ビッグウェーブ

「明日の波はいいらしい、AM3:00に家に来い。」先輩が言った。

翌朝、天気予報は快晴。県営駐車場に着くと区画の大半は埋まっていた。水平線がうっすらと明るくなってきたのを合図にサーファー達が一斉に動き出す。4ツ目のゴルフGTIからボードを下ろして自分も波に向かった。サーフィンなんて・・・と最初は思っていたけれど、1時間もやってると全身疲労に襲われてヘッピリ腰になってくる。他の人とぶつからないように気を付けながら何回も板ごと海に放り出された。駐車場の水道で体を洗って着替えを済まし、合鍵で車に乗る。エアコンは全開、しばしイビキを掻くことにした。「おい、起きろ!帰るぞ。」時刻はAM7:30を少し過ぎていた。

今では先輩とも疎遠になり、ボードは実家のベランダで朽ちている。やり場の無い若さの矛先を探していた頃の出来事、お金は無かったけれど充実してたなぁ。今でもサーファーを見ると心が躍るとともに先輩を思い出す。今年は暑中見舞いハガキでも出してみようかねぇ。