「高いお金を払っているから優しくしてくれているんでしょ」

 さつきの声がカウンセリングルームに響く。 

よく言われたものだった。

最近はこのようなことを言うことはなかったが…。

さつきとは出会って1年が経とうとしている。

ショートカットの似合うかわいらしい18歳。

学校に行けなくなってカウンセリングルームにやってきた。

 

ネットで知り合って友達とギクシャクしているから不安定である。

「もう誰も信じられない」

そう言うと泣き崩れてしまった。

なんて言葉をかければいいのかわからず時間だけがすぎていく。

長い沈黙の後、勇気を出して話した。

「そろそろ終わりだけど…」

こうやって時間が来ると終わろうとするから信じてもらえないのだろうか。」

「何か言っておきたいこととかない?」

「ない…。」

さっきより言葉が柔らかくなっている。

「帰ってから自分を責めないでね」

さつきは無反応だ。

「さつきはきついことを言うと帰って自分のことを責めて傷つけるでしょう」

「うん」

「こんなことで嫌いになれないし。変わらないから」

さつきが小さくうなずく。

「また、来週待っているから」

心臓がドクンと鳴る。

「うん」

良かった。

もう来ないって言われたどうしようと思っていたから…。