝と予選24選手ではトップの実力者。レベルの違いをみせつけ、先陣を切った。「予選とはいえ、試合の一部。ピシっと気持ちを本戦に向けるように滑った」。


 冒頭の4回転ジャンプは回転が足りずに手もついたが、それ以外のジャンプはすべて成功。スピンでも得点を取りこぼさず、165・00点をマーク。予選からの出場は体力的に不利な面もあるが、大技の4回転を実戦で試すことができ、「いい感覚を持てた。1回滑った経験は大きい」と収穫もつかんだ。


http://www.sanspo.com/sports/news/110426/spm1104260502000-n1.htm




真央、被災地に届け3回転半!


フィギュアスケート・世界選手権、第1日(25日、モスクワ)2連覇を目指す世界女王、浅田真央(20)=中京大=が25日、成田空港から開催地モスクワへ入った。初出場となる16歳の超新星、村上佳菜子(愛知・中京大中京高)も同乗した。真央にとって今季を締めくくる大会はバンクーバー五輪女子金メダルのライバル、金妍児(キム・ヨナ、20)=韓国=との1年ぶりの再戦となる。男子予選(24人)には全日本選手権王者・小塚崇彦(22)=トヨタ自動車=が出場し、余裕のトップ通過。上位12人がショートプログラム(SP、27日)に進んだ。


地の利を忘れて、決意の旅立ち。モスクワへ出発する前の成田空港で、真央はこの日、「自分のやるべきことをしっかりやりたい。頑張ります」と表情を引き締めた。





 シーズンを締めくくる大会は当初3月に東京で開催される予定だったが、東日本大震災の影響で中止となり、代替開催の舞台が設定された。場所変更も調整期間にも対応が迫られたが、言い訳にはできない。代表選手は被災地への思いを胸に、喪章と「甦れ日本」と書かれたステッカーをウエアにつけてリンクに立つことになった。


 真央にとって、昨年3月の世界選手権で破って以来、ライバル金妍児との再戦が実現する。バンクーバー大会では五輪女王の座を奪われたが、守る立場の世界女王の座は譲れない。2人に熱い視線がそそがれるが、真央はライバル対決よりも、「日本に元気を与えられるようないい演技をしたい」と言い切る。29日のショートプログラム(SP)、30日のフリー両方の冒頭で、真央の代名詞「トリプルアクセル」(3回転半ジャンプ)の成功に集中するのだ。


 リンクの上で全力を尽くすことは当然のこと。代表チームとして、会場を訪れた観客に被災者へのメッセージを書いてもらい、日本に持ち帰る計画も浮上する。


 大会最終日の30日とエキシビションがある5月1日に、日本選手たちがファンに協力を呼び掛け、折り紙に激励の言葉を寄せてもらい、日本で千羽鶴にして被災地に届けるプラン。空路、モスクワ入りした真央は長旅の疲れも感じさせない笑顔を浮かべ、「自分のやるべきことをやってきた。順調です」。真央スマイルがリンクで弾けたとき、希望の光が被災地を照らす。


http://www.sanspo.com/sports/news/110426/spm1104260505002-n1.htm