冷たそうなステンレスの台に
ブルーのビニールシートに包まれ
薄い白い掛け布団。
私の息子は
19年間の短すぎる人生の幕を
自ら下ろして
今 目の前に横たわっている。
息子の髪を撫でながら号泣しすぎて
呼吸困難になっている私をパパがそっと
抱き寄せる。
パパの腕の中でも呼吸が整ってこない。
SがHさんに
「・・・一度離れて落ち着かせないと」
と声をかけ
「はい、わかりました。・・・葬儀社さんが来るまでいらっしゃいますか?」
と聞かれた。
もちろん、それまでいます。
と答えて受付のある署内へ戻った。
その後もSは葬儀社さんに
何時頃に警察署へ到着できるのか
息子の関与していた派遣会社へ
部屋の方で落ち合うのか、事務所へ行くのか等
段取りをしてくれていた。
この後
葬儀社さんのお迎えが済んだら
息子が暮らしていた部屋へ
Hさんと向かう事になっている。
本人のスマホはロックされていて
中が一切確認できていない事もあり
引き続き片付けがてら遺書らしきものがないか
探すという。