バンクーバー冬季オリンピック

フィギュアスケート男子フリーの演技をするエバン・ライサチェク(米国)。合計257.67点で逆転優勝した(18日、バンクーバー)【AFP=時事】


バンクーバー冬季オリンピック

フィギュアスケート男子フリーで演技する銀メダルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)。五輪連覇を狙ったプルシェンコは2位だった(18日、バンクーバー)【時事通信社】


バンクーバー冬季オリンピック

フィギュアスケート男子フリーの演技をするステファン・ランビエル(スイス)(18日、バンクーバー)【AFP=時事】


五輪・5位のチャン

フィギュアスケート男子フリーの演技をするパトリック・チャン


五輪・6位のウィア

フィギュアスケート男子フリーの演技をするジョニー・ウィア



ジュベールは16位「ひどい演技をしてしまった」=フィギュア男子海外選手コメント

バンクーバー冬季五輪のフィギュアスケート男子シングル・フリースケーティング(FS)が18日(現地時間)、当地のパシフィック・コロシアムで行われた。ショートプログラム(SP)を終え上位3選手が90点台、続く4選手が80点台を出すハイレベルな戦いの中迎えたFSは、SP5位のステファン・ランビエール(スイス)が3位となるも総合4位で表彰台を逃した。地元カナダのパトリック・チャンはSP7位だったが、好演技でFS4位、総合5位と健闘した。SP6位のジョニー・ウィアー(米国)は、総合6位と順位をキープ。SP15位のジェレミー・アボット(米国)はFSで巻き返し総合9位と順位を上げた。SP18位発進と大きく出遅れたブライアン・ジュベール(フランス)、19位のトマシュ・ベルネル(チェコ)はFSでもミスが相次ぎ、結果を残せずに五輪を終えた。

 以下、競技を終えた海外選手のコメント。


■総合16位/ジュベール「ひどい演技をしてしまった」
――今日の演技について

 良くなかった。早くリンクから出て、競技が終わって欲しいと感じていた。3年前(世界選手権と欧州選手権で優勝した2007年)とは違う自分がいた。オリンピックという舞台でひどい演技をしてしまうのは本当につらい事だ。

――失敗したSPについて

 (SPを終えた)翌日の気分は最悪だった。朝に泣いてしまうほどだった。

■総合4位/ランビエール「力の配分をするべきだった」
――FSを振り返って

 ジャンプのためにもう少し力の配分をするべきだった。力強いスケートができた事をうれしく思っているけれど、プログラムを通してエネルギーを維持できなかったのが残念だった。

■総合5位/チャン「観客の応援でジャンプに向かえた」
――FSを終えがっかりしている様子を見せているが

 オリンピックは「完ぺきにしなくては」、という気持ちで臨むものだから。

――演技中に考えていたことは

 (後半の)トリプルアクセルを失敗したとき、観客が応援して励ましてくれた。それで次のジャンプに向かっていくことができた。

■総合6位/ウィアー「気持ちが高まりすぎた」
――演技前のストレスについて

 ウオームアップの前から泣いてしまっていた。気持ちが高まりすぎて、とてもナーバスになっていたんだ。演技は今まででベストのものではなかったけれど満足している。

――ファンへの演技

 この大会に米国3番手の選手として来たけれど、演技を終えた今の自分を誇りに思う。ファンや多くの人に向けて何かファンタスティックな事をしたかった。自分のできる限りベストのことで、それを見せることができたと思う。

■総合9位/アボット「これも経験だと思う」
――今日の演技について

 演技にはがっかりしているけど、FSで(取り直して)戦えたのは良かった。これも経験だと思う。残念なオリンピックになってしまったけど、キャリアが終わったわけじゃない。

――失敗したSPから立て直したが

 本当にショックを受けていたので、それを1日で乗り越えるのは難しかった。何も失うものはないと思う一方で、SPのときとは違うスケーターだと証明したいという気持ちもあった。プログラムの初めで硬くなっていたので「まだオリンピックは終わっていないぞ、最後まで戦え」と自分に言い聞かせていた。

■総合17位/ベルネル「自分の演技ができなくて残念」
――今日の演技について

 トリノ五輪が終わってから4年間、ずっと夢見てきた舞台で自分の演技ができなくて残念だった。

――第1滑走だったが

 (FSでは)最終グループ、悪くてもその前のグループにいたかった。でもSPがひどく第1グループになり、しかも第1滑走になってしまった。

――2度目の五輪はどうだったか

 初めての五輪では見るものすべてに感動していて“不思議の国のアリス”の気分だった。今回は何をするべきかに集中できていた。この後はいろいろな競技を見て、オリンピックを楽しみたいと思う。

高橋大輔「メダル獲得は誇り」=フィギュア男子メダリストコメント

フィギュアスケート男子表彰式の表彰台で笑顔を見せる(左から)銀メダルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、金メダルのエバン・ライサチェク(米国)、銅メダルの高橋大輔(18日、バンクーバー)時事通信社
フィギュアスケート男子表彰式の表彰台で笑顔を見せる(左から)銀メダルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、金メダルのエバン・ライサチェク(米国)、銅メダルの高橋大輔(18日、バンクーバー) 【時事通信社】

バンクーバー五輪のフィギュアスケート男子シングルのフリースケーティング(FS)が18日(現地時間)、当地のパシフィック・コロシアムで行われ、ショートプログラム(SP)3位の高橋大輔(関大大学院)は156.98点を挙げ、総合247.23点で3位となり、日本男子フィギュア史上初のメダルとなる銅メダルを獲得した。完ぺきな演技を見せたエバン・ライザチェク(米国)が167.37点をマークし、総合257.67点でSP2位から逆転優勝。SP首位のエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)はFSで165.51点、総合256.36点で2位となった。
 以下はメダリストのコメント。


■ライザチェク「最初から最後まですべてが良かった」
フィギュアスケート男子フリーの演技をするエバン・ライサチェク(米国)。合計257.67点で逆転優勝した(18日、バンクーバー)AFP=時事

フィギュアスケート男子フリーの演技をするエバン・ライサチェク(米国)。合計257.67点で逆転優勝した(18日、バンクーバー) 【AFP=時事】


――金メダルを獲得して

 優勝すると思っていなかったのでコメントを準備していなかった。今は本当にうれしくて仕方がない。きょうはナーバスだったが、コーチが今までの練習を思い出し、自信を持って滑れと言ってくれた。

――結果を待つ間は

 (最終グループの)最初に滑るとその後が長い。モニターでダイスケやプルシェンコ、ジョニー(・ウィアー)の素晴らしい演技を一人の観客として見ていた。

――一緒に戦った選手について

 プルシェンコは素晴らしかった。昔からずっと感嘆し尊敬している選手だ。

――きょうのスケートについて

 おそらく今まででベストのスケートをしたと思う。プログラムのどこか一箇所が良かったのではなく、最初から最後まですべてが良かった。

――五輪で優勝した事はどういう意味を持つか

 表彰台に上がって国旗が揚がるのを見たとき、今までの事が走馬灯のように駆け巡った。ハードな練習の事だけでなく、家族や友達やコーチ、犠牲にしてきた事も頭に浮かんだ。これ(金メダル)は夢がかなうという証拠だ。シーズン当初は考えもつかなかった。本当に夢が現実になったんだ。


■プルシェンコ「2つ目の4回転は一度も考えなかった」

フィギュアスケート男子フリーで演技する銀メダルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)。五輪連覇を狙ったプルシェンコは2位だった(18日、バンクーバー)時事通信社

フィギュアスケート男子フリーで演技する銀メダルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)。五輪連覇を狙ったプルシェンコは2位だった(18日、バンクーバー) 【時事通信社】


――演技後にメダルを取れると思ったか

 勝てると思った。でもエバン(・ライザチェク)は(五輪の金メダルが)僕より必要だと思う。僕はすでに1つ持っているから。(五輪での)2つの銀メダルと1つの金メダルは悪くないはずだ。

――最終滑走の難しさ

 いつでも最後に滑るのは難しい。力の限りを尽くさないといけないと分かっていた。きょうの滑りは悪くなかった。

――2つ目の4回転ジャンプを入れるべきだったか

 4回転ジャンプに関して言えば、2つ目を入れることは一度も考えなかった。

――ライザチェクに技術点で負けたことに関して

 僕は止まることなく、常に前に進まなくてはいけない立場の人間だ。そのためには、もう一つの4回転ジャンプを習得することも視野に入れている。

■高橋「メダルを獲得できたことを誇りに思います」
フィギュアスケート男子フリーで演技する高橋大輔。銅メダルを獲得した(18日、バンクーバー)時事通信社

フィギュアスケート男子フリーで演技する高橋大輔。銅メダルを獲得した(18日、バンクーバー) 【時事通信社】


 4回転は失敗したし、ほかのジャンプで取りこぼしもあったんですけど、昨年けがをしてそれからここまでたどり着けたこと、日本人男子選手初のメダルを獲得できたことを誇りに思います。きょうは本当に楽しく滑れました。

――4回転ジャンプを跳び、失敗したが

 もともと4回転を跳ぶつもりでこの大会に臨みましたし、自分の理想とするものが4回転を入れたものでした。自分の理想を求めてやっているので、失敗したことを後悔していないですし、この場で4回転に挑戦できたことは今後に向けていい経験になったと思います。

――4回転ジャンプを失敗したとき、どんな事を思ったか

 練習で失敗したときにどうリカバリーするかも練習していたので、4回転ジャンプを失敗した事は忘れて、その後の演技の事を考えていました


五輪・プルシェンコと握手する高橋
表彰式でエフゲニー・プルシェンコ(右、ロシア)と握手する高橋大輔(18日、バンクーバー)(時事通信社)