生物の長い時間をかけて進化してきました。進化で重要なことは、特殊な能力があるとか、飛び抜けて能力が高いとかということではなく、柔軟に変化してくということです。

 

生物が生き残っていく中で重要だと考えられている事は2つあります。まずはじめは、「可塑性」です。可塑性とはある時点からどれだけ変化しうるかということ、つまり遺伝子で決定されているもともとの状態からどれだけ乖離できるかという自由度を意味しています。例えば、人は遺伝的要素として生まれながらに個性を持っています。でも生まれた後の成長過程で学習したり、訓練したりすることで能力を高めることが出来ます。ですから、遺伝的に劣っていても、可塑性によってそれを補う事ができるという訳です。(特に人のような霊長類は可塑性が高い生物とされているそうです。)

 

そして、自然淘汰の中で、可塑性の高い生物が生き残っていったとすると、次の段階は、重要だと考えられている事の2つ目「多様性」です。多様性とは文字通り様々な種類があることです。可塑性によって努力や訓練で高い能力を獲得できる遺伝子を持ったものだけが生き残ってくると、だんだんと均一化された遺伝子集団になってしまいます。均一化した種は可塑性としても競争力(価値)を失って、いづれ滅んでいってしまうそうなのです。ですから、様々な方向性に伸びていく多様性が進化の過程ではとても重要になってくるという訳です。

 

 

もうすぐ元号が「令和」となり、新しい時代を迎えます。これからの時代を生きる僕たちと、生物の進化とはスケール感がかなり違いますが、それでも進化の過程で重要とされる「可塑性」と「多様性」が今の僕にとっても重要なキーワードとなるように思います。