福祉の勉強をしている学生さんと


現役の福祉現場で働く人たちを集めて


勉強会や交流会やらをしている関係で


福祉系の学生さんたちとお話をする機会があります。




その中で感じたこと1点目は


最近(?)の学生は、多種多様なコミュニティに所属しているんだなぁ、


ということです。



学部・学科、部活、サークル、アルバイトという枠だけでなく、


NPOや市民活動のグループに関わりがあったり


SNSなどを利用して


学校では出会わないような世代の人達とも交流しています。



また、同じ学校の中に社会福祉士、介護福祉士、PT、OT、


看護師などを養成する学科がある場合などは


それらの他専門職と合同で、グループワークや事例検討をする授業があるそうです。



学生の頃から他専門職(の卵)と机を囲んで勉強できるなんて…


とてもうらやましい環境だなと思いました。




2点目は、個人情報にあまり執着がみられないという点です。


(個人情報やプライバシーの問題に世間がうるさくなった。と言われますが、


むしろ行政の方がやたらと「個人情報」という言葉を乱用し、


面倒くさい問題に対しては「個人情報ですので…」という文句を盾に、


我関せずの立場を取っているような感があります。


同じ部署内でさえ、情報が遮断されているケースもしばしば)



若い世代の間では、本名で利用するSNSサイトがすっかり浸透し、


学生(ゼミ)と教授のやり取りに使われていたりもします。



自分の生活を詳細に綴ったり、現在地の写真をアップしたり、


顔写真も堂々と載せているのですから、


明らかに「プライバシーだなんだと騒ぐ世代」ではないだろうと感じます。



そういった意識の弊害なのか、介護職員のブログなどを見ていると


利用者の写真(もちろん目隠しはしています。)を


堂々と載せている人が見受けられます。


利用者さんの写真を携帯の待ち受けにしている強者もいますね。



目隠しをしてサイトにアップするからいい、という問題ではなく、


「写真を撮る」ということは


個人の携帯電話の画像フォルダカメラのSDメモリーカード


利用者さんの画像データが残るということです。



仕事で得られた情報は外部に持ち出さない。


それ以前に、専門職としての常識・倫理観が問われる問題ですね。



いつでも、どこからでも、簡単に画像や動画、文章が発信できる時代。


その文化に、物心ついた時から身を置いている世代。




これからは、「情報は漏れるものだ」という意識で


リスクヘッジする必要がありそうですね。


さっき職場会議で話した内容が


数分後には世界に向けてツイートされている時代
なのですから。




3点目は、学生生活に”無駄”がなくなってきているということです。


年配(?)の方の中には、「学生はね、しっかり遊ばないと!それも勉強だから~」


と言われる方がいます。


(それはその方が特別遊び人だったわけではなく、


そういう感覚を持っていても良しとされていた時代だったからです。)



このご時勢、就職難、就職難とあおられて、学生さんは資格取得に必死です。


福祉の世界でも、「社会福祉士なんかとってもとらなくても関係ないよ~」


と言われる方もいますが、


…もはやそんな次元ではないようです。



(子どもの数が少なくなって種の存続が危ぶまれている時に、


子どもを持たないのも生き方だから…


などと言っている余裕がなくなるのと同じです。)



資格取得が就職の最低条件となりつつある現状もあります。


学校を出たのに資格を取らない事は怠惰であり


志が低いと見なされてしまう、


なんだか、ただでさえ真面目な福祉学生に、磨きがかかったようですね。笑




外国人の就職サポートや「法律と福祉と医療」の連携のあり方、


アジア諸国への介護事業の進出なんかにも目を向けて、


グローバルな視点、多種多様なコミュニティから学ぼうとする柔軟性、


それに加えて真面目で建設的な学生生活。




時代がそうさせる、と言ってしまえばそれまでですが


もう明らかに、就職戦線異状なし世代とは


価値観がずれているのでしょう。



現場の職員としては


そのような学生さんに意識レベルを合わせておく必要がありますし、


資格なんてあってもなくても同じだよ、とか言ってしまったら


何言ってるの、怠惰な人。と言われてしまいかねない!!


と強く感じました。