http://www.asahi.com/sports/spo/TKY201104220182.html


フィギュアスケートの世界選手権が、25日からモスクワで行われる。東日本大震災の影響で会場が急きょ東京から変更され、約1カ月遅れで開催にこぎつけた。連覇に挑む女子の浅田真央(中京大)、男子の高橋大輔(関大大学院)ら好調の日本勢が、シーズン締めくくりの舞台に挑む。



■キム・ヨナ、1年ぶりの復活に注目


 浅田の2連覇に注目が集まるが、もう一つの目玉は五輪金メダリストの1年ぶりの復活だろう。昨季のバンクーバー五輪で、圧巻の演技を見せて金メダルを勝ち取った金妍児(キム・ヨナ)(韓国)が出場を表明している。

 もっとも、女子で歴代最高得点となる228.56点をマークして五輪の頂点に輝いた実績があるとはいえ、長期のブランクは気がかりだ。今季は試合にまったく出場しておらず、さらに2006年からカナダで指導を仰いできたブライアン・オーサー氏を離れ、米国に拠点を移した。新たなコーチは長野五輪銀メダリスト、ミシェル・クワンさんの義兄にあたるピーター・オプガード氏だ。


 演技構成の詳細は明かされていないが、ショートプログラム(SP)は韓国の伝統音楽「アリラン」、フリーはバレエ音楽「ジゼル」を演じる予定だといい、注目度は高い。


 2007年に世界選手権を制している安藤美姫(トヨタ自動車)も好調だ。今季の国際大会はグランプリ(GP)ファイナルで5位になった以外はすべて優勝。6季ぶりに全日本女王の称号も奪還した。世界選手権の前哨戦的な意味合いを持つ2月の四大陸選手権(台北)でも優勝しており、世界を見渡してみても、現在最も安定感あふれる女子選手といえる。



 初出場となる日本の16歳、村上佳菜子(愛知・中京大中京高)も表彰台を狙える実力はある。2月の冬季アジア大会を制したあと、名古屋のローカル大会にも出場して得意とする2連続3回転ジャンプの精度を上げてきている。初出場の重圧をはねのけられるか。



■全日本王者の小塚、表現力に磨き


 男子の日本勢は、前回チャンピオンの高橋、全日本王者の小塚崇彦(トヨタ自動車)、今季GPファイナル2位の織田信成(関大)の3人。いずれも表彰台圏内の実力者がそろった。


 とくに2連覇がかかる高橋には注目が集まる。GPファイナル4位、全日本選手権3位と低調だったシーズン前半。要因はジャンプの精度にあった。


 しかし、四大陸選手権で優勝を飾るなど、ベテランらしくシーズン後半に入って尻上がりに状態が良くなっている。東日本大震災のため大会が延期になったことで、調子を上げるのに十分な時間があったことも追い風になる。


 その高橋は、バンクーバー五輪の後に有力選手の引退が相次いだこともあり、世界で最もネームバリューのある選手になったと言っても過言ではない。対抗できるとすれば、GPファイナルで優勝を飾ったパトリック・チャン(カナダ)、新星のフローラン・アモディオ(フランス)あたりになるだろう。


 さらに、「大穴」は全日本初優勝を飾った小塚とみる。もともと高橋に勝るとも劣らないスケーティング技術を持つ22歳は、昨季あたりから苦手としていた表現面でのスケールアップが顕著だ。


 本戦に出場できる人数を減らすため、今大会から予選が復活した。小塚は日本の男女シングル勢で唯一、その予選からの登場となるが、予選メンバーの顔ぶれをみれば実力は飛び抜けた存在だ。ちょうどよい足慣らしになるかもしれない。


■2011年世界フィギュアスケート選手権


 当初は東京・代々木競技場で、3月21~27日に行われる予定だった。3月11日の東日本大震災の発生により、日本への渡航延期勧告を出した国があったことなどから国際スケート連盟(ISU)が中止を決断。日本側は、新シーズンの幕開けとなる今年10月への順延を求めたが、認められなかった。代替開催にはロシア、カナダ、米国、フィンランド、クロアチア、オーストリアの6カ国が名乗りを上げた。ロシアが選ばれ、モスクワでの開催が決まった。


■世界フィギュアの日程


25日 男子予選

26日 アイスダンス予選/女子予選

27日 男子SP/ペアSP

28日 男子フリー/ペアフリー

29日 女子SP/アイスダンスSD

30日 女子フリー/アイスダンスフリー

1日  エキシビション



写真4写真6


写真8写真1


写真5写真3



写真1写真4


写真4写真2


写真2写真5



写真7写真5



楽しみですo(^▽^)o