拙著「僕が帰りたかった本当の理由」

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すばる望遠鏡

 

 

 

『 僕は「問題」では無くて「答え」だよ。 』

 

 

それは、

とても意味深なメッセージだった。

 

 

 

ハワイ島のマウナケア山頂、

標高4200メートル

 

 

 

地球上で最も天体観測に適したその場所には、

日本の『すばる望遠鏡』をはじめ

世界11ヶ国の研究機関が、

合計13基の天文台を設置している。

 

 

 

 

満天の夜空を埋め尽くした星々から

惜し気も無く注がれて来る光の束は、

夜空だという事を忘れてしまう程の眩しさだった。

 

 

そして、

富士山よりも高いその標高からの眺めは、

頭上だけでなく

眼下にまで広がっている。

 

 

私はそこで生まれて初めて、

『星々を見下ろす』

という想像を超えた経験をすることになった。

 

 

まるで

無数の星々に自分の身体が包まれている様な感覚。

 

 

素粒子という星々で構成された自分の細胞と、

無数に広がる星々との間には、

もはや境界線は感じられなかった

 

 

やがて、

 

 

 

『自分自身が宇宙そのものなんだ』

 

 

 

そんな事が自然に思えて来た。

 

 

そして

聞くことが出来たメッセージ、

 

 

 

『 僕は「問題」では無くて「答え」だよ。 』

 

 

 

それは、

2年半前に先立った、

我が家の長男、諒(りょう)からのものだ。

 

 

今は星々に囲まれた世界に住んでいる諒。

 

 

そんな彼と、

星々を通して一体化出来たからこそ、

聞くことが出来たメッセージなのだろう。

 

 

私は、

この意味深なメッセージを受け取った事で、

或る『決心』をすることになった。

 

 

『決心』というよりは、

『覚悟を固めた』

という方が正しいかもしれない。

 

 

今回のブログでは、

そんな『覚悟』について、

報告してみたいと思う。

 

 

 

 

 

 

世の中には、

言葉で思いを伝える事が苦手

自閉症者が居る。

 

 

苦手どころか

会話が成立しない自閉症者も多い。

 

 

伝えたいことが有っても

言葉にする過程で脳の回路が

邪魔をしてしまうという。

 

 

我が家の長男坊、

諒(りょう)もそんな自閉症者の一人だった。

 

 

言葉で伝える事が上手く行かないと、

日常生活上は、

様々な問題を招く事に成る。

 

 

特に身体の不調

伝えられない場合は深刻だ。

 

 

諒は長い間、

中耳炎を患っていたにもかかわらず、

本人はその痛みを言葉で伝えることが出来なかった為に、

家族や周囲の支援者が

その病気に気がつく事が出来なかった。

 

 

放置されていた間、

彼は激しい痛みに耐える生活を強いられていたのだ。

 

 

たまたま、

定期健診で中耳炎だと分かったのだが、

既に手遅れの状態だった。

 

 

発見後も、

1年近く色々な抗生物質を処方したが完治は出来なかった

 

 

結局は

耳に人口のチューブを入れる大掛かりな外科的手術

行う事になってしまったのである。

 

 

諒がアメリカで20年間生活を送った間に受けて来た

公的な福祉サービス

それらは非常に優れていて

世界中の各国でも御手本とされていた。

 

 

ところが、

その御手本とされている手法

 

 

すなわち、

 

♦自閉症支援教育(TEACCH

♦言語療法(ST

♦行動分析療法(ABAセラピー

視覚的支援(PECS、ジェスチャー、メモ書き)

 

 

これらの

優れたはずのコミュニケ―ション支援手法でも、

諒の痛みまでは特定することが出来なかったのだ。

 

 

長い間、

彼に痛い思いをさせてしまったことを考えると、

今でも、

後悔と責念の思いで胸が一杯になる。

 

 

 

 

 

 

そんな辛い記憶の中、

ごく親しい知人からの情報によって、

言葉が不得意な自閉症者にも有効なコミュニケーション手法

が世の中に存在している事を知る。

 

 

それは、

RPM (Rapid Prompting Method)

という『文字盤』を使ったコミュニケーションの手法だった。

 

 

 

 

言葉が苦手な自閉症者でも

文字盤を使うことで

自分の思いを表すことが可能になる手法だ。

 

 

世界的に有名な自閉症作家の東田直樹さん

これに酷似した文字盤を使って

執筆活動を行っている。

 

 

一般的に普及している福祉手法では、

支援者側による観測によって支援の内容が決められる事が殆どだが、

RPMでは、

当事者側の意思に沿って支援の内容を決め事が出来る。

 

 

更に言うと、

 

 

一般的な福祉手法では、

落ち着いた生活を送らせるところがせいぜいの目標なのに対して、

RPMの場合は、そのレベルを超えた

『教育』や『健康管理』の分野までを支援する事を目標

とすることが出来るものだ。

 

 

もしも、

諒が生前にRPMを習得する事が出来ていて、

 

 

 

『みみがいたいよ~』

 

 

 

と一言だけでも耳の痛みのことを、

自己表現することが出来ていたとしたら、

あんなにも長い間、

辛い痛みを経験させずに済んだのかもしれない。

 

 

私は、

RPMを日本の福祉業界に普及させることで、

少しでも多くの自閉症者が

健康上のリスクから救われることを目指したいと思った。

 

 

そして、

自分の講演の中で、

RPMを紹介する事を決めたのである。

 

 

 

 

 

 

ところが、

 

 

調べている内に、

RPMの普及には様々な障壁があることが分かって来た。

 

 

例えば、

既存の福祉サポートの手法とぶつかってしまう事で、

それらを生業にしている専門家の職を脅かしてしまうという理由から、

利権上の圧力が福祉業界には存在している、

 

 

とか、

 

 

RPMを習得させる為には、

専門的な知識と、相応の時間、お金、労力が伴い、

挙句の果てに

難しくて諦めてしまうケースが多い、

 

 

とか、

 

 

効果に対する科学的な根拠に乏しく、

支援者側の八百長、

イカサマとしての疑義を受け、

刑事的な訴えにまで発展したりしている、

 

 

そんな情報がインターネット上に沢山存在しているのである。

 

 

実際のところ、

これらの情報が本当の事なのかどうかは分からない。

 

 

でも、

この様なネガティブな情報が存在する以上は、

無視することは出来ない。

 

 

特に、

諒への効果を実際に体験出来た訳では無い自分が、

無責任に人へ勧めする事は出来ないだろう。

 

 

やはり、

自分の講演会でRPMを紹介する事は、

諦めるしかなかった

 

 

しかしながら、

 

 

沢山の自閉症者を救えるかもしれない

可能性を秘めたRPM

 

 

そんな素晴らしいかもしれない手法を

紹介出来ない事は歯痒い

 

 

そんな事を思いながら、

悶々とした晴れない気持ちで過ごす日々

始まってしまったのである。

 

 

 

 

 

 

2023年10月15日

 

 

 

 

その日、

私がハワイ島のスバル望遠鏡の地に立つことが出来たのは、

日本で出会った専門医による治療によって、

奇跡的に症状が改善した為だった。

 

 

筋肉が衰える進行性の難病を患ってから4年。

 

 

進行が速いとされているこの病気は、

本来であれば既に歩けなくなっているに違いなかった。

 

 

ところが、

 

 

何らかの導きによって、

ハワイ島のマウナケア山頂、

標高4200メートルから、

自分は今、

星々を見下ろしているのである。

 

 

 

『 僕は「問題」では無くて「答え」だよ。 』

 

 

 

この意味深なメッセージ

受け取るために必要な旅だったのだろう。

 

 

そんなことを思いながら、

メッセージの意味を考えてみる。

 

 

諒の「問題」とは、

諒がコミュニケーションを上手く図れなかったことで、

行動障害を伴ったり、

健康上のリスクを抱えて生きたことだった

 

 

そして、

 

 

 

『それらの「問題」を、問題だった記憶のままにしないこと、

それが「答え」だよ。』

 

 

 

それが諒が私に伝えたかった意味なのではないか?

 

 

言い換えると、

 

 

 

『問題を解決できる可能性を秘めたRPMを放置しない』

 

 

 

私は、

星々に包まれながら、

そう確信するに至った。

 

 

 

『よし、やっぱり講演会ではRPMの紹介をしよう。』

 

 

 

私は覚悟を固めたのである。

 

 

 

 

2023年11月18日

 

 

 

 

旭川市が主催する

「自閉症スペクトラムトピックセミナー」

支援者育成事業での講演会。

 

 

結果として、

複数の聴講者から

RPMへ興味を持ってもらう事が出来た

 

 

今後、今年2月に行われる

RPMの講習会にも参加してくれるという。

 

 

2月のオンライン講習会では、

RPMによって生活を向上させることが出来た実例が

複数紹介される予定だ。

 

 

さらに、

RPMの実演も行われる

 

 

インターネット上のネガティブな情報の真偽については、

この実例や実演を見ることによって、

判断が出来るに違いない。

 


是非、

沢山の方々に講習会に参加して頂いて、

自分達の目で

その真偽の判断をして頂ければと思う。

 

 

実際の所、

RPMは万人に効果が有るのかどうかは分からない

 

 

習得に向けての努力は

徒労に終わるのかもしれない。

 

 

でも、

RPMが沢山の自閉症者を救う可能性を秘めている事は、

間違いが無い

 

 

単なる選択肢の一つとして、

既得の福祉サポート手法に加えるという形ででも

普及が進めばと思う。

 

 

【 ↓ RPMオンライン講習会御案内 ↓ 】

 

 

 

 

★★★★★★★★

 

 

 

『諒君、次はどうすれば良い? メッセージ待ってるよ。』

 

武父より

 

 


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