国際スケート連盟(ISU)は14日、東日本大震災の影響で、フィギュアスケート世界選手権(東京・国立代々木競技場)を予定していた21日から27日の日程で実施することを見送る、と発表した。代替日程で行うか、中止するかは検討中としている。
 ISUは地震発生後、予定通り開催すると発表したが、被災状況が拡大したことから観客や選手らの安全面を危惧。東京電力福島第1原発の事故もあり、選手派遣を自粛する国が出ていたことなども総合的に考慮した。
 ISU関係者は14日、延期の場合4月の可能性が高いが、日本での開催が困難と判断されても代替国での開催はせず、そのまま中止とする意向を示した。現時点でISUは代替日程、会場の確保について指示していないが、日本スケート連盟の鈴木恵一副会長は「そう簡単に見つかるものではない」と中止の可能性を示唆した。
 4月14日からフィギュアスケート国別対抗戦(横浜アリーナ)も予定されているが、同様に状況の推移を見守った上で開催の可否が判断される。
 世界フィギュアは、1961年プラハ大会に向かう米国チームが航空機事故で全員死亡し、中止されたことがある。4年ぶり東京開催となる今回は、ともに連覇が懸かる男子の高橋大輔(関大大学院)、女子の浅田真央(中京大)ら日本勢の活躍が期待されている。 

[時事通信社]


世界フィギュア・談話


◇中止は仕方ない
 鈴木恵一日本スケート連盟副会長 (21日開催の)中止については仕方ないと思う。今後の開催については、国際スケート連盟の返答を待つしかない。(国内での代替地は)そう簡単に見つかるものではないし、今の段階で口にすることはできない。(時期を改めて開催が決まったら)一生懸命やりたい。


◇希望を捨てずに
 伊東秀仁日本スケート連盟フィギュア委員長 選手もある程度(延期の可能性があると)分かっていたと思うが、百パーセント日本開催がなくなったわけではない。まだ希望を捨てずに、ここで練習がおろそかにならないように伝える。

[時事通信社]



入場券、払い戻しへ=世界フィギュア


 世界選手権の会場となる予定だった東京・国立代々木競技場では、この日からスケートリンクを作るための機材の搬入が始まっていた。
 既に5万5000枚のチケットが売れていたが、日本スケート連盟の伊藤秀仁フィギュア部長は「一度全ての払い戻しに応じる」と説明。払い戻し希望者は購入場所に出向くのが原則だが、コンビニは被災後閉店したところも多いため、払い戻し方法を早急に検討するという。

[時事通信社]


代替開催に厳しい見方 完売チケットは払い戻しへ

 日本スケート連盟の鈴木恵一副会長はフィギュアスケート世界選手権の21日開幕断念を受けて東京都内で14日、記者会見して「ほかの国で代替開催するという話は聞いていない」と語った。国内の別会場で開催する可能性についても「会場はそう簡単に見つかるものではない」と、厳しい見方を示した。
 最高で2万5千円もするチケットの払い戻しは、詳細が決まり次第発表するという。大会事務局関係者によると、ショートプログラムで大会が本格化するはずだった23日からエキシビションを実施予定だった27日までのチケットはすでに完売。予選を含めると延べ約5万5千席の売り上げは数億円に上っていた。

[ 共同通信 ]

フィギュア中止…高橋大輔「心からお見舞い」

 フィギュアスケートの東京・世界選手権の3月開催中止を受けて、連覇の懸かる男子のエース・高橋大輔(関大大学院)は14日、同大学のホームページで心境を綴った。東日本大震災の被災者を「悲しくも犠牲となった方々への哀悼の意を表し、被災者の方々へは心からのお見舞いを申し上げます」と気遣った上で、「(代替開催を)国際スケート連盟並びに日本スケート連盟を含めた関係者の皆様が検討して下さっています。僕に、今出来ることは、練習を続け、状況をみるということです」とした。