安藤美姫ちゃん


「ちょっと4年前(トリノオリンピック)の印象がこの会場には強くて……。ここに来るまで、精神的面をちょっと心配していました。練習で滑り始めちゃえば大丈夫なんですが、バスでこの会場に来るまでが緊張しますね。氷もちょっと軟らかいような気がするし……でも、大丈夫です(ちょっと笑って見せる)。4年前に比べたら、スケートはだいぶ上手になったと思うんです。あとはメンタル面で……まだちょっと緊張しちゃいます。でもトリノオリンピックのころのスタッフの方も自分のことを覚えていてくださったりしていて。今回は世界中の人々に『成長したな』と思われるように! がんばりたいと思います」


(ミラノでの練習について)
「1週間くらいいましたが、1日にショートとフリーを必ず通して練習ししてきました。オリンピックでは大きなミスはなかったけれど小さなミスをしてしまって、スピード感もなかった。だからオリンピックの時よりも、特にフリーはスピードをもっと出せるように、曲かけは毎日してきました。ジャンプもすべて、曲に合わせて跳べるよう、自信を持てるように練習してきたつもりです。オリンピックよりもいい演技ができたら!」


(衣装について)
「さすがにもう、新しいものはないです(笑)。ショートは2着、フリーは4着持ってきました。このなかからこれから選んで決めようと思います」


 公式練習では、大きな動きをのびのびときれいに披露。ストレートラインステップなどの動きも良く、「これが本番で見せられれば!」と思わせるいいステップだ。
 ルッツ-ループの3回転3回転の練習にも意欲的で、いつもと違うのはただジャンプを跳ぶだけの練習ではなく、前後の振りもしっかりつけながら跳んでいること。
 またジャンプだけでなく、スパイラルシークエンスなどもしっかり確認。プログラムすべてを丁寧に滑りたいという気持ちが伝わってくる。
 公式練習、日本女子勢は振付けまでしっかり練習してくれるので、見ていて楽しい時間。さすが、オリンピック全員入賞チームだな、と思う。


 ところでコンパルソリーダンスのリード組、ショートプログラムでの織田選手と、モロゾフチームはちょっと調子が悪そう。ニコライ・モロゾフも体調が悪いらしく、安藤選手の状態も少し心配だ。しかし会場周辺で顔を合わせれば、ちょっと幼いようなかわいい笑顔を見せてくれて、この表情をぜひ氷の上でも見たい! と思ってしまう。


鈴木明子ちゃん


「練習を何回か重ねて、ようやく身体が思うように動けて、いい感じに滑れるようになってきました。この会場はいい印象が残っていますし(07年、ユニバーシアードで優勝)、あの優勝で私の周りでいろいろなことが変わって、今の私がいるんだな、と思うんです。ターニングポイントとなった試合会場にこうしてまた戻ってこられたこと、きっと意味があると思います」


(出場が急に決まったことに関して)
「確かにオリンピックが終わった後は忙しく、バタバタとしてしまいました。調子も一度、グッと落としてしまって……ジャンプも狂ってしまったし、そこからまた持ち上げてくるのは、難しかったですね。もう練習するしかなかったので、休みも取らずフラフラになってしまいました(笑)。ちょっとオンとオフのバランスは取れていないかな。でもトリノに入ってからは練習時間が少ないので、しっかり睡眠も取れていますし、身体もいい状態になってきました。でも短い練習時間、集中してやらないと!」


(シーズン最後まで試合があることについて)
「こんなに長いシーズンって、今までになかったですね。いつも2月くらいで終わってしまいますから。モチベーションの維持もコンディションの維持も難しい……。やはりトップ選手はこういうハードさをこなしているんだな、と思いました。でも世界選手権は、目指していた場所。出場することができてうれしいですし、オリンピックを先に経験したことで、自分の気持ちにも少しゆとりを持てたかな、と思います。でも試合が近づくにつれて、また緊張するのかな(笑)。
 とにかくシーズン最後の試合。プログラムもショートとフリー、きっと最後になります。いいプログラムだったな、と思えるように滑りたいですね」


 練習が始まるなりリンクに飛びだし、気持ちよさげにかっとばして滑っていた鈴木明子選手。ステップでは良く身体が動き、強弱の付け方も大きく、動きのひとつひとつをさらに自分のものにしてきた、このステップを「とらえた」様子だ。滑りも軽ければ、動きもナチュラルでとても軽く見えた。


浅田真央ちゃん


「滑走順はオリンピックと一緒! 良かったと思います。
 今日(25日)は朝、初めてリンクを見てきました。一度来ている場所なので、『あっ、こんな感じだったなあ』と思いながら。ショートプログラムをここで滑ることを、イメージしてきました。
 世界選手権、いつもの試合と変わらない感じですね。
 調子は悪くないなって、昨日の練習で安心しました。今日はこのあと練習があるので、もう一度確認して、明日に備えたいと思います。しっかり練習していい緊張感で明日にのぞめればいいな、って。
 目標は、オリンピックでの目標だったショートとフリーでの両方パーフェクト。今シーズンはまだできていないことなので、これをしっかりできるようにしたいです」


 いつも通りの直前の現地入りということで、ちょっとお疲れめではあった真央選手。でも「今シーズンの大一番!」と気合いの入りすぎるいつもの世界選手権とは違い、いい感じで気が抜けている感じで、これまでのどの試合よりも見ていて安心できる表情をしていた。
 この日の午後、リンク近くの巨大食品スーパーにて生ハム&チーズを堪能していたところ、牧野トレーナーと真央選手に遭遇。「何食べてるんですか? 何食べてるんですか?」と食いしん坊真央ちゃんは興味津津。「でも真央、ご飯食べちゃったからなあ」と言いつつ、しっかりジェラートは堪能していました。ちなみにフレーバーは「コーヒー&クリーム」。(私たちは大人の味の「ピスタチオ」や「ザバイオーネ」をすすめたのに!)ちなみに2シーズン前、トリノグランプリファイナルでのフレーバーとおんなじでした。