[見所]
アラン・ドロン製作・主演のミステリー・サスペンス
ドイツ占領下のフランス、フランスからの逃亡を図るユダヤ人から、美術品を買い叩いていた美術商のロベール・クライン(アラン・ドロン)だったが、ある日、自分の家の玄関にロベール・クライン宛のユダヤ人新聞が落ちていることに気づく。
ロベールは事情を調べ、どうやら近くに同姓同名のユダヤ人が住んでいたことを突き止める。ロベールはなんとか同姓同名のユダヤ人を探し出し、自分がユダヤ人で無いことを証明しようとするが・・・
原題:Mousieur Klein 英題:Mr. Klein (1976) 日本版Blu-ray
フランス映画 123分(フランス劇場公開:1976.10.27)
邦題:パリの灯は遠く(日本劇場公開:1977.9.9)
ジャンル:犯罪、ドラマ、ミステリー、サスペンス、戦争
監督:ジェセフ・ロージー
脚本:フランコ・ソリナス、フェルナンド・モランティ、コスタ=ガヴラス
製作:アラン・ドロン、ロベルト・クペルベルグ
製作総指揮:ラルフ・バウム
音楽:エジスト・マッキ、ピエール・ポルト
撮影:ゲリー・フィッシャー
編集:マリー・カストロ=ヴァスケス、アンリ・ラノエ、ミシェル・ネニ
[出演]
アラン・ドロン(ロベール・クライン、美術商)
ジャンヌ・モロー(フロランス、イブリ・ラタバーユ屋敷の女)
シュザンヌ・フロン(アパートの管理人)
ミシェル・オーモン
マッシモ・ジロッティ(シャルル)
ミシェル・ロンダール(ピエール、弁護士)
ジュリエット・ベルト(ジャニーヌ、ロベルトの愛人))
フランシーヌ・ベルジェ(ニコール)
[ストーリー]
1942年ドイツ占領下のフランス、パリ、ユダヤ人たちは身の危険を感じ、財産の処分を始める。
美術商のロベール・クライン(アラン・ドロン)は、愛人ジャニーヌと豪勢な生活を楽しんでいた。ある日、突然絵を持ったユダヤ人の訪問を受け、著名な画家の絵を買い取ってくれと頼まれる。クラインはユダヤ人の希望する値段を半分に値切り、嫌なら買い取らないと言い放つ。足下を見られたユダヤ人はしかたなく絵を売ることにする。
ユダヤ人を戸口まで送ったクラインは、戸口にユダヤ人新聞が落ちていることに気づく。宛名はロベール・クラインとなっていた。不安になったクラインは、ユダヤ新聞の発行所に向かい、誰かが彼の名前でユダヤ人新聞の購読を依頼したことを知る。クラインは申込書を見せてくれるように頼むが、申し込み書は警察に押収されていた。
クラインはユダヤ人と誤解される前に、自分から警察に向かい事情を話す。警察はユダヤ新聞の申込書を見て、ロベール・クラインという名前で購読申し込みがされていることを確認するが、その住所はクラインが住んでいる場所とは違っていた。どうやら同姓同名のユダヤ人が近くに住んでいるらしい。
クラインは同姓同名のユダヤ人が住むアパートを訪ねるが、住人は既に引っ越した後だった。
[感想]
ユダヤ人と間違われた男ロベール・クライン(アラン・ドロン)が、自分がユダヤ系ではないことを照明するために、同姓同名のユダヤ人を必死で探すという話。
クラインはユダヤ人の男が住んでいたアパートを突き止め、彼の部屋に残されていたネガフィルムを現像し、そこに写っている女性を探すことになる。女性を追っていくと、彼女は複数の偽名を使っており、どうやら反ドイツ過激組織に属しているらしいことがわかる。
話が進むに連れ、2人のロベール・クラインが実は同一人物のように思えてくるが・・・
ミステリー・サスペンスとしては良く出来ているが、結末はフランス映画らしく、あえて後味の悪さを残している。
[補足]
最後の方でユダヤ人が競技場に集められるシーンがあるが、「黄色い星の子供たち (2010)」を見ると、ドイツ占領下のフランスで何が起こっていたかが良く理解できる。
[お勧め]
アラン・ドロンのファンなら一度は見ておきたい
フランス語版予告編: Mr. Klein (Trailer)
[ソフト]
日本版Blu-ray
フランス語音声、日本語字幕
画質・音質とも良い