癌ステージⅣ75歳のT男を事情で東京から名古屋へ移送することになった。
癌発見から三か月で10キロやせたとはいえまだ70キロの体は重い。
今まで一人で世話をしてくれた義姉と、足立区のS病院を介護タクシーで朝7時に出発し、小雨交じりの町を東京駅へ向かう。幸い連休明けにもかかわらず重体もなく予定通り予定5分前に八重洲中央口へ無事到着。8:30発下りのぞみ17号移乗のため駅員の方が車いすでホームへ誘導し、乗車まちの車掌男女に指示もされる。11号車の多目的個室は乗車口のすぐ隣の一角で近い。手際よく椅子を倒してベッドをしつらえ、ベッドに移すまで年配の駅員がてぎわよく済ませ車内の駅員に引き継ぐ。定刻:30分に出発。昨夜緊張で寝なかったT男はすぐに眠りに入る。
義姉が準備した朝食のおかゆも冷めて、水も排出物の処理も不要で静岡近くまできた。義姉と二人でベッドから起こしたが実に重い。自分が背中合わせで支え続け義姉がおかゆと水を摂らせる。もう浜名湖を過ぎ豊橋が近くなる、愛知へ帰る喜びを小さな車窓から目で確かめることはできないが、喜ぶ。
到着20分前に車掌二人が車いすへの移乗をはじめる。ベッドから起こし移乗を手伝うが実に重い。10時12分定刻通り到着し、1分の停車中にホームの駅員と車内の駅員の見事な連携で、無事下車改札まで。
改札で待つ介護タクシーに移乗し、10時35分N医療センターへ到着。妻Hと姪Yが迎えてくれる。相談員のYさんが手際よく受付・病室へ連絡し5階の病室へ落ち着いた。T男が「ありがとう」と涙を流した、長くて短い1日だった。
改めてJRの車いす移送の多目的個室関係の方々に感謝したい。