マット・デイモン主演のシリーズ第1作。フランス、マルセイユの沖で意識を失って浮いている一人の若者が漁船に救助される。男は記憶を喪失しており、自分が誰であるかを全く思い出せない。体に埋め込まれていた超小型レーザープロジェクターが映し出したスイスの銀行の貸金庫の口座をヒントに、彼は自分の正体（アイデンティティー）を探し出そうとする。彼の正体を知るCIAが全力を挙げて彼を殺そうとするが、暗殺兵器として訓練された男は、次々と襲ってくる暗殺者たちを殺して行く。
原題：The Bourne Identity (2002) 英国版Blu-ray（日本版と同一）
アメリカ映画 119分（アメリカ劇場公開：2002.6.14）
邦題：ボーン・アイデンティティー（日本劇場公開：2003.1.25）
ジャンル：アクション、ミステリー、サスペンス
監督：ダグ・リーマン
脚本：トニー・ギルロイ、ウィリアム・ブレイク・ヘロン
原作：ロバート・ラドラム「暗殺者 The Bourne Identity (1988)」
製作：ダグ・リーマン、パトリック・クローリー、リチャード・N・グラッドスタイン
製作総指揮：ロバート・ラドラム、フランク・マーシャル
音楽：ジョン・パウエル
撮影：オリヴァー・ウッド
編集：サー・クライン
［出演］
マット・デイモン（ジェイソン・ボーン、記憶を失った男）
フランカ・ポテンテ（マリー・クルーツ、ジェイソンの逃亡を助ける女性）
クリス・クーパー（アレクサンダー・コンクリン、CIA)
ブライアン・コックス（ワード・アボット、CIA）
クライヴ・オーウェン（教授、暗殺者）
アドウェール・アキノエ＝アグバエ（ニクワナ・ウォンボシ、アフリカから亡命した指導者）
ジュリア・スタイルズ（ニコレット・"ニッキー"・パーソンズ、CIAパリ支局要員）
［ストーリー］
フランスの港町マルセイユ沖、嵐の夜ウェットスーツに身を包んだ若い男が荒れた海を漂っている。たまたま通りかかった漁船が彼を引き揚げる。彼はかろうじて息をしている状態で、背中には2発の銃弾が撃ち込まれていた。尻には極小のレーザープロジェクターが埋め込まれており、スイスの銀行の貸金庫の口座番号が表示されるようになっていた。
男は記憶を完全に無くしており、自分が何者か、どうして背中を撃たれ海を漂っていたかが全く思い出せなかった。
親切な船長は元気になった男に幾ばくかの金を渡し、スイスに向かうように話す。男はスイスに行き、銀行を訪れる。銀行の貸金庫係はIDとして彼の右手をスキャンするが、データは一致していた。男は貸金庫を開くが、そこには各国通貨で大金の札束が入っており、さらにいくつものパスポートと拳銃が入っていた。それぞれ国籍を名前が違っていたが、男はアメリカのパスポートの名前ジェイソン・ボーンと名乗ることにする。
拳銃以外をバッグに詰めてその銀行から出ようとするが、既に銀行の行員がアメリカCIAの特殊工作部門「トレッド・ストーン」に電話連絡を入れていた。ジェイソンが銀行を出ると、スイス警察が彼を逮捕しようと追いかけてくる。ジェイソンは警察をかわして、パスポートを示してアメリカ大使館の敷地に逃げ込む。アメリカ大使館に入ったジェイソンは不審人物として捕まりそうになるが、抜群の戦闘能力を発揮して警備員たちをあっという間に打ちのめす。
［感想］
ジェイソン・ボーン・シリーズ第一作。自分が何者か判らなくなった男（マット・デイモン）は、たまたま出会った女性マリー（フランカ・ポテンテ）の助けもあり、CIAの追跡をかわしながら、自分の身元を探ることになる。
次第に自分はどうやらCIAの暗殺要員で、特殊な訓練を受けており、自分を襲ってくる相手を倒すことには抜群の能力があることがわかる。
しかし、CIAは全力で彼を消そうとしており、彼に関わった人々には死の危険がある。ジェイソンは人殺しに関わることは嫌になっているが、自分やマリーの命を救うためにCIAと戦うことになる。
ジェイソン・ボーンが意識を失って海を浮いているシーンから謎解きが始まり、少しずつ自分の正体に迫っていく。話のテンポも良くどんどんと話に引き込まれる。サスペンス映画として非常に良く出来ており、ラストまで見て一応の結末が着いても、もうこの続きはないのかと思える作品になっている。
とにかくジェイソン・ボーンを演じるマット・デイモンが格好良い。陰のある暗殺者を上手く演じており、アクションシーンの体の切れも良い。
英語版予告編： The Bourne Identity (Trailer)
［補足］
ジェイソン・ボーンのキャラクターは原作とは大分変えられ、映画向けになっている。原作ではジェイソン・ボーンはどこにでもいるような男で、全く目立たず、彼を見たことを誰も思い出せない幽霊のような男とされている。襲われると反射的に相手を殺してしまう恐ろしい兵器というのはあまり変わっていない。
原作ではジェイソン・ボーンのライバルとし、恐るべき暗殺者カルロスが存在し、ジェイソン・ボーンはカルロスとCIAの両方から命を狙われる。
［ソフト］
英国版Blu-ray（国際版で、日本版と同一）
音声：英語、日本語吹替、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語
字幕：日本語、英語、フランス、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、イタリア語、デンマーク語、オランダ語、フィンランド語、韓国語、繁体字、ノルウェー語、スウェーデン語
画質・音質とも良い
日本版DVD、Blu-rayが発売されている
