「ある」ものは分かりやすいですが、「ない」ものは分かりにくいです。目に見えるものと目に見えないものも同様です。

「無」という概念を理解している生物はおそらく人間だけだと思います。そして、無いことを証明することは基本的に出来ません。「今のところ見つかっていない、存在が確認出来ない・・」ということは言えるかもしれませんが、無いことを証明することは難しいと思います。ですが、人間はあるかどうか分からないもの、目に見えないものについても考えるたり、想像したりする能力があります。

 

 

いつもは自分から見える世界の中で暮らしています。自分の身体についても、全体としては概ね見えていて、触ることもできて、しっかりと実感出来ます。ですが、細胞や分子のレベルではどうでしょうか?毎日食べ物を取り込んで分解し、新しい細胞に入れ替わっています。普段は見えない世界での出来事ですが、確かに行われている生命活動があります。

 

視点を変えて、宇宙の果てはどうなっているのでしょうか?現代の最先端の物理学を知れば、ある程度の推測をすることは出来る(1つはかなりのスピードで広がっている)と思いますが、実際のところは観測出来ないので分かりません。

 

さらに、素粒子の世界では量子力学という分野がありますが、物質の最小単位である素粒子のレベルでは、まだその実態がよく分かっておらず、例えば「素粒子は観測者が見ていないときは波であり、観測した時には粒になる」とか、天才アインシュタインでも理解できなかった(受け入れられなかったというか)というくらいですから、まさに不思議な世界があります。

 

 

あるものは分かりやすいですが、無いものは分かりにくいです。同様に、目に見えるものは実感しやすいですが、目に見えないものは実感しづらいです。ですから、時折意識的に考えてみる必要があると思います。