【演劇まとめ②】

前回までのあらすじ

僕の名前は鬼龍院翔
地声がデスボイスなので入学初日に担任(樽美酒)と同級生(歌広場)に笑われてる所を喜矢武君に助けられて以来、3年間片思いしてる
この関係を打破する為に地声で告白してみた
全部聞き間違いられて人として軽蔑されてしまった

ショックで寝込んだ鬼龍院が出した答えとは…

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 ​───────ショックのあまり一週間寝込んだ末に僕は決意した

そもそもみたいな僕みたいな人間が喜矢武君みたいな人気者に話しかけてもらっていたこと自体がおかしくて、 僕みたいなモンスターがまともに高校へ通おうと思っていたこと自体が違いだったのだ。 そんな簡単であたり前な事実に気づいた僕は学校をやめる決意を固めて、先生に報告しに行った

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教室のドアを開こうとすると、中から話し声が聞こえ、そっと気配を消す鬼龍院

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(あれ?中にいるのは…先生と歌広場君?…なんか重い雰囲気だな…)


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先生!先生の事がやっぱり好きです!付き合ってください!


歌広場…お前そんなに俺の事を…

 
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(え!あっ!これってまずくない??だってそもそも歌広場君は未成年だし…)




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僕、3年留年してるから立派な二十歳だよ!卒業したらもう問題ないよ!





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(え!?そんなに留年してたんだ!これは…どうなる…?)






歌広場…俺、今年度で教師辞めるんだ!俺もお前が好きだ!

 
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嬉しい!ずっと一緒だよ!!


ああ!ずっと一緒に住もう!

 
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お互い好きなペキニーズもチンチラも飼いましょう!!


樽美酒先生、暴走して歌広場のケツを揉む、そしてお姫様抱っこ(したりしなかったり)


ああ、2人を阻むものはもう何もない!愛してるよ!


ああ、そうだ、もうすぐここに鬼龍院君が来るそうだから、また後にして一旦お預けにしようか

 
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わかった!すぐね!!愛してるよ❤ダディ!



何も見てないふうを装い教室のドアを開ける



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鬼龍院、聞いたよ、学校辞めるんだってね


質問に答えようとするも声を出そうか迷っている


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あー、話さなくていい!大丈夫だよ

君の声を笑ってしまったことは本当に反省している、申し訳なかった

ところで、なんで学校を辞めようと思うんだ?良かったら先生に聞かせてほしい

声の事で笑ってしまった事の罪滅ぼしとして、少しは教師らしい事をさせてほしい



(失恋したんです)



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失恋、そうなのか、相手は…喜矢武君だよね?


驚いた表情を見せる鬼龍院



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君を見てればわかるよ、恋する男の目をしていたもんね。それで、告白はしたのか?




(はいしましたでも声のせいで上手く伝わらなくてそれどころか 悪口を言ったと思われてしまって絶交されてしまいました)


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そうか、それは辛かったね…

ん?でも、それって本当に失恋と言えるんだろうか?




(失恋ですよだって可能性 1%も残ってない)


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「失恋ですよ、だって可能性1%も残ってない」…か

だって喜矢武君は君から好きだって言われてないことになってるわけだ

本当の気持ちを伝えたわけではないのに、失恋したと決めつけてしまうのは早くないか?




(もうつかれたこれ以上傷つきたくない)



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そうか、今で十分傷ついてるんだもんな、これ以上傷つくなんて考えられないか

無理を言って悪かった。

〇〇ないなら、辞めて休む選択肢もありだろう。でも、告白したくなるくらい好きな人に巡り会うことができたという事は、決して不幸なことではなく、幸せなことなんだということを忘れてはいけないよ。

そんな気持ちにさせてくれた人に出会えた事を大切に心にしまって生きていきなさい。


最後に、一つだけお節介を



    


想いをしまったまま、

もう心がうごかなくなったのなら

諦めていいと思う


でも思い浮かべたとき、

まだ心が動くのであれば、

気持ちはしっかりと伝えるべきだと

先生は思うんだ。



明日、退学届けを学校に提出するから、

一晩考えてみて​





​───────もう疲れた、初めから高校なんて行かなければ良かったんだ。歌ってる時だけ普通になれても意味がない。何も変わらなかった、所詮は声のモンスターなんだ。こんな奴に入学初日にそもそも話しかけたりしてこなけりゃよかったんだな、変わってるよ…



喜矢武くん…




喜矢武くん…





喜矢武くん…




動く…

心が動いてしまう…


もう一度 ちゃんと伝えよう





その③へ続く