なんだこのチラシ 回転寿し?なにそれ
おい天使!天使!
天使「呼んだ?はにっこん。
はにっこん「おう天使。なんだこの回転寿しって
天使「お寿司がレーンに乗って、同じ所を回ってるんだよ。
はにっこん「あ?なんで寿司を回す必要があんだよ。
天使「いちいち注文しなくていいからだよ。お客さんは、好きなお寿司を選んで取るんだよ。
はにっこん「楽してぇってことか?
天使「そうとも言えるけど、効率と客の回転には、その方がいいんだよ。
はにっこん「なんでもかんでも楽してぇ楽してぇって、けしからんぜよ!少しは額に汗して、手に土付けて、ったくいっぺん文句いってくるか
タンタララン タンタララン タンタラタンタンタン
はにっこん「あーーー ホントに寿司がレーンに乗って、グルグル巡回してるわ おんなじ所を周回ラップタイムヨロシク寿司だけ動くって寸法さね こりゃよう考えたもんだ
なんて感心してる場合じゃない
ちょっとお兄さん!楽しすぎじゃない?文明の叡智にあれじゃないの?知己の智顗であれじゃないの?
お兄さん「ははは、お客さん。確かに我々は電力という恩恵を受けて、レーンを回しています。それによる効率を求めて、結果として楽をしていると取られても、致し方ないでしょう。
ですがね、お客さん。我々は何も握った米の上に魚の切身を乗せた、日本が誇る食べ物を回してるだけじゃないんですよ。
はにっこん「なんだと?それはどういう事だ?
お兄さん「たくさんのお客さんに寿司を食べてもらうことは、それだけの魚を消費してると言うことです。たくさんの命を頂いているんですよ。そして、その命はお客さんの命に受け継がれます。では、死んだ魚はどうなるのか?私はね、例えば花になると思うんです。花に生まれ変わるんですよ。今世で殺された魚は、来世では殺傷されない花になって世界を彩り、人々の空腹ではなく、心を満たすんです。そう、輪廻転生です。我々はレーンだけではなく、命の輪廻を回しているんですよ。
はにっこん「そうか。難しいことはわかんねぇが、魚も立派な寿司にしてもらって本望だろうよ。寿司には醤油を、花には水を、か。よし!帰るか!
天使「おかえり、はにっこん。早かったね。あれ?めずらしいね。はにっこんが花を買ってくるなんて。
忍道は匠の方でございます