国際スケート連盟(ISU)は13日、東日本大震災の影響で、東京で21日に開幕するフィギュアスケート世界選手権を予定通り開催するか中止するかの検討していると発表した。現在、日本の関係当局からの報告を待っているとし、さらなる声明を遅くとも欧州時間14日午前(日本時間同午後)にも発表するとしている。
 ISUは11日の地震発生後、会場の東京・国立代々木競技場に問題ないとの日本スケート連盟の報告を受け、予定通り実施すると発表。しかし、新たな声明では12日以降状況が進行し、とりわけ福島の原発は非常に心配であり、また日本の情勢が落ち着くまで渡航を避けるべきだとの注意が多くの国から上がっているとしている。(時事)

[時事通信社]

広がる原発不安…世界フィギュア中止も

スポニチアネックス

 21日に東京・国立代々木競技場で開幕予定のフィギュアスケートの世界選手権の開催が流動的となった。国際スケート連盟(ISU)のオッタビオ・チンクアンタ会長は12日、ドイツのインツェルで記者会見し、同大会の開催に懸念を示した。日本スケート連盟などと協議の上、数日中に結論を出す方針だ。

 ISUは大地震が起きた11日には世界選手権を予定通り開催すると発表。日本スケート連盟からは会場となる東京・国立代々木競技場は世界選手権開催に支障がないと連絡を受けていた。

 しかし、12日になって事態は急変。福島第1原発1号機で爆発事故が起こり、衝撃的な映像は海外メディアでも大きく報じられた。事態を重く見たISUのチンクアンタ会長は「まだ開催できるとは言えない」と慎重な姿勢に変わった。さらに「全ての面で安全が確認できなければ開催は決められない。日本の関係当局による保証が最も重要になる」と話した。13日には福島第1原発3号機にも新たに問題が発生。日本スケート連盟の幹部は「どういう影響があるのか、はっきりしない」と頭を悩ませている。

 会場のリンクは仮設で、今週から製氷作業が始まる予定だが、電力不足の中で本当に作業ができるかは疑問だ。公式練習は20日から始まり、女子のキム・ヨナ(韓国)ら海外の選手は今週末に続々と来日する予定。同幹部は「中止にはいつでもできる。最終結論を出すにはもう少し時間が必要」と話し、数日中に日本側の意思を決め、ISUと話し合う方針だ。

 昨年の世界選手権では男子の高橋大輔(関大大学院)と女子の浅田真央(中京大)がともに優勝し、今大会は日本勢初の2連覇が懸かる。同幹部は「個人的には開催していただきたい。スケート界として義援金を集めたい」と話したが、場合によっては中止となる可能性も出てきた。