以下概要(私目線)
舞台は人類が滅びた後の地球と月。
人間は肉体と骨と精神に分離してそれぞれ海中、地上、月で違う形状でそこに在る。
地上の有機物を食い尽くし退化を選択して生き延びた肉体(軟体動物門腹側網様、巻貝に近いものが多い)、インクルージョンと呼ばれる微小生物により思考と活動を獲得した骨(鉱物、宝石)、隕石の衝突で一度に多数の人類が消滅したために供養されず祈りを待つ魂(月人)が、戦い、協力し、裏切り、憎悪を知る過程を経てお互いの幸せな終結を目指すお話。
(コミックDAYSで107話までは28日まで無料配信。最終話だけ有料。)。
先々週、平等院の雲中供養菩薩を解説付きで観て「ノリ軽めの菩薩像もあるんだね」と娘と話していたところだったので、本作の世界観がすっと入ってきました。(えまって、8時半入りして気合い入れて拝観したのに会話の中身がうっす。びっくりしたわ)
ちなみに本作のモチーフは奈良県の指定文化財「阿弥陀聖衆來迎図」。
仏教の108の煩悩になぞらえて108話完結なんですって。12年かけて108話。作者さんの緻密なプロット作成が感じられますよね。
本作、職場の非オタちゃんもチャレンジ中なのですが、宝石たちの見分けがつきにくくて序盤が苦しいを言っていたので、ご興味のある方にちょっとだけアドバイス(偉そう)。
作者があえて主人公たちを宝石群として均一に描いていると捉えてOK、序盤は世界観をさらいながらガンガン読み進めましょう。途中で宝石たちが似たような背格好・顔かたちに描かれている理由も回収されますので安心してかっ飛ばしてくださいな。
それでも登場人物をある程度序盤で把握したい方はdアニメで12話観てからの方が分かりやすいです。
話題作なので多くのレビューがあるのですが、個人的には主人公の個性(キャラクター)がものすごく際立っているなと。
いわゆる魅力的なアホ(褒め)。
私は作中の主人公に感情移入したり、特別好きないわゆる推しってこれまで存在しなかったのですが、この子のおかげで作中のちょっとダークな部分も全て笑いになるし、おかげで終盤の仏教哲学も素直に聞けるから推せる。
捉え方によっては「かわいそう」という方もいるのですが、今朝、娘に感想を聞かれた私は「ハッピーエンド」と答えました。
非常に清々しい読了感とともに寝不足。
それにしても葬送のフリーレンやホリミヤも職場の若い子に教わったのがきっかけだったりして、なんだかんだで娘と職場のアニオタ情報が双方の話題作りに役に立ってます。
それと、最近のオタクちゃんの「私なんて全然オタクなんて言えないです!おこがましいです!」的な謙虚のベクトルが私世代と真逆なのが毎回ツボる。
コナンも娘が行きたがっているので行かないとなぁ。
コナンはミリしらなんだが…大丈夫かな。