脳科学においては基本的に人の活動は全て脳がコントロールしているということになっていると思いますし、意識も脳が作り出しているということについては、だいたい素直に受け入れられると思います。

 

ただし、意識と言っても、ただ覚醒して、考えたり、活動するという意味ではなく、他の誰でもない<この私>という認識がどうして生まれてくるのかということはだと思います。

 

普通、自分とか自己のとかいうと、

僕は○○と言います。とか、

僕は男です。とか、

何年にどこどこで生まれました。とか、自分固有の自分にまつわる情報全般ということを意味すると思いますが、<この私>とは、

 

今まさにこのブログを書いていることを実感している、この僕の意識(認識)のことです。上の自分にまつわる情報全般を全て削ぎ落として、なおそこに存在する自分はここにいて、実感しているという感覚というか、視点の始まりというか、その意識です。起きて、活動しているという意識ではなく、ここにいるのが他の誰でもない<この私>であるという意識です。

 

<この私>はこの自分の身体とも密接に関係していますが、今存在する<この私>はこの体に宿ってこそ、<この私>であるのです。このことは、当然他の全ての人においても、同様の感覚があって、同様に<この私>ということを感じていると想像できます。その上で、このブログを書いている僕の<この私>という意識は、僕唯一のもので、他の誰にも全くそのものを伝えることも、理解させることも、実感させることもできません。

 

話が回りくどくて、だんだん意味不明になっているかもしれませんが、脳がこの唯一無二の<この私>という認識をどのように作り出しているのかがとても興味深いです。

 

そして、<この私>の意識が唯一無二で、他の誰とも共有できないものであるなら、自分が見て、感じているこの現実の世界も、正確には<この私>のみが経験している唯一無二の世界ということになります。

 

どこまでが事実でどこまでが幻想(思い込み)なのか、そんな風に考え始めると、とても不思議な気持ちになります